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第三十四話

「お2人は大学で民俗学とか専攻されているんですか?」

「「いいえ、文化人類学専攻です。」」

「ふーん、そうなんだぁ。」


 会話のきっかけが欲しくてとりあえず聞いてみた。今回俺が受けた依頼が天狗の調査ってことだから民俗学っぽいよねぇなんて思って質問をしてみたんだけど。なんだろう、文化人類学って? 聞き覚えはあるけれどよくわからないので会話が止まってしまいますん。


「お前さまよ、文化人類学と言うのはじゃ、文化的側面を調査して研究する学問なのじゃ。民俗学も含んでいると言えばその中に含んでおる。日本ではな、文字1つ違いの民俗学と民族学、この2つを混同することがよくあるようなのじゃが、その民族学いうのが文化人類学のことじゃ。要するに民俗学を内摂する大きなくくりといえばよいかのぅ。――――ほれお前さまの番なのじゃ、さっさとこのわらわのカードの中から選ぶのじゃ。」


 現在ババ抜きの最中でございます。ちみっ子さんは俺の膝の上に座って身体を捻じ曲げてカードの裏側を見せてきます。さっきまで正面に向いてたちみっ子さんがいったい何のカードを持ってるのか知ってますけど、ここは敢えて知らない振りして最後まで残った方が宮津さん、乙城さんのお2人と触れ合えたりして楽しそうですよね。


 ちみっ子さんがトランプを取り出して、何の遊びをしようかという話になった時に「今日は馬場とやらがおらぬわけじゃからここはババ抜きでどうじゃろうのぅ?」とつぶやいた際、乙城さん宮津さんの2人は大爆笑、俺ちょっとジェラシー。何そんな簡単なのでいいの? それなら俺もオヤジギャグ連発しちゃうよって調子に乗ったら周囲にブリザードが吹き抜けて行ったので、話題を変えてみようとしたんだけど、不発した挙句ちみっ子さんに解説されてしまったorz・・・というのが現在の状況でございます。

 

「どれにしようかなぁ、ん~どれかなぁ? じゃ、これで。これ貰いますね。」

「ふふふっ、お前さまよ、まんまとわらわの策にはまりおったのぅ。うきゃきゃきゃきゃ。」

「やだなぁ、ばらさないでくださいよぅ。はいスサオくん好きなカードを引いてください。」

「おぅ、これだな。ちぇ、揃わねぇ。乙城ねえちゃん、さぁ引いてくれよ。」

「どれがいいかしらね。じゃこれで。わぁすっごーい。これで残り1枚よ。宮津さんに引いてもらって・・・よしこれで、やったぁ1抜けです。」

「私もこれで揃いました。オヒルネちゃんに引いてもらって、これで2抜けです。」


 2人は先にゲーム終了。俺は2人の手に(わざと)触れることも無くいつものメンバーでババ抜き続行。結果は俺が最後までババを掴んだままでした。ぶーぶー、つまんなーい。


「お前さまよ、おやつでも食べぬかや?」

「いえ、結構です。(何が出てくるかはわかりませんけど断っておいた方がここは無難でしょう。)」

「そうか。どうじゃスサオ、乙城、宮津の2人もどうじゃ。」

「おぅ、姉ちゃん貰うぜ。」

「ありがとう。じゃ、いただこうかしら。」

「ありがとうございます。」


 ちみっ子さんが飴を取り出して皆さんに配っております。ふーん、今回は飴なんだね。どれどれコーラ飴? わりと普通ですね。皆さん口に入れます。そこへ間髪を入れず、


「どうじゃ、まずいじゃろ?」


 なるほどなるほど、まずいコーラ飴って本当にまずいですよねぇ。

 お2人は微妙なお顔。人目を考えれば吐き出すほどではないけれど、できれば吐き出してしまいたいそんなお顔でございます。


「うむ、なぜこれにコーラ飴と名付けたのかメーカーの製造担当者を24時間ほどかけてじっくりと問い質したい味なのじゃ。昨日スーパーで買った菓子の中ではこれがなかなかのヒットじゃったのぅ。おーい、そっちのジョニーたちもコレ食べぬかや? なかなかの味じゃぞ。ほれお裾分けなのじゃ。お前さまもやっぱりコレ食べたくなったじゃろ? 1つどうじゃ?」

「そうです、タケルさんだけ逃げるなんて卑怯です。私たちみんな食べたんですから。」

「1人だけ逃げようなんてそうはいきませんよ。私たちに男らしい所を見せてください。」

 

 乙城さんと宮津さんに言い寄られて、ちょっと幸せ。お2人がいま口の中で舐めているのをそのまま口移しで頂くわけには参りませんかね? 


「ほれ、2人もこう言うておるのじゃ。観念するがよかろう。」


 ちみっ子さんに口の中へねじ込まれてしまいました。

 隣の座席に座る5人の口にもどんどんねじ込まれていきます。犠牲者が増えるようです。


 この後、みんなそれぞれ持ってきたおやつを配ったり貰ったりで楽しい一時(ひととき)が過ぎていきました。昨日おやつを買えなかったディープ君さんにはちみっ子さんのチョイスでうまうま棒サルミアッキ味が30本ほど渡されたようでございます。ディープ君さんには俺も300円分のお菓子を用意してたんだけど、ちみっ子さんの気遣いを尊重したいので自重することにいたします。だからそれちゃんと食べてあげてね♡


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