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【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第四章 魔動乱編

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234話 事件の真実



 五十年も、姿が変わっていないというエレガとジュラ。見た目の良く似た別人……という話でもなさそうだ。レジーとルランの反応から察するに。

 だけど、人間が五十年も同じ姿のまま……年を取らないなんて、あり得ない。エルフならいざしらず。


 ……もしそれが、黒髪黒目の特徴を人物だからだ、としたら。レジーが私を見ていろいろ言っていたのも、私が同じ特徴を持っているからだとしたら?


「私、も……?」


 もしかしたら、私も……五十年も年を取らないような、体質なのかもしれない。もしかしたら、十年以上前の記憶がないのは、その体質が関係しているのかもしれない。

 もしそうだとしたら……なんだか急に、自分がとてつもないものに、感じた。


 今まで、自分の生き方や……記憶のない、過去のことはあまり気にしたことがなかった。でも、それは間違いだったのかもしれない。

 自分が知らない、自分の部分が……なんだか、怖い。


「おい、どうした急に黙り込んで」


「あ……なんでも、ない」


 いけないいけない。考えても仕方ないことを考えても、仕方ない。だから、記憶がない頃のことは考えないと、決めていたじゃないか。そもそも、師匠のところで暮らしている間、私は成長していたんだし。

 私が何者でも、関係ない。少なくとも、今の私はグレイシア・フィールドの弟子、エラン・フィールドなのだから。


 黒髪黒目のこととか、そんなことを深く考えて自分が怖くなるくらいなら、もうなんにも知らない方が……


「いやぁ、しかし……アタシはダークエルフを探すためにダークエルフの恰好をしたり、魔獣を呼び出したりして……アンタは、アタシらを誘き出すために、あんなまわりくどい事件なんか起こしてたのか?」


「……人間は等しく嫌いなんでな」


 私が考え事をしている間にも、二人の話は続く。ケラケラと笑うレジーは、ルランの行動をあざ笑っているよう。

 ルランの起こした事件とは、"魔死事件"だ。それは、ルランが人間を嫌いだから……という理由以外にも、レジーたちを探すという理由でもあったらしい。


 人間が嫌いとはいえ、わざわざ自分たちを滅ぼした相手の真似をするのはなんでだろうと思っていたけど……そういうことか。

 結果的に、お互いがお互いのやり方を使って相手を探していたわけだ。今となっては、どうでもいいことだけど。


「けど、その事件もぱったりとやんだじゃないか。どうしてだよ」


「お前には、関係ない」


「……そこの人間と知り合いみたいだったな。

 もしかして、一度会ったときにそいつに感化されて、やめたのか」


 ルランの起こした"魔死事件"も、一度はぱったりとやんだ。それが、私と会ったからだって保証はないけど……少なくとも、あのとき会ってから起こらなくなった、のは確かだ。

 私としては、リーサの影響だとは思っているけど。


「けどま、アタシとしてはアンタが事件を起こしてくれてよかったけどな。

 おかげで、アタシが個人的に事件を起こそうが、疑いは全部アンタに向く」


「……え?」


「まだ犯人がダークエルフとは知れてないみたいだけど、世間の嫌われ者が犯人……疑う奴なんていない」


 捕まっていても余裕な表情を見せるレジーだけど……え、ちょっと待って? 今、すごく引っかかることがあった……

 アタシが事件を起こそうが、疑いはアンタに向く……だって?


 それって、ルランが起こしたのとは別に、レジーが起こした事件もあるってことだよね。

 そして、それは今の話し方から察するに……ルランが、事件を起こすのをやめた後。


 その後起こった事件は……私の知っているのだと、二件。ダンジョン内で起こった事件と、もう一つ……


「しっかし、惜しいなぁ。せっかく死なずに生き延びた奴が出てきたのに、そいつを回収する前に捕まっちまうとは」


「……!」


 その言葉を聞いた瞬間、私はレジーに掴みかかっていた。

 今まで、二人を傍観するように少し離れて立っていた……そんな私が、いきなりレジーに掴みかかり、ルランは驚いているようだった。


 ただ、掴みかかられたレジー本人は、うっすらと笑みを浮かべるばかり。


「お、おい、いきなりなにを……」


「……え、か……?」


「……」


「ノマちゃんをあんな目に遭わせたのは、お前か!?」


 私は、自分でも信じられないくらいに、大きな声を出して……頭に、血がのぼっていた。

 レジー……こいつの話を整理すると、ルランの起こした"魔死事件"の後に、新たに事件を起こした。そして、その中で死ななかった被害者がいる。


 "魔死事件"の被害者は、体の中で魔力が暴走し、ぐちゃぐちゃになって死んでいる。全員がだ……生き残りなんて、いない。

 ただ、一人を除いて。


 ルランの起こした"魔死事件"の後だろうと前だろうと、"魔死事件"の生き残りは一人だけ。その子と、私はついさっき会ってきた。


「答えろ! ノマちゃんを殺そうとしたのか!?」


 部屋に戻ると、血を流して倒れていたノマちゃん……"魔死事件"の被害に遭ったのだとわかり、私の頭には最悪の事態がよぎった。結果として、ノマちゃんは生きていてくれた。

 検査の結果、ノマちゃんの体に異常は見られなかった……それこそが、異常だった。血を流していたあの時は、確かに体の中がぐちゃぐちゃだったのに。


 ただ一つ、明確におかしなところを挙げるとするなら。人間族であるノマちゃんの体内には、なぜか魔族の血が流れているという。いや正確には、魔の血。

 これは、ノマちゃんの体内に魔石が入り込んだことで、人の血を魔の血が混ざりあった結果、だと思っているけど。


 そんな細かい話は、どうでもいい。問題は、こいつがノマちゃんを……


「あぁ、そうさ」


「!」


「アタシは、ノマ・エーテンに魔石を食わせて、殺そうとした。

 その結果、"魔人"として生き延びたのは嬉しい誤算だったけどな」


 あっさりと……自分がノマちゃんを殺そうとしたと、言い放った。

 その上で、"魔人"だ誤算だなどと、訳の分からないことを加えて。

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