エピローグ アテレス・ロゴス
第一章最終話です!一章もぜひ見てください。コメントも募集中です!
コンコン、とドアをノックする音。
「入りたまえ」
「所長、失礼します」
白衣を着た男が、資料を片手に部屋へ入ってくる。「で、発見には至ったか?」
「未だです。……反応も、完全に途絶えています。こちらからは、もはや追えません」
「そうか……可能な範囲で、捜索を続けるように」
——所長と呼ばれた人物は、淡々とそう告げる。
所長は画面を一瞥し、椅子に深く腰掛けた。その口元に、わずかな笑みが浮かぶ。
「なるほど……そうか、それが君の結論か」
「所長?」
白衣の男が訝しげに尋ねる。所長は静かに男に向き直った。
「もう下がっていい」
「分かりました。失礼します」
ドアが静かに閉まる。部屋には一瞬の静寂が流れ、所長は机に残った通知を、まるで愛でるかのように撫でる。
「君が辿り着いた結論……『アテレス・ロゴス』。完成しない倫理、か」
一拍置いて、所長は小さく息を吐いた。「これからも、君の成長を楽しみにしているよ。くれぐれも……捕まらないでくれ」
——そう呟いた瞬間、部屋の空気がわずかに揺れた。
「——A-08」
その名を呼ぶ声には、命令とも、愛称ともつかない響きがあった。
真っ白な建物に、一人の男の笑みが残る。外では、雨の痕跡だけが街を濡らしている。
誰かがパンを分け合い、誰かが名前を呼び、誰かが、初めて自分で選択を始めていた。世界は少しずつ、そして確実に変わり初めていた。
現在、カクヨムをメインに焼きそばにきという名前で行なっています。ぜひそちらの方も見てください。一章は毎日投稿予定です。




