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恋を知らない先輩が近すぎる  作者: 月城琴晴


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外伝4話 最強家族、参戦

「部長さんより年上って聞いたんですけど」


「え?」


一瞬、空気が止まる。


その隣で――


「お母さん、いつも年下に見えるんだよ」


翔が、当たり前のように言う。


「だから普通だよ」


「……」


「わかる」


誰かが、深く頷く。


「それは反則」

「コツ、聞きたいです」

「ぜひ教えてください」


一気に食いつく。


「……」


(普通とは……?)


修司だけが、静かに考え込んでいた。


「めちゃめちゃ可愛いですよね」

「どうしたらそうなるんですか?」


口々に聞かれる。


「……」


「翔くん、お母さん何してるの?」


「何もしてないよ?」


即答だった。


「……え?」


「お化粧はしてるけど」


少しだけ考えて――


「してなくても、一緒の顔してる」


「……」


一瞬、空気が止まる。


「強い」

「それは強いわ」

「完成してる」


次々に頷かれる。


「……」


(何の評価なんだ……)


修司だけが、少しだけ遠い目をした。


「彩乃は昔から変わらないからな」


ぽつりと呟く。


「いつも、かわいいしな」


「……」


「だから、普通だぞ?」


言い切る。


一瞬、間。


「やっぱり」

「奥様最強説」

「勝てない」


口々に頷かれる。


「お父さんね、お母さんのこと――いつも“かわいい”って言うんだ」


翔が、無邪気に言う。


「毎日言ってるよね」


「……」


一瞬、視線が集まる。


「当たり前だろう」


修司は、迷いなく返した。


「本当のことだしな」


「……」


空気が、止まる。


「強い」

「毎日言うの、強すぎる」

「理想すぎるんだけど」


ざわっと広がる。


川上が、ふと口を開く。


「やっぱり、毎日言ってるんですか?」


「ああ。当たり前だ」


修司は、何の迷いもなく頷いた。


「かわいいものは、かわいいって言って何が悪い」


「ですよね」


即答だった。


「……」


(即答するなよ……)


一瞬だけ、空気が揺れる。


「お前だって、仕事中に早瀬に“かわいい”って言われてるだろう」


「ああ。それ普通ですから」


「……」


沈黙。


「……普通とは」


誰かが、ぽつりと呟いた。


「先輩も、かわいいですよ」


さらっと、川上が言う。


「え?」


早瀬が少しだけ目を丸くする。


「……ありがとう」


ほんのり頬を緩める。


それを見て――


(……通常運転だな)


心の中で、納得する。


(やっぱり俺は普通じゃないか)


静かに、結論が出た。


「僕、来てよかったな」


翔が、にこっと笑う。


「お姉ちゃんたち、みんなかわいいもん」


「……」


「美人だし」


さらに追撃。


「僕、美人のお姉ちゃんたち大好き」


「……」


一瞬、空気が止まって――


「かわいい……」

「天使か」

「将来有望すぎる」


一気にざわつく。


「翔くん、私と結婚して」

「いや、私よ」


「……」


一瞬で、取り合いになる。


「この子、将来有望ね」

「わかる」

「絶対モテるタイプ」


口々に言われる中――


「やっぱり、私の子は尊いわ」


彩乃が、さらっと言った。


「……」


「強い」

「母、強すぎる」


ざわっと広がる。


「僕、お母さんと結婚するって約束してるの」


にこっと笑って、言う。


「ごめんね」


「……」


一瞬、静止。


「尊い」

「無理……尊い」

「負けた……」


その場の全員が、静かに崩れた。


「……」


「これは勝てない」

誰も反論できない。


「ありがとう」


彩乃が、柔らかく微笑む。


「……いや、翔。それは駄目なんだ」


修司が、静かに口を挟む。


「お母さんは、お父さんと結婚してるからな」


「……」


「お父さんの彩乃を、とっちゃいけないんだ」


真顔だった。


「そうなの?」


翔が首をかしげる。


「ああ」


小さく頷く。


「だから――」


一瞬だけ考えて。


「翔は、お母さんみたいにかわいい人を見つけるんだな」


「……」


「ハードル高いね」


翔が、真顔で言った。


「……」


一瞬、空気が止まって。


「確かに」

「それは高い」

「お母さん、強すぎる」


ざわっと崩れる。


「確かに。次じゃないと駄目ね」


早瀬が、真面目な顔で頷く。


「予約制、すごいわ」

「革命ね」

「新しい」


口々に評価が重なる。


「さすが、イケメンなだけありますね」


川上まで、納得したように言った。


俺は、この日から――


イケメン上司として、レギュラー参加が決まった。


「……」


断った記憶は、ない。


そして。


気づけば、常連になっていた。


さらに――


「最強家族を愛でる会」


そんな名前に、いつの間にか変わっていた。


「……」


(どこで決まったんだ……)


誰も説明しないまま、次回の日程だけが共有されていた。

外伝、最後まで読んでいただきありがとうございます。


今回は少しだけ、本編とは違う空気でお届けしました。

修司たちの“普通”と、周りとのズレ、楽しんでいただけたら嬉しいです。


気づけば「最強家族を愛でる会」まで誕生してしまいましたが、

この空気はきっと、これからもどこかで続いていきます。


そして――

もし「この関係、もう少し見てみたい」と思っていただけた方へ。


本編では、この先の距離感や変化も、少しずつ描いています。


第3巻では、さらに踏み込んだ関係や日常が描かれているので、

気になった方は、ぜひそちらも覗いてみてください。


引き続き、よろしくお願いします。


もし「この続き、もう少し見たい」と思っていただけた方へ。

第3巻はこちらからご覧いただけます。

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