NO.1 何でこの役?
どうも、淡白 恋音でっす。
テンションおかしいのは、知ってる。
いきなりですが、僕は転生してるようだ。今日の朝、机の角に頭ぶつけて思い出した。これぐらいで、って思う人もいると思うけど、まぁ、こういうのってちょっとしたことで思い出すのだろう。多分。
今は知恵熱で、ふかふかのベットの上だ。めっちゃふわふわ。
そこの君! 頭がおかしくなったとか病院行けとか厨二の病かとか言うなよ! 僕は、いたって冷静でいて、正常である。おかしい奴は皆そういう?じゃあもう信じなくていいよ...。
ここは元の世界ではない。だがしかーし、此処は異世界とか乙女ゲーとかではないのであしからず。いや、ある意味異世界なのか?ここは?
思い出してみるに僕のポジションは、この逆ハー小説の悪役令嬢のようでっす。
そう、此処は小説の中。乙女ゲーとかとは違って、先が決まってるのだ。分岐とか選択肢とかエンディングが変わるとかはないからな。
僕は、イケメン君達に近づく主人公をネチネチ嫌味を述べたりモノを隠したりなどみみっちい苛め方をする奴らののリーダー。そして、最後らへんでイケメン君達にメッタメタに叩かれ暴言を吐かれ、挙げ句僕の母さんの会社を潰されて路頭に迷うという超大雑把なバットエンディングを迎えてしまうんだよな。まぁ、会社が潰れたのは母さんの自業自得なんだがな。驚くことに、普通に隠れて不正してたんだ...。普通にって何だろう。父さんは、実に誠実でいい人だったから、気の毒だったな。まあ、いい人ではあったんだけど、母さんには頭の上がらない弱い人だったからな。こちらも自業自得だったのかも。そして、それに気づけず、周りからどう思われてるか考えたこともなかった頭の軽い僕の役も自業自得っちゃ自業自得だよな。
・・・あれ、でもこれ、今は僕の人生だよね。僕が転生したのに記憶あるってことは、僕のやりたいようにしていいってことだよね。今ならまだ、間に合うだろう。
だって、まだ6歳だしね。特にまだ悪いことしてないもんね。ちょっとは我儘だったみたいだけど。6歳だから許されるよね。
ん? もう高校生あたりだとおもってた?
フフッ、甘いな。チョコレートケーキに間違って粉砂糖をぶっかけたぐらい甘いな!!
ちょっとませた口調になのは、前世を思い出したからです。
享年は、22才でした。早死にですよねー。
原因は、トラックの信号無視のせい。理不尽だっ! もうちょっと、生きたかったぁぁぁぁぁ!! 恨んでいるぞ、運転手!まあ、特に未練があったわけでもないが、これから未練になるものを作る予定だったのだよ。22だよ?普通に80まで生きられるとしたらまだ4分の1しか生きてないよ?
おっと、話がずれたな。
そうだ、今からでも遅くなぁい!
イケメン君達に近づか...、いやこれはフラグだな。普通にしよう。関わらないのはお家柄的に無理だから、普通に、波風立てないように。そして、私自身はどんな状況に陥ってもすぐ自立していけるようにしよう!周りに広く浅く人脈を作りつつ、一人でも生きていけるように。よし、これで行こう!
この転生、誰かの気まぐれなのかすごい特典ついてて、前世の記憶思い出したら勉強な知識入って来た! この世界の神様に感謝しなければな。ありがたやー、ありがたやー。運動神経も良いといいなー。前世はこれでもかってくらい運動好きだったからな。
というわけで、突然ですか、料理人になります。
この身体、身体の大きさに合わず、すっごく料理巧いんすよ。きー、前世ではド下手だったのに。カップラーメンすら作れなかったのが嘘のよう。
料理人とか自分の腕一つでのし上がれるから自立するにはうってつけじゃあないか?よし、これで行こう!
そのためにも、この髪型を直したい。母さんが言うには、金髪のフランス人形風だと言いやがる。ああ、邪魔。なんて邪魔。切りたい。絶対料理するときに邪魔になるよ。
僕本当は、黒髪でストレートなのに。母さんめ!勝手に染めやがって!母さんの趣味を僕に押し付けるでない!
こんな年から、髪が痛んじゃうだろうが!!せっかくのつやつやキューティクルヘアーが!
*
知恵熱が無事直り、二日後。入学式である。
僕の気分?最悪である。
『私立虹ヶ色小学校』(にじがしきしょうがっこう)、この学校はエスカレート式で小学校、中学校、高校と上がっていく。小説の舞台は、高校の『私立虹ヶ色学園高校』の1年から3年の間だ。
はぁ、....もう一度言おう。最悪である。
小説の中に登場するイケメン君達は全員で6人。5人が生徒で1人が先生である。.....可哀相に先生、ロリコンとか奉りあげられるのか。...ふっ、哀れみしかないね。
げふん。僕はすぐに話が脱線するな。
えっとそれで、簡単にまとめると設定では確か小学生のうちにはカリスマ君、オネェ君、堅物君が居て、中学の外部入学で敬語君、ヤンキー君が入る予定だ。先生は、僕たちが中学生の間も高校で先生やってて、僕達が高校に入ると同時に、ヒロインのいるクラスの担任になる。とすると、それなりに年は離れてそうだな。更に哀れみの念が沸き上がってきた。
で、問題は今僕が、小学生になろうとしているということだ。アイツ等いるじゃん! 普通に接するとか言ってたけど、本音を言うとやっぱり出来れば会いたくないよ。僕を間接的に殺すかもしれないやつだよ?会いたくないよ!
だけど、同い年だし、同じクラスになる可能性がある!
この世界の神様、同クラの怖さ分かるかい? ほぼ行動が、一緒なんだぜ!同じクラスだからな!お手てとかつないじゃうかもしれないんだぜ?小1だからな!
それだけは、やめて下せぇ...。神様仏様作者様...。
.....ヤッター、ヤッター、ヤッターマ...じゃなくて。ごめん、ネタが古すぎたね。
見事、皆とは違うクラスになった!私には守護神がついているのかもしれん。
これでしばらくは安心。だがしかし、気づいてしまった僕今ボッチだ。....友達ほしいなぁ-。どこかに友達落ちてないかなぁ。僕、入学式を終えても、クラス表を見に行った時もクラスの中に入っていった時も一切、誰からも、声をかけられなかった。驚くほどに皆、私と目を合わせない。
なんて考えてたらクラスでボーっとしてたら、学級委員長になってました。
.......ふむ。ここは嘆いても仕方ないな。話を聞いていなかった僕が悪い。
すごく、すごーーーーーーく面倒くさいが、やってやろうじゃねぇか! 攻略キャラとは別のクラスになれたしな、それのためっていうんならいくらでも働こう。馬車馬のように!
「よろしくお願いしますわ。皆様」
そっと立ち上がって軽く、しかし優雅に頭を下げる。小学生に上がる前に徹底的に仕込まれたからな。
挨拶言ってみたものの、何故か皆さん驚愕の目でボクのこと見てるんだが。
ははーん、さては、皆僕がやらないって言うとおもったな。お前等が、決めたのにね。こんな、お高くとまってそうな奴が素直にやるのっとか思ってんだろ! あれ? 涙が。
「副委員長君も至らぬ点はあるとは思いますが、よろしくお願いしますね」
「あ、ああ」
こちらも、目を見開いているな。待て、よろしくとは言ったものの、副委員長君の名前覚えていないぞまあいいか、後で聞けば。
僕は席にそっと座りなおした。周りをちらりと見ると皆まだ目を見開いている。目、疲れねぇのかな。あともう一度言うが、お前等が私の了承を得ずに勝手に決めたんだよな。なんで、驚いとんねん。
感想まってます!