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死者達の迷宮

 ラウル達はまず冒険者ギルドで情報収集を始めた。

 情報収集はどちらかというと女性の方が適任である。女性の進出が著しい現代でも、冒険者の社会は男社会である。女性に尋ねられれば、自然と口元も緩むというものだ。ニーナとメアリーに頼んだ。ラウルは受付で話を聞く。

 受付の話によると、新しく生まれたダンジョンの名前は、『ラビリンス オブ ザ デッド』と呼ばれているらしい。何故英語なのかはラウルにもわからない。日本語訳で、『死者達の迷宮』となるのだろうか。ラウルは前世から英語の成績は良くなかった。

 特に誰でも入ることはできるが、推奨ランクはC以上となっていた。地下に向かって進んで行くタイプで、当然下に行くほど敵も強くなっている。セバスとメアリーはランクCらしいので、迷宮に入るのは問題がないだろう。セバスはどう見てもC以上の実力だと思われる。昇格が嫌だったのかもしれない。


 女性陣が仕入れてきた情報によると、出てくる魔物はすべてアンデッドで間違いないらしい。落とすアイテムなども、屍肉や骨がメインである。必ず出るのが魔石と呼ばれる石である。魔石はギルドで買い取って貰えるので、収入源ともしても良い。


 迷宮に入るのに特にギルドで手続きは必要ないようだ。ラウル達は早速迷宮に挑戦することにした。


 地上の部分は元墓地だという。所々に墓石が転がっている。奥の方に下に降りる階段が見える。あれが迷宮への入り口なのだろう。ラウル達は慎重に階段を降りていった。


 迷宮は、石が綺麗に積み上げられた構造になっている。床も天井も壁も石で作られているようだ。下の方には光る苔がびっしりとくっついていて、薄暗いけれどまったく見えないわけではなかった。


 地下1階層は冒険者が多くいて、敵を取り合いしているところもある。ラウル達は、脇目も振らずどんどんと先へと進む。この階は分岐などはなく、一本道で次の地下2階層まで繋がっていた。ラウル達は戦闘することなく地下2階層へと続く階段を降りていった。


 地下2階層も、冒険者は多い。このあたりの敵は雑魚だらけのように見える。たまに冒険者から狩られずに残っていた個体が襲ってくるが、セバスの一振りで簡単に倒していった。敵も雑魚ばかりで、攻略のスピードが落ちることはなかった。ラウル達は先を急ぐため、できるだけ戦闘を回避するように素早く攻略していく。このような感じで地下5階層までやってきた。ここまでボスらしき強敵も会っていない。


 地下5階層は、スケルトンにグール、犬のゾンビなど、敵のバリエーションも増えてきた。スケルトンはこの階層になると武装するようになってきた。剣と盾を装備している。犬のゾンビも、通常は群れで行動していて、非常に俊敏なやっかいな敵である。

 この階層あたりから、ラウル達もパーティとして戦うことにした。セバスとニーナが最前で、真ん中にラウルとシルフィ。最後尾にメアリーが続く。ラウルとシルフィで長距離から魔法攻撃。それに漏れた敵をセバスとニーナが対応していく。後ろから不意打ちがあれば、メアリーが対応し、ニーナが応援に入る形を取った。

 常にラウルが『サーチ』を使用し、敵を把握しているので、まず不意打ちはなかった。毎回、ラウルが敵を発見し、敵が視認できるくらいまで近づくと、ラウルによってすぐに消えてなくなった。


「流石は主様・・・、私の出番はありませんね。。」

「本当ね、ラウル以外はただ歩いているだけだわ。」

「気を抜かないでくださいよ? すべて俺で対処できない敵も、今後は出てくる可能性はありますからね。」

「はい。その時は任せてください。」


 セバスは本当に頼りになる男である。

 しかし、セバスの出番はこないままボス部屋の前までたどり着いた。前方には、何組か順番待ちのパーティがいた。この迷宮は5階層ごとにボスがいるのかもしれない。ラウル達はその後ろに並ぶように座った。メアリーさんが愛想良くひとつ前のパーティに質問をする。


「すみません、ここのボスはどのような敵なのか知ってますか?」

「ん? ああ、初めてなのか? ここはスケルトンキングだな。」

「もう何度か倒されたのです?」

「ああ、俺らは今回が4度目だな。」


 どうやら、ベテランのパーティのようだ。

 迷宮の敵は、時間が経つと再度生まれてくる。ボスとて例外ではない。魔素の濃さがその原因とされているが、推測の域を出ていない。確たる証拠などで証明されたわけではないのである。


 しばらく待っていると、ラウル達の順番が来た。ボスの部屋に入ると、ゆっくりと大きな観音扉が自動で閉じていく。

 目の前には大きな骸骨が立っていた。右手には両刃の剣、左手には巨大な盾を装備している。ラウルは速攻で敵全体を包み込む大きな立方体で消去を試みる。


【カット】


 骸骨を大きく包み込むように、青い立方体が表示された瞬間、骸骨がこちらに向かって走り出した。上手く範囲外に逃れる。


「あちゃー、ボスともなると簡単には倒されてはくれないようです。」

「主様、前衛はお任せください。」

「うん、頼んだ。」


 セバスは骸骨にめがけて走って行く。盾を構えて、そのまま突っ込んでいった。

【シールドアタック】

 盾のスキルが行使される。これにより敵は数メートルノックバックする。その隙に、セバスは低い態勢のまま足を狙って剣を振る。大きな衝撃音がして、骸骨の左足が後方に飛んでいった。骸骨が左に傾いたまま、右手で剣を振りかぶった。危ないと思い、ラウルは骸骨の剣をじっと睨み収納を試みる。

【収納】

しかし、骸骨は剣を持ったままだ。失敗のようだ。振り下ろされた剣は、セバスに迫っていくが、セバスは上手く剣を合わせて受け流した。骸骨の剣は地面に突き刺さった。その隙にセバスが骸骨の首を両断する。骸骨の頭が俺達の方に転がってきて、慌てて避けた。


 アンデッドは首を切断すれば、大抵はそのまま倒すことができる。例外もいるようだが。今回も、倒した後には、骨が数本と魔石だけが残っていた。ドロップアイテムだろう。それらを収納すると、ラウル達は先を急いだ。




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