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【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第四章 魔動乱編

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232話 きょうだいは仲良くしないとね



「……」


 何発か顔を殴られてしまったレジー、彼女を捕まえ、私とルランはそこに立っていた。

 手首を縛られ、動けないというのにニヤニヤと笑っているレジー。その態度に、不穏なものを感じるんだけど……


 問題は、このあとのレジーの処理をどうするかだけど……


「こいつには聞きたいことがある。ダークエルフを滅ぼした理由、仲間の居場所、すべて吐いてもらう。そのあと殺す」


 腕を組み、レジーを見下ろすルランの目は冷たい。仲間たちをほとんど殺されたんだ……それも当然か。

 ただ、私としても聞きたいことはあるわけで。


 ……レジーは、なにかを知っている。私、というよりも、この色の髪と瞳に関して、重大ななにかを。

 だから、殺すなんて物騒なことをする前に、話をしたいんだけど。


 私の話も、ルランの話も、まともに聞いてくれるのかわからないな。


「殺すって……話せば殺されるってわかってるのに、素直に話す人はいないと思うけど」


「そうそう、よーくわかってんじゃん」


 ……なんか同意されるのも変な感じだけど、今言った通りだ。

 殺されるとわかっているのに、情報を渡すようなやつはいない。ルランが殺す殺すって言うもんだから、意固地にも話さないよこの様子じゃ。


 かといって、ルランに預けてはいさよなら、っていうのもなぁ……ルラン一人に預けても、今度はレジーを捕らえておくような場所もないだろうし。

 じゃあレジーを連行でもするのかって聞かれると……それも、難しい。だって、レジーはなにもしていないから。正確にはダークエルフに化けはしたけど、それで誰かに被害を加えた、ってわけでもない。


 町中を混乱されはしたけど、レジー自体はなにも……


「あ、魔獣がいるか」


 そうだった、レジー自体はなにをしていなくても、魔獣を呼び出したのがレジーならば。それを理由に、連行できる。

 王様のところに連れて行けば、なんか牢屋みたいなところに入れてくれるだろう、多分。


 まあ問題は、魔獣を呼び出したことをレジーが認めるかってことなんだけどね。


「ゴルさんと先生は……よかった、無事だ」


 その魔獣の相手をしていたゴルさんと、先生。二人の安否が心配だ。そう思って、私は魔獣のいるところへと視線を向ける。

 そこでは、倒れていく魔獣にとどめを刺している、二人の姿があった。


 すごい、倒したんだ。私の攻撃なんかじゃたいしたダメージは与えられなかったのに。


「あっちも問題なし、か」


「じゃ、俺はこいつ連れてくから」


「うん。

 ……って、ちょっと待って!」


 さりげない雰囲気で、ルランはレジーを連れて行こうとした。それに気付いて、寸前で止める。

 あ、危ない危ない。なにをさらっと連れて行こうとしてるんだこいつは。


「私だって、その子に聞きたいことがあるんだよ」


「知るか」


「なっ……知るかってなんだよ! その子捕まえるの手伝っただろ!?」


「縛っただけで手伝いました感出されてもな」


「ぬぐぐ……」


 ルランめ、痛いところをついてくるな……確かに私は、最後レジーを捕まえる以外なにもしてない。

 で、でも! 話を聞く権利くらいはあると思うんだ!


 ……それに。ルランはこのまま去っていいのか?


「……ルリーちゃんには、会っていかないの?」


「……」


 あんなことを言ってはいたけど……ルランは、ルリーちゃんのことを大切に思っているはずだ。人間と仲良くしようとしているルリーちゃんの考えを認められないだけで、ルリーちゃんを嫌いになったわけではない。

 それは、これまで接してきてなんとなくわかった。


 リーサの顔を見てレジーへの攻撃を止めたり。仲間のダークエルフに対する気持ちが強いんだ。

 なのに、妹に対する気持ちが、ないわけない。


「……会わない。俺にその資格はない」


 背を向けるルランは、首を振る。

 あら、なんか、予想していた態度と違うな。以前、ルリーちゃんのしていることは意味のないことだ、みたいなことを言っていたし、またああいう厳しいことを言うのかと。


 それが、資格はない……か。


「でも……そりゃ、ルランのしてきたことはいけないことだし、それをルリーちゃんが知ったら傷つくと思う。でも……でも……」


「……お前はどうして、そんなに俺とルリーを会わせたいんだ」


 私へ振り向くルランは、理解できない、といった表情を浮かべている。どうしてそこまでするんだ、と。

 なんか、やっとちゃんと会話してくれている気がする。


 どうしてそこまでするのか……そんなの、決まっている。


「どうしてって、当たり前だよ。ルリーちゃんは友達なんだから。それに……」


「……それに?」


「……きょうだいなら、仲良くしなきゃ、でしょ?」


 私はルリーちゃんの友達だ、ルリーが喜ぶことはしてあげたい。

 ルランの行いをルリーちゃんは喜ばないだろうけど、少なくともお兄ちゃんが生きていることは喜ぶはずだ。


 友達の喜ぶことをしたい。それに、きょうだいならば仲良くしなきゃ!


「……そうか」


「そうだよ!」


「お前は……兄か姉、もしくは弟か妹がいるのか?」


「へ?」


 私に向き直り、ルランは問う。私にきょうだいがいるのか、と。

 おかしなことを聞くものだ。私はずっと師匠と暮らしていたから、家族と呼べるのは師匠くらいのもの……あ、ルランは私の事情は知らないんだっけか。


 だとしても、どうして私にきょうだいがいるか、なんて思ったんだろう。


「いないけど、どうして?」


「どうしてって……お前、兄弟って言ってるときのその顔……

 ……いや、なんでもない」


「?」


 どこか、バツが悪そうにルランは顔をそらす。なんだなんだ?

 なんか、これ以上聞いても答えてくれそうにないんだけど……顔が、なんだって? ブサイクだって言うなら殴っちゃうぞ?


 ……まあ、そんな感じじゃなさそうだな。

 私の顔、どこか、変なんだろうか?

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