終焉
完結です。
主人公は、紆余曲折あって、妻への愛を思い出しました。
首都近郊の衛星都市ランパに戻った私は、早速ナミィの所に行ってみた。
私が行方不明になってから約二年。
彼女は幸せになっているだろうか。
今、私にとっての関心事はそれだけだ。
見慣れた煉瓦造りの小さい家から、ナミィが玄関から出てくる。幼い少女を連れて。
だが、かつて旅人が言っていたような、新しい男はいなかった。
ひょっとしたら、彼女に迫っていた男はいたかもしれない。だが、どうやら、その旅人の勘違いだったのだろう。
私を待ち続けてくれていたのだろうか。
ナミィそっくりの少女が、彼女の長いスカートの裾を掴み、抱っこをせがむ。
ナミィは、疲れているようではあったが、幸せそうだ。だが、どこかに寂しさをたたえているのは、幸せのピースが不足しているからだろうか。
ナミィが少女を抱き上げ、微笑を見せるその瞬間、私ははっとする。ナミィの笑顔と、ラティの笑顔が重なって見えたからだ。
この時、私は確信する。私は、ラティをナミィとして愛していたのだと。
あの老猟師のいう通りだった。
彼らは、自分たちの幸せを分け与える……。
私は、まだもらった訳ではない。だが、そのきっかけはもらった。
私は、愛の正しい伝え方をラティに学んだ。今ならいえる。
私はゆっくりと二人のもとへ歩みを進める。
ナミィに抱かれる少女は、私に気づいたのか、弾けたような笑みを浮かべる。
ただいま。
お帰りなさい。長いお勤めご苦労様。
この子は?
かわいいでしょ? あなたの子よ。
謝らなければならないことがある。今まで情けない男ですまなかった。
それは私も同じ。
これからも、いっしょにいられるか?
ええ、もちろん……。
一曲の与えてくれたインスピレーションは大きかったです。そして、一気に書き上げることができました。
実際に無の状態でこれだけ筆が早ければいいんですけどねえ。
感想を頂けると幸いです。




