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沼田透はスマホで自撮りし、AIの顔面偏差值診断にかけてみた。


「診断結果:100点。底無しの沼顔。どんな異性も一目惚れし、抜け出せなくなります」


彼は物心ついた頃から、周囲の異性に容姿を褒められて育った。そのルックスのおかげで、これまで一度も自分から誰かを追いかけるような経験はほとんどない。いつも告白される側だった。だが奇妙なことに、どの恋愛も最後は振られる形で終わっていた。


そして今、幼なじみの水野凪に告白したところ、返ってきたのはこうだった。


「私たち、やっぱり合わないと思う。あなたはかっこよすぎるし、一緒にいて安心感がない。そういう遊び人のタイプは苦手なの」


沼田透はスマホの画面に映る「100点」の文字を見つめ、突然、全てに嫌気がさした。


彼は自分の顔面偏差値を下げることにした。


まず、ボサボサでお洒落な髪型を風にでも吹かれたように乱し、前髪を下ろして額を完全に覆い隠す。それから横も後ろも一律に下へ流して、いわゆるキノコヘッドにした。遠目にはまるで丼ぶりを逆さに載せたような頭だ。


もう一度自撮りする。


「診断結果:75点。中上レベルのイケメン。多くの異性が好感を持つが、髪型の改善を推奨します」


まだ足りない。


コンタクトを外し、代わりに分厚い黒縁メガネをかけた。黒縁は老けて見えるし、近視用メガネのレンズが目を小さく見せて、元々完璧だった五官のバランスが一瞬に崩れる。


三度目の自撮り。


「診断結果:60点。女子から嫌われることはないが、特に興味を持たれることもない。落胆せず、他の面で魅力をアピールすることをお勧めします」


沼田透は鏡の中の見知らぬ男を見つめ、ようやく息を吐いた。


「水野凪、お願いだ。もう俺を振らないでくれ」



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