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エピローグ〈アメリア〉


辺境での暮らしはとても居心地がいい。


兄様と離れるのは寂しかったけど「離れていたって家族だよ。いつでも帰っておいで」

兄様がそんな言葉をくれた。私は今まで生きる場所が変わればもうそれまでお世話になっていた人にも会わないような人生だった。だけどオルセード兄様とはずっとつながっていられる。その安心感を家族愛というんだと思う。


戦いは街を巻き込まないようにと厳重に守られたがそれでも被害はあった。薬学研究所支部はディル先生が支部長となって私を含めた研究員たちで今尚傷を負った人々の為に薬を作っている。元より辺境にいた薬師の方達と協力しながらの毎日は責任は重いがとても充実していた。王都近くの森と違う植物たちも沢山あり薬師様に教えていただきながら、研究も再開し始めている。


「アメリア!今日は湖に行こう!いい魚がとれるんだ!」

お休みの日。シーラの元気な声で今日のいく先が伝えられる。私は初めて友人というものができた。それはシーラだ。

初めは何も知らないのにヤキモチを焼いたのが恥ずかしくて勝手に気まずかったけどシーラの明るい性格はするすると私の心に入ってきて、今は大好きな友人である。

殿下とお休みが合わない日に誘い出してくれて馬の乗り方を教えてくれてこの地の素晴らしさを見せてくれる。


「お!シーラ姫!今日はアメリア様と乗馬かい?」

「そう!湖に釣りをしに行くんだ!」

「相変わらずお転婆だ。アメリア様も気をつけていってらっしゃい」

「ありがとうございます!」


シーラは街の人気者だ。皆がシーラに挨拶して私にも優しくしてくれる。

こうやって辺境の地で私が受け入れられたのはウィルとシーラの存在があったからだ。

辺境を守った英雄であるウィルの伴侶でシーラの友人。

2人の顔に泥を塗らないためにももっともっと精進したい。優しいみんなを私も大切にしたい。

この大地をウィルは守り切ったんだ。それはすごく尊く偉大なことだった。


大きな大きな湖のほとりでのんびりと座る私とシーラ。魚がかかる気配は全くないがシーラはにこにこ笑ってる。


「キーンのやつは魚が好物らしいからな!釣れたら渡すんだ」

うきうきした様子で湖をみているシーラに私まで浮き足立ってくる。

シーラの想い人はキーンさんだった。ウィルのいう通りちゃんとみればすぐにわかった。それほどまでにシーラはわかりやすい。

「僕がいなきゃ誰が根回しするんですか?まっすぐな殿下には僕みたいな人間が必要です」そう言ってキーンさんはウィルと共に辺境に骨を埋めるという決意をして再びこの地へ来たそうだ。その言葉通りウィルにもこの辺境にも必要不可欠になった優秀なキーンさんだがシーラにたじたじになる姿もよく目撃される。

カーティス様は王都で変わらず騎士として邁進しているとウィルから聞いている。


ウィルがお仕事ということはキーンさんもお仕事で2人には申し訳ないがシーラとの時間を楽しんでいた。


「キーンはすぐ毒を吐くでしょ?でも食べている時はすごく可愛いからさ、喜んでもらいたくて!」

「私も釣れたらウィルにあげたいなあ」

「それがいいね!どっちが釣れても恨みっこなしだ!なんか全然釣れる気配ないけど!」


そう言って笑う私たちに優しい風が吹く。


「アメリア!」


振り向くと殿下がいる。


「キーン!」

その後ろにいたキーンさんにすかさず気づきシーラが駆け寄って行く。2人が一緒のところをみると想いあっているのがわかって私まで幸せになる。あまりの勢いに笑ってしまったが。

ウィルもシーラを見て笑いながら私の元へ歩いて来てくれた。


「仕事が早く片付いてな。アメリアがここだと聞いたから」

「嬉しいです!お仕事お疲れ様です」

「ありがとう。アメリアと過ごしたくてキーンも連れてきた」

「ふふ。その方がシーラもキーンさんもきっと嬉しいわ」



「この湖は良いところだろう。…本当は一番に私が連れて来たかった」


拗ねたような言い方に胸がときめく。2人きりじゃないのに思わず抱きついてしまって。慌てて距離をとろうとするとウィルが私の背中に手を回した。



「こうやって君といられるだけでよしとするか」

ふざけたような言い方に2人でくすくす笑う。


「人前はやはり恥ずかしい。軽食をもってきた4人で食べよう」


2人が近づいて来た気配を感じて私も笑顔で頷く。


「魚も釣れてないのにいいご身分ですねアメリアさん」

「相変わらず仲良しだねえおふたりさん!羨ましい!」


シーラとキーンさんにからかわれながら準備をする。

バツが悪い私にいたずらな笑顔を見せるウィル。

ウィルの知らなかった部分をたくさん知れて幸せものだからそれからのからかいも甘んじて受けた。


穏やかな午後。

大切な人に囲まれた温かな時間に胸がいっぱいになる。

ウィルの笑顔をみながら感謝の気持ちとこれからも前向きなウィルの隣で私も一緒に進んで行こう。静かな決意を胸に抱えながら、優しい時間をウィルたちと共にめいいっぱい楽しんだ。


-おしまい-


完結です!ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。

感想や評価ptを頂いたりやブックマークは評価していただいてるのが目に見えるのが嬉しくて

本当に本当にやる気の源でした!

感謝の気持ちでいっぱいです!


次は魔法が根付く世界のお話を書きたいと考え中です。また読んでいただけたらいいな(^ ^)


ありがとうございました!

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