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橘響夜 7月9日 午後11時01分 渡良瀬市 旭TV局

やっぱりちゃんとキャラ紹介は作ったほうがいいですかね?

出来ればご意見をもらえるとありがたいです。

 俺は和泉を背負い、十階へと続く階段の前に立っていた。


「ここですかね?」


 白鳥が呟く。準一がドアノブに手を掛け、回した。しかしノブはガチャガチャと音を立てるだけで、開く気配もしない。


「鍵が掛かっているな……」


「退け。俺が壊す」


 俺は腰からH&K2000を引き抜き、ドアノブに銃口をつけた。そして引き金を引く。鋭い音と共に、ノブが吹っ飛び、鍵が壊れた。


「よし、行こう」


 準一と松山が先行して階段を上り、その後に俺たちが続く。十階に到着し、食堂に足を踏み入れると、突然、叫び声が聞こえた。


「来るな!」


 準一がライトで声の方向を照らす。そこには白い白衣を着た男がいた。かなり怯えている様だ。


「安心しろ。俺たちは味方だ」


「軍隊か?」


「まあ、そうだ」


 男は安心したように、こちらに近づいてきた。俺の背中にいる和泉が声を上げる。


「尾上さん!」


 和泉の声に反応した男が和泉を見て、同じく驚きの声を上げる。


「和泉ちゃんか?良かった……無事で……」


「尾上さんはここの食堂のコックなんです。よくお世話になってます」


 俺は男を舐めるように見た。普通の男で、特に危険性は無さそうだ。


「名前は?」


「俺は尾上おのがみりょうだ。只のしがないコックさ」


 俺は頷き、テーブルか何かを探した。

 食堂は周りの壁がガラス張りで、十階から見える市の風景が全て見渡せる。展望台としても利用出来そうだ。きっと従業員達にとっても最高の休憩場所だったに違いない。


「尾上さん、テーブルか何か無いか?このの手当てをしたい」


「テーブルならそこら辺のを使えばいい。待ってろ」


 尾上は横長のテーブルを引きずってきた。俺もその上にテーブルクロスを敷いて、和泉を寝かせた。


「和泉ちゃん、怪我したのかよ?」


「ええ……少し……」


 和泉は腕を見せた。その傷を見て、尾上があとずさる。


「噛まれたのか?ヤバイよ!噛まれたら奴らみたいに……」


「え?」


 和泉が驚きの声を上げる。その後、響夜を見つめる。


「本当なんですか?」


 俺も暗い顔で頷いた。ここで嘘を吐いても仕方ないだろう。


「噛まれた奴はそうなる。時間はわからないが、個人差があるだろう。平均して一時間前後ってとこだ。お前は陽の光を見る事は出来ないだろうな……」


「いやです!奴らみたいになるのなら、今撃ち殺してください!」


 俺はその言葉を遮り、バックから小さなケースを出した。準一がそれを見て、呟く。


「響夜、それは……」


「いいんだ。背に腹は代えられない」


 和泉は俺が取り出した物を見て、首を傾げる仕草を見せた。


「それは?」


「お前は運がいい。ここに抗ウィルス薬があるのだからな」


 俺は青い液体の入った注射器を用意し、縄で和泉の腕も縛り、動脈を探した。動脈の青い線に注射器の先端を刺し、液体を注入した。


「これで大丈夫だ。お前は本当に運がいい」


 俺は腕の手当てを始めた。手持ちの消毒薬で消毒する。


「ん!」


「少し凍みるかもしれないが、我慢してくれ」


 俺は包帯を和泉の右腕に巻き、しっかりと固定した。これで応急処置は完了だ。準一がふと厨房を見た。


「尾上さん、食料なんかはあるのか?」


「ああ、今朝にストックが来たから一週間分はある。飲み物はジュースやお茶が冷蔵庫に沢山入ってる。後はポリタンク三つに水が満タンだ」


 俺は準一と顔を見合わせ、頷いた。


「丁度いい。尾上さんもここから出たいだろう?」


「そりゃそうだ。ここに居ても助けは来ないだろうしな」


 俺は立ち上がり、村上に向かって、


「村上、白鳥と一緒に下でケーブルを掻き集めて来い。全部だ。他はここで荷物を纏めろ。俺と準一でトラックか何かを調達してくる」


「分かりました」


 村上が返事をし、白鳥と一緒にしたにむかっていった。他の面々も準備を始めたようだ。


「隊長、何処に行くんですか?警察署はもう駄目みたいですけど……」


 松山が尋ねる。


 俺は地図を近くのテーブルに広げ、あるところを指差した。大きな敷地がある。


「私立律明学園。ここに向かう」

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