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誰も知らない 〜日本最高峰の学園は究極のカオス〜  作者: 瀬戸隆平


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EP43 警察を介入させますか?  

お読みいただき、まことにありがとうございます。

 加害者は不明、被害者は未成年、生命に支障なしということで、この事件はマスコミには流れなかった。

 しかし早朝に登校した生徒の何人かが、ボロボロになった生徒会長の姿を見ていた。

 そのため、このスキャンダルは、あっという間に学園中を駆け巡った。


 学校内で生徒会長が何者かに襲撃され半殺しにされた。

 犯人は誰か。


 それは学園中の興味の中心となった。

 

 「1年6組が怪しいわね」

 1年1組のクラス委員・速水優芽が言う。

 入学式で首席の挨拶をした女子生徒だ。

 身長162cm、豊かなバストにスリムな体、ボーイッシュなショートカット。

 意志の強さが現れたようなキリッとした眉毛、黒く大きな瞳。

 男子生徒はもとより、女生徒からは圧倒的な支持を受けている。

 熱烈なファンや信奉者も多い。

 その一人が、いま話を聞いているクラスメイトの畠田佳恵だ。

 彼女自身も学園5位の秀才だが、1位を守り続ける優芽の親友でもある。

 外見は優芽と正反対のロングヘア、たれ目とエクボが愛らしい顔だちだ。

 佳恵が言う。

「怪しいって、どこがですか?」

「6組は5組に勝利し、同時に5組のクラス委員と仲間が退学に追い込まれた。6組は今度は4組を逆転しようとしている。そのタイミングで生徒会長が襲撃された」

「でも、6組と生徒会長を結びつけるのは、無理があるような…」

 佳恵が笑みを浮かべながら言うと、優芽は、

「それがそうでもないのよ」

 と言って、顎をさすり、こう続ける。

「いろいろな筋が、裏で1年6組を探っているようなの」

「いろんな筋って?」

「噂だから、確かなことはわからない。でも調べてみる必要はありそうね」

「そうですか?」

 佳恵は頬づえをつき、興味なさそうだ。

 しかし優芽は力強く言う。

「真相を明かしましょう。あなたも協力して」

 佳恵はため息をついて、言う。

「わかったわ。優芽は言い出したら、誰にも止められないものね」


 優芽はまず高等部1年・学年主任の成田隆弘にメールで連絡を取り、会談を申し込んだ。

 成田は自分の担当教科である社会科の資料室を指定した。


 紺色のジャケットにグレーのスカート。

 落ち着いた服に身を包んだ優芽がドアをノックする。

「どうぞ」

 返事をする成田。

 グレーのスーツに水色のネクタイ、銀縁の眼鏡。

 模範的な教師のいでたちである。

 一礼して入って来た優芽に、成田が言う。

「狭い場所で申し訳ないね」

 社会科資料室には地球儀や縄文土器や埴輪のレプリカなどが所せましと置かれている。

 優芽が言う。

「いえ、会話を誰にも聞かれたくないので、ちょうどよかったです」

「穏やかじゃないね」

 苦笑いする成田。

「私からの相談があった時点で、それはわかっていたはずですよ」

「こりゃ、まいったな」

 成田が頭をかく。

 そしてこう続ける。

「君の一族は保守系与党の重鎮だものな。わが校も存在を無視できない。まあ、それはさておき、話を聞こうか」

 優芽は不敵な笑みを浮かべる。

 そして、こう切り出す。

「大泉裕一郎生徒会長の殺人未遂事件……と言っていいのかしら、あの一件、怖いですよね」

「ああ。県の警察も動いているし、どうやら警視庁の捜査一課も動き始めているようだ」

「でも、学校内に警察官は入ってきてませんよね?」

「ああ、わが校には各界の重要人物の子息が数多く通っているからね。彼らも土足で踏み込むような捜査はしてこない」

「でも容疑者はおそらく生徒ですよね」

 成田は右の手のひらをあごに当て黙り込む。

 優芽が続ける。

「特に1年6組は怪しいと思いますよ」

 成田は声を絞りながら言う。

「確かに6組は成績不振の生徒たちだけではなく、訳ありの生徒も送り込んでいる。私でさえ詳細をつかめない、得体のしれない者がいることも事実だ」

「だから…」

 優芽が鋭いい視線を成田にぶつけて、こう続ける。

「調べる必要があります。6組には警察の捜査をいれるべきです」

 成田が右手を額に当てて、うつむく。

 そして言う。

「しかし校内に警察を入れると、校内に大きな影響が出るからなぁ…」

 優芽は少し声をひそめて言う。

「でも大きなダメージを受けるのは6組の生徒でだけしょう」

 さらにこう続ける。

「どうせ半分以上は退学になるんだから、全員つぶれたところで学校に影響は出ませんよ」

 成田は思わず優芽の顔を見る。

 彼女は涼しい微笑を浮かべている。

 成田の目は見開き、口は半開き。

 声を出すこともできなかった。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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