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誰も知らない 〜日本最高峰の学園は究極のカオス〜  作者: 瀬戸隆平


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59/66

EP58 留置場から学園理事長室へ

レビューで紹介いただきました!

まことにありがとうございます!!

 長い取り調べがようやく終わる。

 身体に縛られた腰縄を刑事が持つ。

 そして再び手錠を掛けられる。

 留置場へ戻された。


 辻獅堂(しどう)は独房に入ると、思い切り壁を蹴り付けた。

 よみがえる取り調べ室での暴言、屈辱。

 額を壁をにつけ、目を閉じる。

 しかし、またすぐに壁を蹴り付ける。

 

 獅堂は廊下を挟んだ向かいの独房を見た。

 独り言をつぶやき続ける白髪男は、もういなくなっていた。

 おそらくは検察に身柄を送致されたのだろう。

 今の獅堂は、あの男の気持ちがわかりそうな気がする。


 しばらくすると職員がワゴンを進めながらやって来た。

 檻の扉の中央に設けられた手渡し口。

 そこからノートと筆記用具が差し入れられた。

 さらに弁護士のアドバイスで発注した弁当も来た。

 紅鮭弁当と、ハンバーグ弁当。

 まともなものを食べていないので2つ頼んでいた。

 どちらもまだ、すこし暖かい。

 獅堂はさっそく弁当の蓋を開けようとする。

 すると職員が、

「おい、これもだ」

 と、これまでと同じ配給弁当の容器を渡す。

「頼んでねえよ」

 と獅堂が言うと、

「頼んでなくても支給は行われるんだ」

 と押し付けるように渡す。

 獅堂は渋い顔で受け取る。


 発注した2つの弁当。

 ようやく暖かい食事を口にする。

 その味が体に染みわたる。

 獅堂は2つとも一気に平らげた。

 しかし支給の弁当だけはどうしても口にする気になれない。

 ふたも開けず、そのまま返した。

 食べ物をそのまま返す罪悪感。

 こういう場所にいる限り、それが続く。


 食事後はトレーニングに励む。

 1時間半にわたって腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット、柔軟を繰り返す。

 

 それが終わると本日の取り調べの様子を詳細に記録した。

 記載するたび、屈辱、怒り、恐怖がよみがえる。

 これが明日も続く。

 いずれは心が折れるか、精神が破壊されてしまうだろう。


 そして就寝時間。

 かび臭い布団を敷いて、中に入る。

 また体にかゆみを感じる。

 不快感が体じゅうにまとわりつくが、いろいろな疲労で眠りはほどなくやってきた。


 翌日の早朝、職員がワゴンを持たないままやってきた。

 朝食には少し早い。

 獅堂の独房の鉄格子のカギを外し始める。

 ドアを開けると、職員が言った。

「釈放だ。外に出ろ」


 獅堂には警察署に預けていたスマートフォンと現金が渡される。

 そして警察署の出口まで付き添われ、外に送り出された。

 他に何の説明もなかった。


 スマートフォンを見ると、学校から着信が入っている。

 掛け直し、自分の名前を名乗ると、すぐに1年生の学年主任・成田隆弘に転送された。

 電話口の成田主任が言う。

「土曜日は無断欠席だったね。学校に来たら事情を聞かせてもらいたい。授業は出なくていいから」

「わかりました」


 獅堂は急いで家に戻りシャワーを浴びる。

 紺色のポロシャツ、ブラウンのチノパンに着替え、学園に向かう。

 呼ばれたのは理事長室である。

 木造の立派なドアをノックすると、さっきの電話と同じ声で

「どうぞ」

 と返事がある。

 ドアを開けて入ると、中は広々とした20畳ほどの部屋だ。

 大きな机と重厚な椅子に座る渡邉英司理事長。 

 その傍らに経つ成田主任。

 理事長が椅子にもたれ、肘置きに手を置きながら言う。

「君が辻獅堂くんか?」

「はい」

「神奈川県警から君について連絡が入っている」


引き続きどうぞ、よろしくお願いいたします。

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