飛
せつなさんと別れてから、15分ぐらいで家に着いた。
20時前だった。父はまだ帰ってきていない。
僕は簡単に作った夕飯を食べ、風呂に入り、ベッドへダイブした。
この夜、僕は夢をみた。木がたくさんある場所…幼い僕は手を伸ばしている。僕の前には、少しずつ遠ざかっていく人の姿…(待って!何処へ行っちゃうの!?)僕を置いていくようだ。
ハッとして、僕は起き上がった。大量の汗をかいている。(なんだこの夢は!?)僕は汗をふいて、落ち着く為に水を飲んだ。
再び寝ようとしたが、寝つけなかった。
次の日、あくびをしながら学校へ行った。
あと何日かで夏休みである。
クラスのみんなは、バカみたいに騒いでいた。とてもうるさかった。
そして、全く待ち望んでない夏休みが来てしまった。
修了式の帰り、ふとこの間のことを思い出した。
(せつなさんいるかな?暑いし、涼みに行ってみるか。)
僕は森に行くことにした。
やっぱり、森は涼しい。時間がゆっくり流れている気がする。何処からか水が流れる音も聞こえる。
僕は一応、せつなさんが寝ていた木を見上げた。
まぁ、いないでしょ。とか思っていたのだが、せつなさんはまた木の上にいた。今日は、誰かと話してる…?
せつなさんは僕に気づいたのか、こっちを向いた。
『あっ朔!ハロー!叫びたくなった?』せつなさんは、手を振っている。
「こんにちは、せつなさん。いや今日は涼みに来ました。あの~?誰かと話してたんですか?」僕は礼をした。
『あっ。このこ。かわいいでしょ?』せつなさんは、小鳥を僕に見せた。
「鳥ですか?…鳥と話せるんですか!?」僕は、驚いた。
『違うよー。話しかけてただけ。凄すぎるでしょ鳥と話せるなんてっ!』せつなさんは笑った。
「ですよねっ」
『こっちおいでよ!』
僕はなんとかして、木に登り2人で話していた。
「僕は、夏休みが嫌いなんです。まず、することなくて、ヒマでヒマで。おかげで宿題はすぐ終るし、ゲームも飽きてテレビも飽きて、外は暑いし出たくない。もちろん、遊びに行こうなんて誘ってくれるやつもいないので…。一人でいるのは、好きなんですけど、期間が長すぎます。夏休み無くなんないですかね?」などなど…。
そして、ふと我に返った。
「すみません。僕めっちゃ話してました…。つまんなかったですよね…」僕は反省した。
『ううん。楽しいよ?中学生ってこんな感じだっかなー?とか懐かしくて…。』
「そ、そうですか…?」下を向く僕にせつなさんはこう言った。
『じゃあまた今度、私の話聞いてくれる…?』
そして、せつなさんは小鳥を優しく放った…。




