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side 勇者パーティー 05

「毒だ。」


ギルド長の見舞いを終えて宿の部屋に戻ると、ローガンがそう言った。

ローガンは暗器使いだけあって、パーティーの中で一番毒に関する知識がある。


「弱い毒を飲まされ続けている。」


もともと口数の少ないローガンは、短くそう説明した。


「なるほどな。それならポーションが効かないのも頷ける。」


ポーションで回復しても、またすぐに毒を飲まされたのでは治らないだろう。


「だとすると、身近な人間が怪しくなるね。それこそ、ギルド長代理や受付の女性とか・・・。」


ウィリアムが口を開く。

家で寝たきりのギルド長に毒を飲ませ続けるとなれば、やはり家族が怪しくなる。


「そうだとしたら、証拠を掴むのが難しいわね・・・。」


グレースが難しい顔になる。


「ローガン、毒の種類はわかるか?」

「・・・。」


ローガンは首を振った。

さすがに見ただけでは特定できないらしい。


「特定できないなら、やはり万能薬しかないか。」


上級ダンジョンのさらに上、超上級ダンジョンで手に入るという万能薬。

入手が困難なため市場にはまず出回らず、入手できたとしても王族や上級貴族に使われる。

その万能薬であれば、毒の種類が何であれ治せるはずだ。


「でも、超上級ダンジョンの奥まで行かないとだろ?私らでもキツイと思うけど。」

「しかし、俺たち以外に生きて帰れる可能性のある冒険者もいないだろう?」

「まあ、確かに。」


エブリンの心配ももっともだったが、これでもこの国の冒険者の中でトップと言われている俺たちだ。

俺たちが行かなければ、という使命感もあった。


「万能薬を入手して、ギルド長を治す。そして、ギルド長に協力してもらって、毒を飲ませている犯人を捕まえる。こういう作戦でどうだ?」


そう言って、パーティーのみんなを見る。

みんなは苦笑しながらも頷いてくれたのだった。



さて、超上級ダンジョンに向かうことは決定したが、さすがに俺たちと言えど、無傷で帰れる保証はない。

そこで、行く前にリアに一目会ってから行くことにした。


「リア。元気にしていたか?」

「オーウェン?!どうしたんですか?」


俺の雰囲気から何かを感じ取ったのか、リアが聞いてきた。

気にかけてもらえて嬉しく感じる。


「これから、超上級ダンジョンへ行くことになった。」

「え・・・上級のさらに上のダンジョンですか?」

「ああ。生きて帰るつもりだが、無傷で帰れるかは分からない。だから、行く前にリアに会いに来たんだ。」


そう正直に言うと、リアは不安そうな顔をした。


「何故、そんな危険なダンジョンに行くんですか?」

「すまない。それはまだ言えない。全てが明らかになったら説明する。」


そう答えると、ますます不安そうな表情になった。


「心配するな。これでも国一番の冒険者と言われている俺たちだ。ちゃんと帰ってくる。」

「・・・はい。必ず、また来てくださいね・・・!」

「ああ、もちろんだ。」


リアの真っ直ぐな視線を正面から受け止め、強く頷いた。


「あ、そうだ!これ・・・!」


リアが何かを思い出したように一つのアイテムを差し出した。

それは、水色のしずく型の石だった。


「これは・・・妖精のしずく?」

「はい。この間の討伐の時に手に入れたドロップ品です。ネックレスのお礼に・・・って、こんな初級アイテム、オーウェンは要らないですよね!」


そう言って、慌ててひっこめようとした手を掴んで、アイテムを受け取った。


「ありがとう。リアがプレゼントしてくれるものが要らないはずがない。大切にする。」


妖精のしずくは、炎系の攻撃に対して、わずかに防御力を上げてくれるアイテムだ。

ほんのわずか防御力が上がったところでたいして変わりは無いのだが、リアがくれるというのなら話は別だ。

大切に懐にしまい込んだ。

すると、リアは少し驚いた顔をした後、微笑んでくれた。




ありがとうございました。


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