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副艦長の航海日誌兼状況報告1

 皆さん、初めまして私は超々大和型戦艦参番艦『信濃改』の副艦長、スーシアと言います。


 憶えている限りで副艦長らしい仕事をしていない気がしますが副艦長です。副艦長の仕事はあまり分かりませんが副艦長です。艦長曰くダメージコントロール、船が戦闘中に受けたダメージを報告、隔壁の閉鎖、艦長がいない時に代わりに指揮を執る等が副艦長の主なお仕事だそうです。まだ艦長の代わりに指揮を執った事はありませんが、いつでも代わりに指揮をとれるように艦長のお傍で密かに勉強中です。


 今回は艦橋にいる方達をご紹介しようと思います。


 まずは私の生みの親である春雷様からです。春雷様は見た目が骸骨なのですが、とても素晴らしい方で返事をすることの出来なかった私にもよく話しかけたり、新しい服をたくさん着せてくれました。今使用している衣類も春雷様がくれた服を着用しています。本当は私の他にもアンさんやネシスやアンレスさんとか沢山の仲間がいたのですが、最期まで残った仲間は私だけになってしまいました。それでも私は春雷様が憎いとは思いません。仕方のない事ですから覚悟は出来ています。それに春雷様は私に皆さんの形見を渡してくれて、信濃改に乗った時に私の自室である第二艦橋に落ちないように固定して飾ってくれました。

 こうして自分から動けるようになってからはより一層艦長をサポートできるように頑張る所存です。そう言えばどうして私は動けるようになったのでしょうか?艦長に作られた時の記憶はあるのですが自分からは動けないそんな感じでした。今はこうして自分の意思で動くようになったのですが、今思うと疑問に思います。でも考えても考えてもどうしてなのかは分かりません。イユさんや他の人達に聞いてみましたけど誰も何も分かりませんでした。でも動けるようになってから艦長がもっと構ってくれるようになったので私としては嬉しい限りです。出来る事ならこの先もお傍にいることが出来ればいいなと思います。


 次はレーダー観測員の梵天丸さんです。

 恰好は丈の短いスカートを穿いた海賊服のような恰好に黒い眼帯を付けています。艦長が何も言わないですが、私からするとその格好は海賊船の船長のような恰好で、紛らわしいので変えて欲しいのが本心です。信濃は軍艦であって海賊船ではありませんので

 お仕事はレーダーの監視の他に救助したミアさんの通訳、ミアさんの話している言語を他の人達に教えたりと中々忙しそうです。

 ですがそれでも嫌な顔をせずにテキパキこなしています。一度お手伝いしようか聞いてみたのですが、断られてしまいました。それどころか他の所のお手伝いを進んで行ったりしています。私達がこうなる前は何処か寂しそうな顔をしていたのを憶えているのですが、口調こそ変わりませんが顔はとても生き生きしています。

 ただ、そんな忙しい中でも私達と会話することが結構多いです。大体私達が話している中に入ってきたり、梵天丸さんから話してくることが大半です。性別が同じなので浴場で一緒になる機会があるので艦橋にいる方達の中では艦長の次に仲がいい方だと思います。


 因みに信濃は艦長の船ですので、艦長以外の皆さんはそれぞれ自分の船を信濃の中に収納しています。

梵天丸さんの場合は『シューティング・シルバースター号』という三胴船型ウェーブ・ピアサー方式の高速船です。

三胴船というのは人が乗る主船体と左右に取り付けられている二つの浮き(アウトリガー)から構成される船です。燃料には聖杯から生成される魔力水を使用し、エンジンはいつの間にか梵天丸さんが持っていた魔導式「カミンズエンジン」を使用しています。ピアサー式は信濃のように海を切り裂いて進むのではなく、サーフボードや競艇のボードのように波を乗り越えるように進む方式の船のことです。

 シューティング・シルバースターは武装が無い代わりに高速移動による戦闘の回避と信濃では侵入できないような河川に入るために使用したりします。最高速度は信濃の高速艇モードよりもはるかに早く他の皆さんの船の中と比べても最速を誇ります。






 次は機関長の黒雪さんです。

 正直黒雪さんが一番よく分かりません。今までは皆さんの親父さんのような喋り方をしていたのに、私達の意識がはっきりした時からまるで女の子のような仕草と口調をするようになりました。正直違和感がすごいです。エンジンルームの皆さんは何となく察していたようで気にしていませんが私はとても困惑して、正直ちょっと怖かったです。

 けれど梵天丸さんとは仲がいいのでその内話せるようになるかもしれません。今度梵天丸さんが話していた女子会と言うのを開いてみるのもいいかもしれません。今度艦長に提案してみましょう。

 お仕事はエンジンルームの管理です。エンジンに使用している聖杯は魔力水その原液を無限に出す器です。この聖杯の魔力水を使用して信濃の艦内空間の拡張や艦内で育てている野菜や動物の成長速度を促進し、艦の装甲の強化や各武装にも使用されているこの船の心臓部分です。

 ですが、その分戦闘課の次に危険なお仕事です。聖杯から流れる魔力水は薄く何かに使用していいない魔力水は人体に猛毒です。もし体に直接かかることがあればほぼ100%で死にます。そんな聖杯を二つ使用しているので一でもミスをすればエンジンルームの人達は即死します。その分エンジンルームの人達の練度は高く、全員が超一流の人達です。

 そんな黒雪さんの船は船体に工作用クレーンの付いた工作船『ガレス』です。

 これも信濃で侵入できない河川でのサルベージ作業や他の船の応急修理、又は他の船をガレスの甲板に乗せて運搬など様々なこまごまとした作業を担っています。




 次に操舵手のシャーロックさんです。

 この方は艦長と特に仲がいいみたいで特に何もない時は二人で話している姿をよく見かけます。この中では一番変わった格好をしています。赤い裏地の黒いマントを装着し、とても厳格そうな顔をしているのに中身はとても優しい方です。

腰にレイピアのような物を差していますが、実際に使っている所を見たことがありません。シャーロックさんはもっぱら地図の記載されている場所を差したり作戦室で説明をする時の棒として使っています。

お仕事は船の操縦。信濃の三つのモード変形の手順を始め、信濃の各所に配置されている方向転換用の小型スクリューの把握など覚えることは結構あります。あとこれは武装ではないのですが飛ばすことの出来るジェットアンカーを発射することが出来ます。

操縦にはエンジン回りの協力が必要なのでお仕事の時は黒雪さんと話すことが多い気がします。

 船は一度に70人前後が乗ることの出来る大発動艇『エスメラルダ』基本的に私達が丘に上がる時為に乗ったりしています。




 次に戦闘関係を束ねている。漆捌さんです。

 恰好はヘルメットを付けることの出来るスーツに日本刀や膝当てとかを付けています。戦闘系を請け負っているので船の中では一番指示を出す人数が多いです。

 普段は戦闘態勢に入らない限りは暇なので椅子で昼寝をしたり、甲板に出て鬼ごっこに参加したりしています。一番私達を気にしていない人に見えます。それでも無視をしたりするわけでは無くて話したり相談には乗ってくれる人ではあります。

 主砲や副砲、魚雷迎撃用の魔導レーザー砲砲撃手、各方向にある魚雷発射など信濃にある様々な武装を担当している人に指示を飛ばします。

 また、まだ起きたことはありませんが艦内での秩序の為に武力介入を行うことが出来ます。後は船内の侵入者の対処や、主砲副砲のメンテナンスなど艦内で一番多い部下を持っているので色々な所に部下を貸して欲しいとの相談を受けます。

それと他の人達に比べると子供のような印象を受けます。


 持っている船、あれは船なのでしょうか?三人まで乗ることの出来る水上バイクの『クロトリ アルファワン』他、強襲陽動用の水上バイクを数十隻持っています。梵天丸さんの船が最速を誇りますが、漆捌さんの船は小回りを重点に置いた船で敵船の目先で挑発したり、信濃に張り付こうとする小型艇の排除など細々とした役割を担っています。



 そして最後にこの私、スーシアです。

 今は艦長が貸してくださった。艦長の服装に近い服を使っています。多分副長としての服なのでしょう。ちゃんとサイズも私にぴったりにデザインされています。スカートにガーターベルトと艦長とは違う物が付いています。

 お仕事は先ほども言ったように戦闘の際のダメージコントロールと艦長不在の際の各所への指示など艦長をサポートするのが主な仕事です。今まではそれほどお仕事をすることが出来ませんでしたが、自由に動く今なら艦長を全力でサポートすることが出来ます。

 船は持っていませんが私には艦長の信濃があれば十分です。




 さて、そんな私達ですが、現在よくわからない海を渡っています。艦長達も一時は取り乱したりしていましたが、幸いそれが行われた時は皆さんの夕飯の時間からそれていたので見たのはごく少数だけだったので艦内に不安が広がることはありませんでした。もし、全員とまではいきませんがあれ以上の人が見ていたら艦内全体に広がってしまうところでした。料理長が話の分かる方で助かりました。


 取り合えず、目的地が決まり信濃が動き出したので一安心。向かう場所はテイリュバリーと言う聞いたことの無い場所です。

 地名もそうですけどミアさん、敵の船に捕虜として捕まっていたらしい方もそうなのですが、話している言語が分からないのです。私達は話している言葉以外に言葉があるのに驚きですが、その話している言葉を理解して話している梵天丸さんもすごいです。

 ミアさんをお世話しているイユさんも話せないから意思疎通が出来ないんですよって言っていたので今は艦内の人達が交代交代で梵天丸さんに教えてもらっている途中です。

軽く学校みたいな雰囲気がしますが、皆さん真剣に梵天丸さんからの講義をしています。

あとは、今まで艦長達は飲食をしなかったのですが、最近は艦長を除いた皆さんが食事をするようになってコミュニケーションの場が広がっています。艦長も一緒に参加して欲しいのですが、食べ物が溜まる場所がないので食べれないと聞きました。なら艦長はどうやって生きているのか疑問に思いますが、艦長も分からないようです。

 ただ匂いは感じたり、物は見えたり音は聞こえますし、夜はちゃんと寝ています。ちゃんと確認しました。呼吸音は聞こえませんでしたが…。

でも、艦長が生きているのならそれでいいです。

それだけでいいです。



 話がそれました。艦長から直接伺ったのですが私達の当面の目的はこの未知の海域の調査、および私達がいた海に帰る手段を探すことです。私としては戻るのは嫌なのですが艦長の決定鳴らし方ありません。従うだけです。

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