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エルフからの依頼3

「神様、再びお目にかかる許可をいただき、ありがとうございます。」

『うん、かまわない。』

「それで神様、お願いがございます。」

『そなたの母上のことじゃな。』

「は、はい。」


 神様は何も言わなくても理解してくださった。そして、次のように仰った。


『今回、お主の母が精霊に生まれ変わったのは、確かに私がやったことだ。』

「やはり、そうでしたか。ありがとうございます。」


 ラウルは地面に頭を付けて感謝の意を捧げる。


『ただ、私はきっかけをあたえたに過ぎない。彼女が精霊になったのは自らの思いからなのだ。』

「思い、ですか?」

『うむ。人が生まれ変わるとき、負の感情に支配されていると負の存在の生物へと生まれ変わってしまう。例えば、悪魔や、魔族、魔物などにな。逆に、正の感情であれば、天使や、精霊、人族などに生まれ変わるというわけだ。正の感情であったからこそ、お主の母は精霊になることができた。』


 なるほど。。母様は清廉な心で生まれ変わることができたのでしょう。。


『ところがだ、後になってまずいことになってのぅ・・・。』

「はい。どうやら龍脈の流れが変わってしまったようで、神木が枯れそうなのです。」

『うむ、実はその流れを変えたのが私なのじゃ。』

「へ? あ、失礼しました。すみません。」

『生まれ変わる為には、転生の魔法をかける必要があった。それには莫大な魔素が必要なのじゃ。』

「は、はい。」

『その必要な魔素を用意するために、お主の母が眠っていた墓地に向けて、少しだけ龍脈の流れを変えたのじゃ。』

「は、はぁ。」

『それで、魔法で生まれ変わることができたのは良かったのじゃが、生まれ変わった先が問題の神木を宿り木とする木の精霊だったのじゃ。たまたまな。。』


(ということは、生まれ変われたのも神様のおかげだけど、いま死にそうなのも神様のおかげだと・・・。なんですかそれは。。どうせなら、最後までフォローして欲しい。)


『生まれ変わった頃は、まだ魔素が非常に濃く残っていたので問題なかったのじゃが、日に日に少しずつ魔素が減ってしまってな。今の現状になってしまったわけだ。』


(感謝すべきなのだか、すべきでないのか・・・複雑だなぁ・・・。)


「それでは、龍脈の流れをもう一度元に戻して貰えませんか?」

『それがな、もうできなくなってしまったのじゃ。』

「え、何故ですか?」

『先ほども言ったが、生まれ変わるときに負の感情に支配されていると、魔物に生まれ変わるのじゃ。そして、お主の母を生まれ変わらせるために、墓地全体に魔法の影響が広がった。私の魔法は細かいことが難しくてな・・・。結果的には、あの墓地から多くの魔物が生まれた。』

「なんですとー!?」


 ラウルはだんだん言葉遣いがおかしくなってきた。そして、バルサニールの王都でアンデッドの群れが突然発生したことを思い出す。

(げっ、あのアンデッドも母様と同時に生まれ変わった元人間だったのか。)


『私も流石にこれは不味いと思ってな、魔物達を閉じ込めるため、そこにダンジョンを作ったのじゃ。』

「ダンジョンですか?」

『うむ。そして、そのダンジョンの稼働に必要な魔素を龍脈から補充しておる。』

「なるほど・・・。なので龍脈を元に戻せなくなったと・・・。」

『そうじゃ。元に戻すと、魔物が地上に溢れ出し、国を滅ぼすであろう。』

「そんなぁ・・・。」

 ラウルはガックリと頭を垂れた。


『だが、ひとつだけ方法はある。』

「え、それは何でしょうか?」

『現在のダンジョンマスターはまだ決まっておらん。お主が現在の魔物達のボスを倒せば、ダンジョンマスターの資格を得る。そうすれば、龍脈からダンジョンに流れてくる膨大な魔素を自由に使えるようになるだろう。』

「そうすれば、母様は助かるのですね?」

『うむ、ダンジョンマスターになれば、助ける方法も自然と解るだろう。』

「わかりました、それではダンジョンに早速向かうことに致します。」

『うむ、あそこの魔物は強いからな。十分準備していくのじゃぞ。』

「ありがとうございます。」


 そこでラウルの意識は元の教会へと戻った。


「神様、アドバイスいただけただけでも感謝します。ありがとう。」

 ラウルは再び神へと感謝の祈りをする。それから、すぐに教会をでた。


 家に帰ると、三階のリビングに全員を集めて話し合いをおこなう。ただ、新しく家に来てくれたメイド達には、まだ話せないこともあるので席を外してもらった。話すのはいつもの5人だ。


「母様の容体は、日に日に衰弱してる。そこで、とある方に救いを求めたところ、アドバイスをいただきました。それによると、バルサニールの王都にダンジョンが新しく生まれたらしい。そこを攻略せよとお導きがありました。なので、明日からまたバルサニールへと向かうことになります。」


 すると、シルフィが驚いたように聞いてくる。


「え? またバルサニールへ行くの? 前回は入国もできなかったのに、方法はあるの? それに、アドバイスとか誰にもらったのよ。信用できる人物なの?」


 もっともな疑問だろうと思う。この際だから、信用のおけるメンバーには話しておこうと思った。


「はい、人間ではないけど信用できる方ですよ。」

「え? 人ではないの?」

「はい、神様ですから。」

「は?」

(まぁ、普通はそのような反応を示すだろうなぁ。。)

「このことは、誰にも話さないでくださいね。実は俺は、前世では別の世界で生きていた人間です。つまり、転生してきた人間ということになりますね。前世での記憶も引き継いでいます。」

「うそっ・・・!?」

「本当です。それで、こちらの世界に来るときに、神に会いましたから。黒髪は転生者の証というのは本当かもしれません。」


 誰も何も言わない。信じていないのだろうか。。


「ラウル様、私は信じます。むしろ、やっとラウル様の不思議な力が納得できました。」

と、セバスがいう。

「まぁ、ご主人様は人間離れしていますからね。母親は精霊だし。今更驚くことじゃないね。」

と、ニーナはいう。


「え? えええー? 驚いているのって私だけ?」

と、シルフィはいった。


 案外、すんなりと受け入れられたことに、ラウルは複雑な気分になった。

(そんなに俺って、人間離れしてるかなぁ・・・。)





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