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 「明日はもう少しゆっくりしたいねー」

 「そうですなぁ」

 食後(軽食)のお茶をまったりと飲む。

 ちなみにカートが入れたお茶を飲むと、他のはしばらく飲みたくなくなるほ

ど、上手だったりする。

 買い食いを止めたかわりにジークフリートが用意したのは屋台の料理と同じ

ように作ってある軽食だった。

 最初、カートが用意してくれたんだと思っていたら実は違うらしい。

 変なところでまめだなぁ。

 「明日は薬剤系の店に寄るんだっけ?カート」

 「はい。私用で申し訳ないのですがケラソスの葉をもう少し手に入れようか

 とブリーゼ様と話しておりまして。効能がまことならば薬師たちに研究して

頂くのも良いかと」

 「ふぅん」

 「そういえば、飲みそびれたなぁ。リーナが入れてくれるって言ってたけど、

 そのまま出て来ちゃったからなぁ……」

 「では、機会があればお入れ致します」

 「ありがとー」

 この国のお茶は一般的に紅茶が主流で東方の緑茶は貴重品だ。

 樹自体はあまり変わりがないけどお茶に生成する過程が違うらしく、その工

程に門外不出の部分がある為、なかなか手に入らないのである。

 ついでにいえばコーヒーがない。

 似た様な豆はあるらしいのでカートに強請り倒して現在育ててもらっている

途中である。

 通常のコーヒーは3年くらいで豆が収穫できるようになり50年ほど収穫可

能だけど、こっちのコーヒーは植えて1年ほどで豆が収穫可能になる。

 ただし。

 もともと熱帯地方の植物らしく寒さにめっぽう弱い。

 おまけに実の収穫期間も短くて15~20年程度だ。

 ついでに言うと本来のコーヒーにはカフェインが入っているけれどこっちの

にそれが入っているかどうかは微妙なところだ。

 ……まぁ、コーヒーもどきも効能が似ているから多分入っているだろう。

 たぶん。

 今後の販売を考えると冷害に弱いのがネックで現在カートに品種改良をお願

いしているのだ。

 なぜかカートが育てると生育が良く、おまけに品質も数段良くなる。

 本人にも理由は分からないとのことだけど「緑の指の癒し」だね、といった

らかなり喜んでくれた。


 目指せ、自家焙煎コーヒー。


 因みに。

 甘味料はアケルという樹の樹液を煮詰めて作るのが一般的で茶色っぽい。一

番味が似ているのはメープルシロップかな。

 東方にはイーネ(ひょっとして稲か?)の仲間にウージから出来るシュクル

があり、それは比較的安価だ。

 もう一つは蜂蜜ミエルでこっちは高級品である。

 このシュクルは薬として初めはいってきたらしいけど徐々に苦味を消す製法

が確立され、今では甘味料として使われるようになったらしい。


 カートからもらった飴細工を齧りながら、荷物をあさる。

 明日のためにいくつか空容器を取り出し、服のポケットに放り込む。

 薬系統はカートやジークの専門分野だけど、私は何も薬を手に入れに行くの

ではない。

 狙いは米である。

 パンが主食のこの世界では米は東方などの一部地域にしか栽培されておらず、

なかなか手に入りにくいのだ。

 しかし米からはお酒も出来るし、米自体も長期保存が可能な上、粉末や餅に

して保存が効きやすい。

 作れるものが多いのだ。

 うまく種籾を手に入れたらカートに頼んで作ってもらうつもりだし、多めに

用意しとこう。

 明日が楽しみだ。

前回は食べ物、今回は原材料……と多少食べ物の方に走ってしまいました(笑)

因みに食品などの名前は造語又は別の言語の綴り(ラテン・ドイツ・ギリシャ・

フランス語・英語・方言等)から適当にとって付けています。

栽培方法や効能はWikipediaからとる事が多いです。

今回は(主に作者が)意外と知らなかったことがわかって楽しかったです。

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