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028 乗合馬車

しかし、現実はそう甘くは無かった。

私としては、誰にも知られることなく、ひっそりこっそり告白したいのだが、いかんせん相手は有名人。

村中のどこにいたって目立つのだ。

こんな相手に、いつどうやって告白しても、また村中に揶揄われるに決まっている。

うああぁぁぁぁ。どうすれば良いんだぁぁぁぁぁ。

悩みに悩んだ私は、一人で考えることは諦めて、クロエさんに相談してみることにした。

クロエさんが一人でいるところを見計らって、声をかける。


「クロエさん、ちょっとお話良いですか?」

「リアさん?どうしたんです、こんなコソコソと・・・。」


顔に?マークを浮かべつつも、私の方に来てくれるクロエさん。


「あの、実は相談がありまして・・・。」


そうして私は、オーウェンと二人きりになるにはどうしたら良いかと話をした。

色々と察してくれたらしいクロエさんは、相槌をうちつつ聞いてくれた後、こう言った。


「それなら、領都まで足を延ばしたらどうです?乗合馬車を使えば日帰りできるでしょう?」

「確かに!出発は朝早めだし、帰りも暗くなる直前になるから目立たなさそう!」


素晴らしい妙案を授けてもらい、私はクロエさんに感謝する。


「それでいってみます!あ、このことは内緒でお願いしますね。ありがとうございました!」


クロエさんは笑顔で見送ってくれた。

そうと決まれば善は急げ。

早速オーウェンを探し始めた。

今日はもう宿へ戻っているらしい。

宿の部屋の戸を叩くと、ウィリアムさんが出てきた。


「あの、オーウェンはいますか?」

「ああ、いるよ。ちょっとまってね。」

「リア?どうしたんだ、こんなところまで。」


私の声が聞こえたらしいオーウェンが、呼ばれる前に出てきてくれた。


「あの、急ですが明日はお暇ですか?乗合馬車で領都まで出かけたいんですけど・・・。」

「領都まで?もちろんかまわないが・・・。」

「ありがとうございます!じゃあ、明日、馬車の乗り場で!」


それだけ言って、慌てて家に戻る。

よし、何とか連れ出すことはできそうだ。

あとは言葉にして伝えるのみ!

頑張れ!私!

オーウェンを誘うことに成功した私は、明日へと気合を入れるのだった。

翌朝、約束通りに来てくれたオーウェンと二人、馬車に乗り込む。

途中、いくつかの村を経由して、同じく領都に行く人々も乗せていく。

乗合馬車なので座り心地は少し悪いが、領都まで出るには大切な交通機関なのだ。

どこかの誰かのように、「ちょっと走って」行ける距離ではないのだ。

馬車の中では、ほとんど話さなかった。

他の人も大勢いるのだ。

私語は慎むのがマナーである。

やがて領都にたどり着き、馬車を下りる。

私は固まってしまった体をぐっと伸ばした。


「疲れたか?」

「いいえ、大丈夫です。オーウェンは何か食べたいものとかありますか?」

「リアのお勧めがあれば、それが良いな。何かあるか?」

「それなら、お気に入りのカフェがあるんです。行っても良いですか?」


久々の都会にちょっとウキウキしながらそう言えば、オーウェンは微笑みを返してくれる。


「ああ、もちろんだ。そこにしよう。」


優しい声音でそう言われて、私の心臓がドキン!と跳ねる。

私は、赤くなってしまった顔を隠すようにして、オーウェンをカフェへと案内した。



ありがとうございました。


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