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【14】
遂に一行は、赤い山の雲海の中を、登ることになった。視界が悪くなり、先を見通すことが出来ない。ゴツゴツした岩肌がむき出しになり、足場も悪くなっていた。呼吸も幾分か、しづらく感じる。
そんな悪状況のなか、先頭を歩いていたワタルが言った。
「ここから先の道は、見通しも悪くなるし、足場まで悪くなっていく。呼吸さえ調えづらくなるかも知れないし、断崖絶壁さえあるかも知れない。それでも、悪条件だからと言って、山の主であるラーヌは、登るなとは言っていなかった。ラーヌは言っていた。山の頂上まで登ってみなさい、と。僕達の心のなかでも、強くそれを求めている。僕は、 ラーヌも、自分も信じる。登っていこう。たとえ、これから先がどんなに足場が悪く、視界が悪く、呼吸がしづらくなっても」
ヒロキが言った。
「今は、魔法に頼ってはいけない。それが、僕には、分かるんだ。魔法を使う時ではないんだ」
ユカが言った。
「私は、自分がどこまで出来るのか、試してみたいの。この山では、すでに多くの賜物を授かっているけれども、だからこそ、私も全力を尽くしたい」
一行の覚悟や想いは、悪条件のなか、よりいっそうに、逞しくなっていった。




