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突撃

 簡単な打ち合わせを終えたドラゴネットのメンバーたちはばらばらになって森の中を進行していた。

 そして最初にオーガが確認された場所にほど近いところにたどり着いたかがみながら茂みをかき分けていたナザリアは何かに気付くとその場にうずくまり、自分の鎧の隙間に腕を突っ込んだ。

「あーあー、シャム聞こえてる?」

「上々だ、ナザリア。見つけたか?」

 隙間から出てきたみかんを真っ二つに切ったような見た目をした物体にナザリアが話しかけるとからそれからシャムの声が聞こえてきた。ナザリアはそのことに驚くこともなく淡々と続ける。

「コーガの群れとオーガの姿をピアカイ山麓付近にて確認、オーガは今コーガに右目を治療させている。警戒度数はそこそこ、ただコーガだから穴は多いわ」

「上出来だ」

 シャムの笑い交じりの反応にナザリアも薄ら笑いを浮かべる。

「ドラゴネットメンバーに伝令、目標はピアカイ山麓北西フィフティーンエリアに潜伏。各自すぐに向かえ」

「了解」

「らじゅー」

 シャムの言葉にかぶさるように別のメンバーからの応答が流れる。ナザリアはそれを聞きながら逆の手に持っていた灰色の細長い筒をしっかりと握りしめた。

 すると筒の平面のところからそれぞれ銀色の棒が飛び出てきた。

「シャム、ちなみにあなたはどこにいるのかしら?」

「トゥエンティエリアに入った所だ、もうすぐでつく」

「こちらエミリア、コーガの群れ確認しましたー」

「タルボット、コーガの群れとナザリア確認。ナザリアの右斜め前辺りにいるから」

「グローリア、確認した。いつでもいけるぞ」

 次々に到着の報告がされると、シャムは少し残念そうに言った。

「4人も着いちまったか……。もう行ってもいいぞ、それだけいればあんぜ」

 その言葉が終わる前にフィフティーンエリアの一角で大爆発が起きた。

 グローリアの宣戦布告代わりの一撃によって煙と共にコーガ達の身体が空中に舞う中、運良く逃げ延びたコーガ達も混乱状態に陥る。その混乱に乗じて、ナザリアはコーガ達の中へ飛び込んでいった。

 さらなる混乱が起こる中、ナザリアを視認した一部のコーガは冷静さを取り戻して対応しようと襲いかかるが、次の瞬間には顔を変形させながら吹っ飛ばされていた。それはまさに大人と子供の喧嘩のようであった。

 それから時間が経ち、煙が収まった頃には立っているのは返り血で汚れたメンバーだけになっていた。

「あれ、オーガは?」

 辺りに散らばる死体の中に狙うべき獲物の姿が無いことを疑問に思ったナザリアが他のメンバーに話しかけるも、全員首を振った。

「たぶんあの爆発の中で逃げちまったんだろう。怪我してたからそこまで俊敏に動けるとは思っていなかったから……」

 そう言って唇を真一文字に結んだグローリアを慰めることなくナザリアは再び周りを見回した。そしてある方向に目をつけた。

「あれって私たちが来た時には出来てなかったわよね?」

 見る先には無残に折られた巨木が横倒しになって出来た道があった。葉はうっそうと茂っており、木がまだ折られてからそこまでの時間が経ってないことを示していた。

「爆発による混乱状態で深く考えられずに強行突破したんですかね、この分だと」

 折られた木の幹を検分するエミリアの横でタルボットが無表情のまま問いかけた。

「どうする、木を折りながら進んでいるとなるとそこまで遠くには行けてないだろう。追いかけるか?」

「いや」

 その問いかけにナザリア自信ありげな表情で首を振った。

「この先にはあいつがいるから」

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