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第五章 覚醒 第七節 鎌鼬 第三話 親子

第五章 覚醒 第七節 鎌鼬 第三話 親子




今度は、僕が囮になるよ。蒼也は言った。


駄目だ、また、刺されたらどうする?蒼真は言った。


刺されない速度で立ち向かう。大丈夫、天狗の練習で培った速度が、僕にはある。


お前に何かあったらどうする?親失格だぞ。


じゃあ失格にならないよう、お父さんが見守ってよ。


見守るっていっても、葛の葉がいないから、テレパシーは使えないんだぞ。


テレパシー以上の意思伝心が僕らにはある。


親子という、絆が僕らにはある。


お父さん、葛の葉の仇を、僕らで取ろう。


もう、僕は子供じゃないよ。それは、お父さんも分かってるでしょう?


蒼真は、黙ってしまった。


お父さん、時間が勿体無い。さっきの公園に に戻ろう。


犯人は元の場所に戻るというのを聞いたことがある。駄目元で戻ろう!


蒼真は、蒼也の気持ちに答えてやりたかった。


危ないと感じたら、作戦は、すぐに中止するぞ。分かったよ、父さん。そして、信じてくれて有難う。


蒼真と蒼也は、先ほどの場所に戻った。そして、犯人が近づいてくるのを待った。


1分が1時間位に感じた。


いろいろな気持ちが混じり合い、胸が張り裂けそうだった。


落ち着け...集中しろ...


蒼也は、何度も自分に言い聞かせた。


蒼也の隣を、警察官が走り去っていった。


どうやら、隣の公園らしい。


蒼也は、ハメられた。と思った。


犯人の笑い顔が目に浮かんだ。


父さん、ごめん。僕が元の場所に戻ろうと言ったから、犯人は隣の公園にしたんだ。


帽子...帽子は、まだ、同じ帽子なのかな?


どんな帽子だった?


ハンティング帽子だったよ。


顔を隠して深く被っていた。


蒼真は、隣の公園に向かって走り出した。


ハンティング帽子...いるか?


...いた。ハンティング帽子を深く、被っている人がいた。


父さん、僕の代わりに、職務質問してくれる?


あぁ...


蒼真は、討魔庁の者です。


お話し聞かせて下さい。


その瞬間、男は鎌を取り出し、父を刺そうとした。


蒼也は走って影縛りを行った。男は蒼也に大量の鎌をなげつけてきた。


蒼也は、全て刀で受け止めた。


カキーンカキーン。


男は影縛りをしている刀を抜き、急いで走り、空を飛び、反対車線の向こう側に飛び移った。


蒼也も空を飛んだが、間に合わなかった。


男は止めていた自動車で逃げた。防犯カメラから、ナンバープレートが分かったが、盗難車だった。用意周到の犯人だった。


いや、かまいたちだった。


妖がそこまでやるだろうか?蒼也は思った。鎌鼬の後ろには、何か、巨大な影の組織がいるのではないか?蒼也は、不安と混乱が入り混じり、悔しい気持ちで精一杯だった。


蒼真と蒼也は、帰宅前に、葛の葉の様子を見にいった。医師からは、一週間位で退院出来ると言われた。


また、来るね。蒼也は、葛の葉なな一言告げ、拳を握りしめた。


その頃、ビルの屋上から、不気味に微笑んでいる男がいた。


「作戦通りだ...さて、次のフェーズに移ろう...」


「九尾を失ってなお、この強さか。」


「神代蒼也……予想以上に成長している。」

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