表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第五章 魔導大会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

328/1219

319話 使い魔の能力



 ……突然だが使い魔とは。固有に一つの能力を持っているモンスターのことである。

 ただモンスターを自らの相棒とするだけならば、そのへんのモンスターを調教でもしたらいい。

 そうしないのは、使い魔として召喚されたモンスターには能力が付与されるから。


 召喚者と使い魔の視界は共有することができる、など細かい利点もあるが、明確な形で能力は存在する。

 今、リリアーナが召喚した(サーペント)。名を「ハク」。その牙には毒があるが、この蛇は毒蛇だ。使い魔としての能力は、毒ではない。

 ちなみにサーペントの種類の蛇には大型が多いが、彼女のものは小型である。


 蛇の能力は、ブルドーラが予想したように、己の体重の増減変化だ。体重を羽のように軽くすることや、鉄のように重くすることもできる。

 使い魔の能力は、それぞれだ。同じモンスターでも、まったく違うものもいる。


 ちなみに、ゴルドーラの使い魔サラマンドラだが……彼にも、能力はある。

 しかし、能力を使うまでもなく強大なモンスターなので、使うときはあまりない。せっかく能力を得ても、モンスターが強大だからこそ使うことのないものもある。


「ぬぅっ、こんなもの……っ……」


 さて、ブルドーラの足首に、リリアーナが召喚した使い魔のハクが牙を立てる。

 魔法どころか魔術をも弾く肉体……牙を立てても突き刺さることはない。


 しかし、刺さらなくていい。触れるだけで、充分だ。その牙にある毒は、触れるだけで岩をも溶かす力を持つのだから。


「っ、めまい……がっ……」


 もちろん、結界内であるためにそのような被害をもとらすことはない。が、毒の効果までもなくなるわけではない。

 即効性の毒は、肌に触れただけでめまいを起こすほどの事態を引き起こす。


 逃げようにも、ハクの鉄のような重みが足枷となり、逃げられない。

 もっとも、わずか数秒で方向感覚すら失ってしまうのだが。そうならないのは、やはり体内に毒を送れなかったからか。体内に毒を流すか、体外に毒を付けるか……その差は大きい。

 ふらつきながらも、足元はしっかりしているように見える。


 もちろん、毒が回り切るまで悠長に待っているつもりもない。

 魔術の詠唱が完了し、リリアーナは杖を振るう。


荒風刃斬(フラルドザン)!!!」


 瞬間、ブルドーラの周囲を風が囲む。これは突風……いや嵐とさえ見間違うほどの強大なエネルギー。しかし、規模はブルドーラを囲う程度だ。

 外から見れば、それは嵐の球体とも言える。その中に取り込められたブルドーラは、周囲を見回すが……


 突如、なにかに斬りつけられる。今までいかなる魔法も通してこなかった体に、傷が付けられたのだ。

 それは、風の刃。風の球体に囲まれ、吹き荒れる風の刃が次々と、ブルドーラに襲い掛かる。


「ぬぅううう……!」


 たまらず、顔を庇うように両腕を移動させたブルドーラだったが、無防備となった体に次々と刃が刻まれていく。

 ふと、足元を見た。これだけの風の刃、足を縛っている蛇もただでは済まないはずだ。まさか使い魔ごと……


 ……いつの間にか、蛇は消えていた。


「っ!?」


 使い魔召喚のできないブルドーラはあまり使い魔の知識を持っていない。使い魔は召喚者の意思で消すことが可能だ。もちろん、視覚的な意味ではなく物理的な意味で。

 魔術を唱えると同時、リリアーナはハクを消していた。なので、ハクが巻き込まれることはない。


 しばらくの間、閉じ込めておけば……戦闘不能と、なっているはずだ。


「すごい……」


 それを見て、コーロランは素直に称賛の声を漏らす。

 ゴーレム召喚以外の魔術を使えないコーロランにとって、様々な種類の魔術を、それもかなり大規模のものを使える兄ゴルドーラは尊敬の相手だ。


 今日こうして、リリアーナの魔術を見ることができた。ゴルドーラに負けず劣らずの魔術……舌を巻くばかりだ。

 今は魔術を使えなくとも、学園で学んでいけば身につけることができるだろうか。


 ……同じ一年生でありながら、ゴルドーラに匹敵するエランの存在は、ちょっと泣きたいくらいにうらやましいが。


「っと、ぼくも……!」


 いつまでも見とれているわけにはいかない。ブルドーラのおかげで選手は大幅に減ったし、当のブルドーラも倒れるのは時間の問題だろう。

 ならばここで一気に、ケリをつける!


「不死たる身体を形成されし人造なる人形よ……」


 魔術詠唱を開始する。当然それを食い止めようとする他の選手だが、コーロランは身軽に後退しつつ詠唱を続ける。

 防御しながらやったり、エランのように飛んだままやったり分身してやったり……そんな高度な方法は、コーロランにはできない。


 だから、相手の攻撃をかわしながら、唱えていくしかない。


「我が下僕(しもべ)となりて眼前に姿を現せ!」


 兄と妹と同じ、ゴーレムを召喚するための詠唱が完成する。妹は無詠唱だし、兄のものと比べるとでかいだけで質は全然だが……

 だが、この場においてはでかさこそ力だ。


人造人形(ゴーレム)!!!」


 唱え、直後出現するのは巨大な土人形。見上げるほどの巨体が出現し、選手一同の視線を集める。

 みな疲弊してきたところでの、ゴーレムの召喚。これは、他選手にとって厳しいものがあった。


 このタイミングで間違いはなかったと、コーロランはふっと笑う。


「さあゴーレム! 残りの選手をなぎ倒して……」



 ドッ……!



 ……次の瞬間、なにか鈍い音が響いた。なにかを殴ったような、そんな音だ。

 その数秒後……ゴーレムの体に、異変が起こる。その体がひび割れ、ボロボロと崩れていくのだ。


 その光景に、驚きを隠せない。


「……は?」


 一瞬、なにが起きたのか……コーロランは、そして他の者も目を疑った。

 見上げるほどに巨大なゴーレムが、崩れていく。もちろん、コーロランはそれに関与していない。


 外部からの干渉。それは……


「けぇーっへへはははは!

 これがゴーレムか! けはははは!」


 いつの間にか風の球体から抜け出し、ゴーレムの足元に立つ一人の男だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ