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幸せの村  作者: かえで


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13/13

終焉

完結です。

主人公は、紆余曲折あって、妻への愛を思い出しました。


首都近郊の衛星都市ランパに戻った私は、早速ナミィの所に行ってみた。

 私が行方不明になってから約二年。

 彼女は幸せになっているだろうか。

 今、私にとっての関心事はそれだけだ。

 見慣れた煉瓦造りの小さい家から、ナミィが玄関から出てくる。幼い少女を連れて。

 だが、かつて旅人が言っていたような、新しい男はいなかった。

 ひょっとしたら、彼女に迫っていた男はいたかもしれない。だが、どうやら、その旅人の勘違いだったのだろう。

 私を待ち続けてくれていたのだろうか。

 ナミィそっくりの少女が、彼女の長いスカートの裾を掴み、抱っこをせがむ。

 ナミィは、疲れているようではあったが、幸せそうだ。だが、どこかに寂しさをたたえているのは、幸せのピースが不足しているからだろうか。

 ナミィが少女を抱き上げ、微笑を見せるその瞬間、私ははっとする。ナミィの笑顔と、ラティの笑顔が重なって見えたからだ。

 この時、私は確信する。私は、ラティをナミィとして愛していたのだと。

 あの老猟師のいう通りだった。

 彼らは、自分たちの幸せを分け与える……。

 私は、まだもらった訳ではない。だが、そのきっかけはもらった。

 私は、愛の正しい伝え方をラティに学んだ。今ならいえる。

 私はゆっくりと二人のもとへ歩みを進める。

 ナミィに抱かれる少女は、私に気づいたのか、弾けたような笑みを浮かべる。

 

 ただいま。

 お帰りなさい。長いお勤めご苦労様。

 この子は?

 かわいいでしょ? あなたの子よ。

 謝らなければならないことがある。今まで情けない男ですまなかった。

 それは私も同じ。

 これからも、いっしょにいられるか?

 ええ、もちろん……。

一曲の与えてくれたインスピレーションは大きかったです。そして、一気に書き上げることができました。

実際に無の状態でこれだけ筆が早ければいいんですけどねえ。

感想を頂けると幸いです。

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