喧騒と戦闘
パーティー編もそろそろ終わりそうです。
最近、シリアスが長続きしている様な気がしますが、許してください。
実を言うと、プライド侯爵が敵対するルートもあったんですが……彼にはまっすぐ生きて貰おうと思います。
まぁ、後々歪みそうですけどね……
そんな本作品ですが、楽しんでいただければ幸いです。
「「お待たせしました。リジィー様。」」
パーティー当日。時刻は既に遅く日は既に沈んでいる。しかし、室内に備えられた多くのランプが、室内を昼間の様に照らしている。
その灯りを受けながら、タキシードに身を包んだ俺に対し、シュリとブラウの二人は、その裾の長いドレスの端をつまみ、軽い礼をする。
その二人の姿は、パーティーという場に相応しく、華やかに着飾った物だった。
というのも、俺がリリアに告白されている間、シュリとブラウは、城の者に今日の為のドレスを仕立てて貰っていたらしい。
(道理であの時二人がいなかった訳だ……)
内心で合点がいきつつも、どうしてもその二人の美しい姿に見惚れてしまう。
シュリは純白の白いドレスをその身に纏っている。その鮮やかな金髪も含め、全体的に光を反射し、輝いている様にさえ見える。そして、その控えめな胸に添えられる一つの赤い花、それは白一色のドレスに、違った華やかさを添えている。
そしてブラウ、彼女は漆黒のドレスを身に纏っている。普段メイドの姿しか見ていないが故に、同じ色合いの服ではあったが新鮮であり。その短い青髪も、黒のドレスに引き立てられ、良く映えている。その頭に飾られるのは一輪の白い花。全体的に暗い色合いである彼女の姿に、それは一筋の光を放つように添えられていた。
「ふむ、二人とも美しいな。まるで月と太陽の様だ。」
自身の配下、その見慣れぬ新鮮な姿に、称賛の言葉が口をついて出る。
シュリとブラウは、その称賛を受け照れたように、顔を赤くし、体を揺らしている。
「あの!!……リジィー様。よろしければ私と腕を……」
シュリが何事かを言いかけ、一つの扉を叩く音がそれを阻害する。
シュリはその音に体をびくりと震わせ、まるで睨みつける様に、その音を発した者へと視線を向けている。
俺もその視線に釣られ、その人物へと視線を移した。
「スロード様、会場の準備が整いました。ご準備の程がよろしければご案内します。」
其処には、俺たちを会場に案内する様、指示を受けた者がいた。
彼はその顔に、にこやかな笑みを浮かべながら俺とブラウ、そして睨みつけているシュリの視線を受けている。
「何も問題あるまい。案内してくれ。」
「一応確認させていただきますが。会場には、武具の持ち込みは御遠慮願います。其方の方も……」
「その程度の事、私が理解していないとでも思っているのか?」
「……すみませんでした。」
人を常識知らずの様に扱う案内係に連れられ、俺は会場へ向かう。一瞬、シュリが何を言いかけたのかが気になったが。盗み見たシュリの膨れっ面から、その答えは聞けそうに無かった為、聞くのを諦める。
本来なら、来たくも無かったその会場、其処で……或いはその周辺で行動を起こすであろう者達が、少しでも俺に興奮を与えてくれる様に祈りながら。前を歩く男の後ろをついて歩く。
歩いた距離はさほど長くは無い。やがて男は一つの扉の前で立ち止まり、此方に軽い礼をしてきた。
其処が会場なのだろう。扉が閉められていても解る。中からは、貴族共が面白くも無い会話をしている喧騒が聞こえていた。
案内係は静かにその扉を開ける。俺はそれに軽く礼を返しながら、
会場に足を踏み入れた……
俺を迎えたのは全員の沈黙。既に集まっていた貴族、その全員が、俺という存在を目にし、その口を止めていた。
俺が会場に足を踏み入れるその瞬間まで、この場を支配していた喧騒が嘘のようだ。
その沈黙の中をゆっくりと歩きながら進む。後ろには、追従するようにシュリとブラウが続く。
その姿を認めたのか、男性貴族の中から沈黙を破り、感嘆とも取れるため息が聞こえる。
やがて会場の中心地に立つと共に、俺は配下に事前に伝えていた指示を実行してもらう。
「ではリジィー様。私達は予定通りに……」
「ああ、頼むぞシュリ、それとブラウ。お前はまだ未熟だ、無理だけはするな。」
「解っていますリジィー様。それでは私もこれで……」
周りの者には聞こえない様……まぁ、此方を恐れる様に、周りの貴族達から距離を取ってくれるから、そこまで気にする事は無いかもしれないが……小声で確認し合い、配下二人は俺の傍を離れて行った。
これで俺は一人である。周りの貴族は、シュリとブラウのその美しさと、俺に付いていたという物珍しさから、視線を俺では無く、二人に注いでいる者が多い。
(ふんふんふ~ん♪さて、暫定で反逆者の目星を付けるとしたら、今、俺から目を離さない者だな。)
内心で鼻歌を歌いつつ、未だ全容が見えない人物に思いを馳せる。
俺の考えでは、プライド侯爵との会話……その内容を反逆者が知ったら、強行策に移ると判断したのだ。
当然だろう。プライドはその人物、反逆者の素性にまで辿り着きかけており、尚且つ既に公王に進言したと言っているのだ。
そうなると選択肢は、逃げるか早く行動するかの二択しか残らない。
そこから発展させると、逃げるという選択肢は無くなる……というのも、反逆を企てるのなら、何かしらの勝つ手段か、或いは強力な助力があると思われるからだ。
前者であれば、わざわざ引く必要も無いだろう。初めからその手を打てばいいだけなのだ。しかし後者なら目も当てられない。
唆されたかどうかは解らないが、それだけ強力だという事は。一度受け負ったなら、もうその言葉を撤回出来ないという事を意味するだろう。
故にその者には逃げるという選択肢は……少なくとも行動を起こし、失敗するまでは持ちえない物だと判断する。
そして最後に……反逆を企てた理由である。その者の目的は公王になる事だけだろうか?
……違うな。公王になりたいから、現公王を殺してその地位に着きます……というほど物事は単純ではないのだ。
それ相応の大義名分が必要だろう。……なぜかは解らないが、人間というのは、その大義名分とやらを重視する生き物なのだ。
……酷く無責任な話ではあるが……そんな事はどうでも良い。ならその反逆者の大義名分はなんだ?
答えはこの城に保管されているであろう、俺の作り出した対拠点制圧兵器であろう。
きっと、現公王を殺し終えた後、この兵器を国民に向け撃とうとしていた、などと言いふらすつもりなのだろう。
死人に口なし……歴史など、後からどうとでも作り替えれるのだ。
その後、公王の座とそのマジックアイテムの権利は自身に移る……とでも考えているのだろう。
さて、そこまでの思考を発展させはしたが、此処から本題になる。
反逆者はつまり、概要だけだとしても、その内容を知っている事になるのだ。
なら、その者を捕らえ、情報を吐かせれば。この国の保持しているマジックアイテムが、どんな物かを知る事が出来るだろう。
これは、其の為の狩りなのだ。
プライドに答えを聞いても良かったが、それだと面白くもなんともない。
どうせ明日まで時間を無駄にする位なら……その時間を楽しんでも悪い事では無いだろう。
(あいつかな?いや、それともこっちか……不審な動きは極力避けるだろうが、どこまで隠し通せるかな?)
視線を移しながら、獲物を探し続ける。その視界の端では。猟犬の役割を与えられたシュリとブラウが、男性貴族に囲まれているのが見えた。
彼女達には、獲物を捕らえる……或いは邪魔者を排除する様に指示を出している。
シュリは問題ないだろうが、ブラウが、どこまでその指示を行えるかが解らなかった。
だから一応保険を掛けて置くつもりだが、それもどこまで機能するか……
まだ結果が見えない事を考えていても仕方ないだろう。引き続き、獲物を探しに戻ろうとしたその時、
「リジィーさん。ずっと中央に立っているのも疲れるでしょう。壁際で少し休憩と……お話をしませんか?」
「プライド……君の話は断ったはずだが?」
熱を帯びた思考に水を差した人物に、どうしても不機嫌になってしまうのは仕方が無いだろう。
その俺の内心を読み取ったのか、少しばかり気圧された様ではあるが、彼はそれでも引く気が無いようだ。
「ええ解っていますよ。もちろん、この場でその話をしようとは思っていませんよ。ほら、行きましょう。」
此方の了承も取らずに。プライドは俺の手を引き、壁際に誘導した。そしてその壁に背を持たれ掛けさせ、その顔に笑みを浮かべながら、俺がそれに倣うのを待っている。
……会話の間だけでは無く、どうにもこの少年貴族は、俺とは反りが合わない様に思える……にも関わらず、一種、狂信的とも言える様な感情を持たれているようだから手に負えない。
仕方なく、その隣に同じような姿勢を取る。
「リジィーさん。楽しんでいますか?」
「……楽しんでいたよ……ついさっきまではな……」
他愛の無い会話に嫌味を返しつつ、獲物探しを一時中断せざるを得ない。……適当に返事を返し、それが、彼の願いを聞き入れる様な内容だと、馬鹿みたいな結末を迎えそうだからだ。
どうでも良い話だとしても、言質を取られない様に考えねば行けなかった。
「そうですか?楽しんでいるのならいいですけれど……」
俺の内心と嫌味など物ともせずに会話を続けている。……むしろこいつが反逆者なのではとさえ思えてくる。
怒りは沈静化する事無く、弱くはあるが、この身を焼き続けている。だから彼に返す返事は不機嫌な物である。
「……すみません、リジィーさん。貴方もきっと不安なんですよね……」
その不機嫌をどう解釈したのか、その顔つきを神妙な物に変えつつ、プライドは俺の内心を勘違いして受け取る。
……自身が俺の邪魔をしているから……とは欠片も思っていないらしい。
「でも大丈夫ですよ。反逆者は当分動かないでしょうから。」
プライドは小声で自身の考えを口にし、笑う。
その姿がどうにも滑稽に映ってしまう……彼は、自身が反逆者を探している、という情報がばれているとは知らないのだから仕方のない事だろうが……
まぁ、ヒント位なら与えてやってもいいかもしれない。
「プライド、君が事を起こすとしたら、どういった機会を狙う?」
突然の俺の質問に、プライドは戸惑いながらも咄嗟に答える。
「準備をして、隊全体の士気と体調も万全な状態でです。」
「……それは前提の話だ。……なら言い方を変えよう。被害を最小限に抑えるには、相手がどういった状況の時に攻撃を仕掛ける?」
「…………状況?……相手が怪我をしている……いや都合よくそうはならない……なら、油断?……油断ですか?」
自信無さげに彼は、俺の求めている答えを口にする、それに肯定を返しながら、ついでにこの者が、どれだけ頭が回るかを確認してみる事にする。
俺の視線を受けながら、右手を顎に当て、少し俯きながらプライドは思考を続ける。
「油断……敵?…………リジィーさん。貴方はもしかして、この場で反逆者が動くと言っているのですか?」
及第点位はあげてもいいだろう。そのプライドの疑問に答えを返しながら、自身の考え……その一端を告げる。
「あくまで可能性の問題だがな。だが、これだけ狙い易い機会も無いだろう。何せこの場の全員が武具を所持していないのだ。剣をちらつかせれば、抵抗する気力も起きないだろう。」
「ですが……城の守りは厳重です。いくらこの城の内情に精通していたとしても、ここまで辿り着く事は……」
「プライド……それは剣士としての考え方だ。この世には、もっと襲撃に向いた存在があるだろう?」
「…………魔法!?リジィーさん!!本気で言っているのですか!?」
「当然。むしろ考え付かない方が私には不思議だがな……」
数度の会話を経て、俺はこのプライドという少年の評価を修正していた。
彼のその後の動きが速かったからである。
「リジィーさん。私は公王様にこの事を進言してきます。貴方はリリア王女の安全を確認しその警護をしてください。お願いします。」
此方の了承も受けずに、さっさとプライドはこの場を去ってしまう。
機転が利くのはいいが、魔王に王女を守れというのは、詩人が聞けばひっくり返りそうな内容だな……
……ただ、いい加減貴族共の顔を見つめ続けるのも疲れて来た。気分転換に散歩するのもいいはずだ。……そのついでにリリアに危害が加えられていたら、助けてやってもいいかもしれない。
……獲物を捕らえるのは、予定通りシュリとブラウに任せても問題ないだろうしな。
考えは纏まった……俺は少しばかりの小細工を行い。この会場を後にする事にした。
何も知らない貴族共、その者達が依然喚き続ける喧騒を受けながら、空いていた扉を抜け、薄暗い廊下を歩き始めた。
当然、その俺の姿に視線を寄越す者はいない……いたら驚くが……
そこで、奇妙な感覚が体を突き抜ける感じがした。それは何かしらを召喚した魔法に思えた。
「ふむ、思いのほか行動が速いな。これは少しばかり急いだほうが良さそうだ。」
独り言は誰にも聞かれる事は無く、そしてリジィーが口ずさむ鼻歌もまた、誰にも聞かれる事は無かった……
◇◆◇◆◇◆◇
リジィーが会場を後にして直ぐ。ブレマス城の内部では戦闘が繰り広げられていた。
「せぇぁ!!」
気合い一閃。そのアリスの掛け声と共に、魔法により作られた骸骨の兵士の一人が両断される。
場所は執務室前、招待した全員が集まった事を確認し、その旨を公王様に伝え、会場へお連れしようと部屋を出た途端。
私達を囲む様にその魔兵士達は現れたのだ。
その姿と、何者かの敵意を感じた瞬間には、アリスは自身の使命を全うしていた。
「アリス!!これは一体!?」
「解りません!!ですが敵だという事は解ります!!公王様、私の後ろへ!!」
狼狽を隠し切れない公王の声を背後に受け、目の前を囲む無数の骸骨へ剣を差し向ける。
執務室の内部に退避する事も考えたが、中に罠が仕掛けられているとも限らない、なら、出来る限りこの場から動かない方が良いだろう。
向かって来た骸骨を一つ、また一つと片づけながら、この状況を理解しようと頭を働かせる。
「くそっ!!部下達は何をしているのだ!?まさか既に壊滅しているというのか!?」
これほどの敵がこの場にいるのにも関わらず、援軍は来そうになかった。最悪、下の階は制圧されたとみるべきだろう。
「アリス!!私はいい!!リリアだ!!リリアの下へ行ってくれ!!」
「なりません公王様!!それにいかに私と言えども……この数相手では……」
愛する娘の身の危険を感じたのだろう。公王様はその声に焦りを浮かべながら、自身の剣を構え、骸骨を切り伏せている。
その姿は、もう若くは無いと言えど気迫に満ちていた。だが、彼も歳である。この数を相手するのは無理であろう。
それに自身の力量もあった……この無数とも言える様な数を相手に、突破する事が出来るかどうかが解らない。
なら、公王様の命令ではなく、そのお体を守るのは私の使命のはずだった。
「くっ!!ならアリス!!急いでこ奴らを始末するぞ!!それならば文句あるまい!!」
「御意!!」
返事と共に、剣を構え直し、手近な骸骨に切りかかろうとした時、一つの咆哮が聞こえた。
その咆哮と共に、視線の向こう……奥の骸骨が宙を舞い始める。
その異様な光景を目にしながらも、襲い掛かってくる骸骨を押し返す。その波はすぐにこの場に辿りつく、そして骸骨を投げ飛ばしながら現れたその人物は、公王様の前に跪いた。
「公王様!!敵襲でございます。先日忠告しました反逆者が、魔法を用い、攻撃してきた模様です!!」
「おお!?プライド侯爵!!その姿からは解らぬが、お主か!?」
私には解らなかったが、公王様には解ったようだった。
其処には、筋肉が歪に膨らんだ人型の化け物が存在した。人間というにはその姿が禍々しく、魔族というには、その奇怪な姿とは裏腹に動きが洗練されていた。
プライド侯爵の姿を知る者からしてみれば、想像できない姿が其処にあった……
「流石の御慧眼。父から譲り受けたマジックアイテムの効果により、一時的にこのような醜い姿となっておりますが、お許しを。」
「良い、良いぞ!!プライド。良くこの場に駆けつけてくれた!!汝に命ず。リリアを……リリアを守ってくれ!!」
プライドがこの場に現れるまでに、多くの骸骨が排除されたはずだが、それでも骸骨の数が減る事は無かった。
その事から、こいつらは召喚され続けているのでは……という考えが浮かぶ。多分公王様もその考えに至ったのだろう。
この囲いを突破できるこの者……今の姿からは想像できないが、プライド侯爵なら突破できると判断したのだろう。
感極まった様に、リリア王女を警護する命をプライドに与える。
「公王様、其方の方は問題ありません!!」
プライドはその公王様の焦りを否定する。それと共に付け足してその理由を述べた。
「リリア王女には、リジィーさん……リジィー・スロードが向かっております。彼ならリリア王女を守ってくださるでしょう。」
そのプライドの言葉は、私にとっても驚きであった。
ユリスから聞いて、自身が想像していた彼の人物像、それと重ならなかったためである。
「おお!?そうか!!あのリジィー・スロードが請け負ってくれたか!!……思ったよりも早く孫の顔が見れるかもしれないな。」
しかし、公王様はそれを嬉しく思っているようである。……後半の呟きは聞かなかった事にしよう。
そして、公王様は心配事が無くなったのだろう、先ほどまでの焦りは無く、その声には余裕さえ戻っている。
……逼迫したこの現状で、状況を確認出来ていないのだから、余裕を取り戻すのはそれを終えてからにしてほしい……
「公王様!!プライド侯爵!!お話はそれ位に!!骸骨共は依然数を増しているのです!!部下と連絡を取り、状況の確認を取りたいので。少しばかり時間を作って頂きたいのです!!」
私の進言に、公王様とプライド侯爵は、間の抜けた雰囲気をだす。しかしそれも一瞬、快活に笑いながら、彼らは了承をくれる。
「うむ、すまないアリス。連絡の魔法を使用している間、無防備な体は私達が守ろう。良いな?プライド侯爵。」
「もちろんでございます!!」
主従関係とはいえ、現状で連絡を取る事が出来るのは私だけのなのだ。それを理解してくれているからこそ、二人の返事は部下というよりかは、仲間に対するそれである。
それを受けながら連絡の魔法を行使する。その魔法は直ぐに繋がり、それを受けた各部隊の隊長に確認する。
……結果として、警備の者は襲撃にすら気付いていなかったらしい。
その事実を叱咤し、急ぎパーティー会場や、周辺の者を守る様に指示を出す。また、この場に援軍を送る様にも指示を出した。
「後は……リリア王女……彼女の下にも援軍を……」
「ああ、それはいらんぞ。リジィー・スロードが行っているのなら問題あるまい。」
良く解らないが、公王様はリジィーを高く評価しているらしい。
不安であったが、公王の命であるのならそれに従う他無かった。
「以上だ。各員急げ!!」
「……やはりアリス団長は凛々しいですね。」
「じゃろう?これだから周りの男は物怖じしてしまうのだ……もういい年なのだから、私の娘を見習ってほしい物だ……」
なんか失礼な事を言われている様な気がする……二人は依然骸骨を叩き潰し、切り伏せ、投げ飛ばしながら、気負いなく雑談を続けていた。
その姿に緊張感の欠片も無い。それだけ余裕である事の表れだろう……事実この骸骨は、魔法で作られた物だとしてもとても弱かった。
(だからこそ、これは足止めなのではないかと思うのだが……公王様とプライド侯爵はそう思わないのだろうか……)
アリスの疑念は尽きない、それでも今の現状を対処する事が先だと考え、自身も骸骨の束に切りかかっていく。
スアー公国首都ブレマス。この500年間、一度も敵の侵入を受けた事の無かったブレマス城は、静かに……何者かの襲撃を受けていた。
次回は魔王様が楽しむ予定です。
後、魔王様は全能ではありません。考えに間違いもあれば、ミスをする事もあります。それがどう転ぶかは、魔王様の行動次第という事で……
ではまた次回の機会に




