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今野優香子 7月9日 午後11時39分 渡良瀬市 渡良瀬第三中学校

大体一週間ぶりの更新です。

ネタを考えていたのですよ。色々と。

「何なのよ!もう!」


 暗い校舎を二人の男女が走っている。一人は私、今野こんの優香子ゆかこ。もう一人の男子はさかい怜汰れいた


「退け!」


 怜汰が鉄パイプを振るい、前のゾンビをなぎ払う。続いて、鉄パイプを前方の男子生徒の頭に振り下ろす。頭蓋骨が陥没し、肉片が飛び散った。


「優香子!行くぞ!」


「待ってよ!」


 私は先を行く怜汰に着いていく。離れる事は死を意味するからだ。


「どうして……こんなことに!」


 事は午前中に遡る。





「ゆかりん、次は体育よ。急いでよ」


 親友の美智子が更衣室のドアから出て行くついでに私を急かす。


「分かってるわよ。これでも急いでるんだから」


 私は疲れた首を回しながらロッカーを開け、ジャージを取り出した。体育なんてダルいだけの科目だと私は思うのだけど、皆は何故か楽しみにしてる。理解しがたいが、この世界では多数派が常識となる決まりだから文句は言えない、


「さあて、行きますかな?」


 私は自分を励ますように声を出し、更衣室を出ようと部屋の扉に手を掛けた。


「…………全校生徒の皆さんに……現在不審者が……皆さんは……落ち着いて……うわっ!止めろ!離してくれ!死んじまう!噛み付くな!うわぁぁぁあぁあぁぁあああぁあ…………」


 突然の放送に私は尻餅をついて、床に座り込んだ。


「何よ・・・悪戯?」


 次の瞬間、廊下から叫び声が上がった。

 悲鳴と怒号。恐ろしい叫び声が廊下に木霊し、足音が近づいてくる。

 私は刹那の反応で、扉に鍵をかけてロッカーを倒した。これで入ってこれないはずだ。でも何が?


「助けて!ゆかりん!中にいるんでしょ!開けてよ!」


「いや!こないで!」


 美智子は必死にドアを叩いて、私に助けを求める。しかし私には分かっていた。今、ここを開ければ間違いなく私は死ぬ。

 その予感だけが胸の中で渦巻いていた。


「いやあああああ!」


 美智子の悲鳴が上がり、更衣室のドアの小窓に血がべっとりと飛び散った。美智子の手がガラスを掴む様に叩くが、その腕も次第に力を無くして私の視界から消えた。


「あああああ…………」

 

 私は声にならない声を上げ、地面に崩れ落ちた。

 美智子は死んだ。私には分かる。だって血が……。

 そうか……これは夢なんだ……全部悪い夢……。

 寝よう。寝れば目が覚めるかもしれない。

 私は意識を手放し、暗闇の世界へ旅立っていった。






「…………?」


 私が目を覚ました時、既に外は暗くなっていた。悲鳴も聞こえない。


「何だ。夢だったんだ。寝すぎちゃったかな?さあ帰……!」


 私は血で赤く染まったドアの小窓を見つめ、絶句した。夢ではなかったのだ。そして・・・。

 

「開けてくれ!」


 男の声だ。ドンドンとドアを叩いて、私に助けを求める。

 美智子と同じだ。彼も死んでしまうのだろうか?

 私の脳裏に美智子の笑顔が浮かんだ。


「……分かりました」


 私はロッカーを退かし、部屋の鍵を開けた。

 それと同時に青年が部屋に飛び込んできた。私は素早くドアを閉め、鍵を掛けた。青年は床に座り込み、ふぅと大きく深呼吸をした。


「あの?貴方は?」


「俺?俺は堺怜汰。よろしくな」


「私は今野優香子です。よろしくね。で、何が起こったの?」


 怜汰は簡単に説明を始めた。信じられない話だが、信じるしかない話でもあった。ゾンビの類はゲームや映画、漫画だけの話だと思っていたのに。


「……分かりました。これからどうします?」


 怜汰は飛び切りの笑顔を見せた。この状況で見せられるこの笑顔はとても心強かった。

 私も笑顔で返す。


「決まってんだろ!強行突破だ!」


 こうして私と怜汰は協力して学校から脱出することにした。

 本当に……逃げられるのか?

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