始まり
こんにちはこんばんはおはようございます
カイは、落第者だった。
剣も振れない。魔法も発動しない。
ステータスは最低値。
訓練場の隅で、彼はただ「観察」していた。
「おい、また見てるだけか?」
剣士の少年が笑う。
火球を放つ少女も鼻で笑った。
「役立たず」
その言葉に、カイは何も返さない。
ただ、視ていた。
空間の“歪み”を。
――また出ている。
訓練場の中央。
剣士の足元、わずかにズレた座標。
普通の人間には見えない。
だがカイには、それが“ノイズ”として認識できる。
(座標ズレ……0.03。小さいが、再現性がある)
剣士が踏み込む。
その瞬間。
ズレた。
ほんの一瞬、位置が飛ぶ。
「は?」
剣士の体が前に滑るように移動し、バランスを崩す。
カイは走った。
反射的に、手を伸ばす。
空間に触れる。
――そこに“コード”がある感覚。
(ここだ)
歪みの中心。
「……戻れ」
世界が、一瞬だけ静止したように感じた。
次の瞬間。
剣士の体が正常な位置に戻る。
「な、何が……?」
ざわめきが広がる。
教官がカイを睨む。
「今、何をした?」
カイは少し考えてから言った。
「バグを……直しました」
沈黙。
そして、笑いが起きた。
「はは、何だそれ」
「バグ?ここはゲームじゃないぞ」
カイは首を振る。
「違います。これは――」
説明しようとして、やめた。
どうせ、理解されない。
だがその日。
教官だけは、笑わなかった。
「……お前、残れ」
その一言で、カイの運命は変わり始めた。
主人公
カイ
・非戦闘特化
・スキル:《解析》《例外検知》《再構成》
・性格:合理的だが感情は捨てきれない
・初期評価:最底辺




