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斧使いのおっさん冒険者ハーレム英雄譚 ~報われない人生が神話級の斧に出会って激変する話~  作者: いかぽん
第3部/第4章

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スキル整理と人の営み

 その夜、宿の一室。

 俺は風呂上がりのバスローブ姿で、書き物をしていた。


 ろうそくの明かりひとつに照らされたテーブルの上、羽ペンを使って羊皮紙に書き出しているのは、俺の現在の手持ちスキルだ。


 いい加減にスキルの数が多くなってきたので、強敵との戦いの前に整理をしておきたいと考えたわけだが──


───────────────────────


常時発動型(パッシブ)

【才覚覚醒】

【治癒能力】

【カリスマ】

【毒耐性】

【炎耐性】

【氷耐性】

【雷耐性】


▼使用回数制限あり(一日一回)

【絶対防御】

【守護乙女の祝福】

【ホーリースマッシュ】×二

【神速】×二

【魔断の斧】

【矢返し】

【重圧】

【アヴェンジ】


▼何回でも使用可

【手加減】

【トマホーク】


▼特殊

【鬼神化】

【奴隷化】


───────────────────────


 古竜(エンシェントドラゴン)に勝利して四つのスキルを獲得したあとにも、グールの群れおよび杖使いコクマーとの戦いの後に一つ、槍使いマルクトとの戦いの後に一つ、弓使いビナーとの戦いの後に一つと、追加のスキルを獲得している。


 それら全部も合わせた結果が、羊皮紙に記したスキル群だ。


 ロンバルディアの(レベル)──厳密に言うと、俺とロンバルディアとの繋がりの段階となるが──は、出会った当初に一だったものが、現在は二十まで上がっている。


 この(レベル)が一つ上がるにつれて、スキルを一つ獲得するわけだが。


 その(レベル)というのは最終的にいくつまで上がるんだと聞くと、ロンバルディアは、「我にも分からん。ただ我の底に眠る力の総量から察するに、すぐに天井に到達するとは到底思えんの」と答えた。


 聖斧ロンバルディア、つくづくおそろしい子である。


 ちなみに記述したスキルの中で「×二」と記したものは、追加で「同じスキル」を習得したため、一日に二回、使用可能となっているものである。


 一時的に攻撃の威力を倍加する【ホーリースマッシュ】の二枚目も嬉しいといえば嬉しいが、個人的に何より嬉しかったのは【神速】の二枚目だ。


 力自慢の斧使いである俺は、強敵と戦うと速さ負けすることが少なくない。


 それだけに、五秒間だけとはいえ劇的に速度を上げられる【神速】は、きわめて使い勝手の良いスキルであると感じている。


 またそういった意味では、ほぼ同じような使い方ができるものとして【重圧】というスキルを獲得したのも大きい。


 これは視界内の対象一体を選び、そいつにかかる「重力」を一時的に増大させるというスキルだ。


 普段よりもはるかに体が重くなった対象は、機敏な動きができなくなる。

 対象によっては、重みに耐えきれずに動けなくなることもあるという。


 これも効果は五秒間。

 一時的なものだが、うまく活用すれば戦闘を有利に進めることができるだろう。


 そしてもう一つ、まだ実戦で使ったことのない新規獲得スキルがあって、それが【アヴェンジ】だ。


 復讐、報復、仕返しなどの意味を持った名称の、このスキル。


 俺が何らかのダメージを受けた直後に使用すると、「そのダメージを与えてきた対象に、俺が受けたダメージに比例したダメージを与え返す」という、なかなかヤバい効果を持つスキルである。


 俺自身が受けたダメージがなくなるわけではないし、返せるダメージはこちらが直前に受けたダメージの半分程度ということだが──


 これも因果を操作するスキルだとかで、問答無用で「結果」を与えられるという点がおそろしい。


 具体的に言うと、突然内臓が潰れたり、骨が折れたり、皮膚がぱっくり割れて血が噴き出したりするらしい。

 相手にしてみれば、理不尽であることこの上ない。


 まあそんなこんなのスキルも獲得して、我ながらますます人間離れしてきているなぁと思うのだが。


 それでも──人質。

 こればかりは、わりとどうしようもない部分がある。


 多少の戦闘力差ぐらいではどうすることもできず、相手の不意をつくか、騙し合いに勝つなどしないと目標達成が見込めないわけだが、どちらも俺はさほど得意ではない。


 もしくは、人質の生存をあきらめるかだが──


 先方から指定されたのは、明日の夜。

 それを無視して、今日アウグストの屋敷に襲撃をかけるというのも考えた。


 だがそれも、クロエがどこに囚われているのかが分からないと、事の展開次第では取り返しのつかないことになりかねない。


 アウグストの屋敷近くでセラフィーナに探知魔法を使わせるぐらいのことはしたが、その結果は屋敷内にクロエがいるかどうかも分からないというもの。


 セラフィーナによると「探知魔法を欺く魔法」によって情報が隠匿されている可能性もあるとのことだ。


 あとはビナーに潜入調査をさせるなども考えたが、それもやはりいろいろとリスクが大きい。


 それよりは、向こうが指定してきた場所で勝負をかけたほうが、まだ勝算が高いと考えたのだが──


 と、そのとき──コンコン。

 部屋の扉がノックされた。


 扉の向こうから、一人の嫁の声が聞こえてくる。


「ダグラス、入っていいにゃ?」


「ミィナか。いいぞ、入ってくれ」


 扉を開けて入ってきたのは、薄手のシャツ一枚にホットパンツという姿の、獣人の少女だった。


 ミィナも湯上りのようで、髪は艶やかに濡れていて、体からはほくほくと湯気がたっている。


 健康的でありながら、煽情的。

 狙ってやっているのか、そうでないのか。


 ミィナはテーブルに向かって書き物をしている俺のもとまでやってきて、無邪気な様子でぴょこっと覗き込んでくる。


「何やってるにゃ、ダグラス?」


「俺とロンバルディアが持っている能力の整理だな。──ミィナ」


 俺がちょいちょいと手招きすると、ミィナは俺の意を汲んで、俺の膝の上にひょこっと座った。


 俺は羽ペンを置いて、獣人の少女を背後から抱きしめる。


「んっ……ダグラス、やってたのはもういいにゃ?」


「もう少し考えることはあるけどな。こうしてミィナを抱いたままでもできる」


 俺はミィナを抱いたまま、その髪をさらさらとなでる。

 ミィナは「うにゃあっ……」と喘いで、俺のすることを気持ちよさそうに受け入れた。


 風呂上がりの石鹸の匂いと、少女の甘い匂いがふわりと香る。

 今日もうちの嫁は、最高に魅惑的だ。


「でもダグラス、興奮してるみたいにゃよ……?」


「そりゃあお前、ミィナがかわいすぎるんだからしょうがない。ミィナが悪い」


「そっか。ミィナが悪いんじゃ、しょうがないにゃね」


「ああ、しょうがない。これはミィナが悪いんだから──」


 ミィナを膝からおろすと、獣人の少女とともにベッドへと向かう。


 そうして俺は、当然のようにミィナとギシギシアンアン交尾した。


 決戦前日に何をしているんだという感じだが、決戦の前だろうが人の営みはあるのだ。


 明日、クロエを救い出す。

 それはそれとして、今日はミィナと営みをする。


 矛盾はしていないだろうと思うのは、ただ単に、俺の欲望を肯定するための言い訳なのかもしれなかった。


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