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【16】
ワタル達はひたすら、山道を歩いていった。
そうして、歩くことすら、呼吸のようになっていった時に、とある詩が、ワタルの命に鳴り響いた。
内容は、要約すると、このようであった。
『丘の上より』
きみとぼく
太陽の音楽がふりそそぐ空を
一緒に飛び交おう
どこまでも自由に
どこまでも愛と夢のなかで
木の葉に眠る宝石や
流るる川の讃歌を聴きにいこう
山に咲いているヒメシャジンや雷鳥を探しに行こう
深海魚は海を何色に照らすのだろう
きみの虹彩には何が映るのだろうか!
夜は一緒に
星屑の甘美な蜜をほうばり
風のハンモックで休もうよ
ときどき三日月の舞踏会で
踊り明かそう
そうして
雨が降るように思い出そう
遥か昔からきみとぼくが一緒に
暮らしていた
青い裸の地球を
手を繋いで歩きだそう
命の故郷へ
そして
共に創ろう
新しい園を
ひとつなる世界を




