6話
その後、婚姻は解消されないまま第5王子のそばで政務に励んでいる。第5王子は無事意中の方と一緒になられ仲睦まじくされている。旦那様と私は陰で裏切者と罵られているが、きちんとみてくれている人はいるもので第5王子に忠誠を誓っている人の中に私たち夫婦を蔑む人はいない。忙しいが満ち足りた日々をすごしている。
ただ............
ただ......
ただ......旦那様が意外にも優しくて、かっこよくて困っている......
とろけそうな眼差しで見つめられれると勘違いしてしまう.......
一体旦那様はどういうつもりだろうか。どうしてまだ私をそばにおいてくれるのだろうか。エスコートされるたび、目が会うたび、自分の心臓が跳ねるのがわかる。もうすぐ旦那様と結婚して二年がたつ......
ここ一週間鬼気迫る勢いで仕事をしていた旦那様。今日は珍しく二人ともお昼で仕事が終わった。
「ソフィー、寄りたい場所がある。」
そう言って連れていかれたのは第5王子が挙式を挙げた教会の一部屋。中には最近仲良くなった王妃様つきの侍女たち。部屋へ入るや否や着ぐるみ剥がされ身体を清められ化粧をほどこされる。
「さあ、できましたわ!!常日頃、もったいないと思っていましたの。」
そう言って姿見の前に連れてこられる。中にはいつもより数段に綺麗にしてもらった私がいる。
「さあ、おまちかねですよ!!」
扉をあけると正装した旦那様が立っていた。何がなんだかわからないまま教会の外の庭へやってきた。
「ソフィー、あなたにとっては不本意な結婚だったかと思う。けれど私にとってはずっと手に入れたくてたまらなかったあなたが私のものになってたまらなく嬉しかった。」
「....っえっっっ!!?」
「一度は守れなかったが、二度はない。必ずあなたの事を大切にする。愛してる。私とこれからも一緒にいてほしい。」
......私は夢もみているのだろうか。せっかく綺麗に化粧をしてもらったのに涙がとまらない。
「アルディ様っ!!わたっ、私は初婚ではありませんし、前夫と夜を共にした事もございます。綺麗な身ではございません。本当は、あなたには私よりももっと釣り合う方と添い遂げられた方がよいのではないかとずっと思っておりました。」
「あなたはどこも穢れてなどいない。そして私が欲しいのはあなただけだ。私では嫌か??」
「っあなたがっ、あなたが私も欲しいです。ずっと、ずっと私もお慕いしておりました。」
教会の入口にたち扉を開ける。そこには沢山とはいかないが、私たちにとって大切な人が集まってくれていた。大切な人たちに見守られるなか私たちは「永遠」を誓う。病めるときも健やかなるときも、共に手をとり支えあいながら歩んでいきたい。
一度は諦めた人生。底の底から這い上がれずにいたけれど、足掻いた先には辛さなど吹き飛ぶ程の幸せがあった。




