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第1話魔物のハンバーガー屋で新人地獄

「んん……なんか騒がしいな……」

目を開けると、ハンバーガー屋さんのお店の中にいた。

「え???ここはあれ??俺がレジ前に居るってことは……」

レジ前には長蛇の列ができている。

お客さんが俺に向かって「店員さん注文いいかね?」と言ってくる。

俺、天峰電斗、高校二年生。

突然視界に青いステータス画面が浮かび上がった。

【接客神の加護が発動しました!】

【固有スキル「神速レジ打ち Lv.1」獲得!】

【固有スキル「鉄壁営業スマイル」獲得!】

【隠しスキル「負けず嫌い接客モード」発動中!】

(……は? 接客スキルばっかじゃねえかよ!)

頭が真っ白になる中、俺の負けず嫌いな性格が燃え上がった。

(ふざけんなよ。こんなスキルでも、俺が一番になってやる!)

体が勝手に動き、口が勝手に開いた。

「いらっしゃいませー! 当店で召し上がりますか?」

最初の客(良いお客さん)

小さな角の少年ゴブリン。

「ハンバーガー一つとポテトSでお願いします……」

「かしこまりました!」

少年は商品を受け取って、ぺこりと頭を下げた。

「ありがとうございました! おいしそうです……」

心が少し温かくなった。

しかし、すぐに最悪の客が来た。

最凶の悪いお客さん

ドンッ!とレジを叩いた大柄なオーク。

「おい新人! ハンバーガー5個全部チーズ多め、ポテト大盛り、ドリンク特大! さっさとやれよ!」

タメ口全開のクソ態度。

(この牙曲がり野郎……!)

内心でブチ切れながらも、俺は笑顔を崩さなかった。

「かしこまりました!! チーズ多め5個、ポテト大盛り、魔力回復ドリンク特大ですね!」

オークが注文を三回も変えてきたが、【神速レジ打ち】が発動。

カカカカカカッ!!

指が残像を残す速度で対応し、30秒で完成させた。

「大変お待たせいたしました!! 熱々です!!」

オークは袋を乱暴に掴んで吐き捨てた。

「ったく遅ぇよ」

……やっぱり「ありがとう」はない。

俺の負けず嫌いが爆発した。

【負けず嫌い接客モード】全開。

「ありがとうございました!!!

本日は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます!!

またのご来店を心よりお待ちしております!!!」

オークが一瞬たじろぎ、

「……チッ。まぁ、悪くねえな」

と舌打ちしながら去っていった。

(よっしゃ! 小勝ちだ!!)

その後も良い客と悪い客が交互に来店し、俺は【鉄壁営業スマイル】を張り続け、30分で120人以上を捌ききった。

厨房から牛頭の店長が出てきて豪快に笑った。

「電斗、お前やるな! 新人でこの成績は久々だぞ」

俺は紫色の魔物の顔でニヤリと笑った。

「当然です。俺、負けるのだけは死んでも嫌いなんで。

この魔界のバイト、全部制覇して最強になってやりますよ」

第1話 完

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