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甘党探偵月影ましろ〜人魚姫にトリックスター〜  作者: ツキノ
3章 クトゥルーの呼び声〜目覚めた水の邪神〜
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12話 ルムル=カトゥロス

「つい、たぁ……!」

「このくらいの階段で息を荒げるとは……。少しくらい運動したらどうだ?」


 螺旋階段最上階。息を整えるましろを他所に、鴉と榴姫は平然としている。

 来夢が箒から降りてましろの隣に立った。


「フハハハ!ここまでよくぞ来たな、物語ソネットハンターたちよ」

「おい、やめろ!それはボクのセリフだぞ!」

「誰?」


 最上階の中央に佇むのは2人。1人はスーツの上から怪しげなローブを見に纏っているメガネの男性。もう1人はスーツだが下はハーフパンツ。ハイソックスにローファー。学生のような出立ち。


「よくぞ聞いてくれた!我が名は加藤!アトランティスの神官王にし、平日はただのサラリーマン!クトゥルー様の精神を具現化することを命じられた存在である!」

「カトゥ!ボクの部下という自覚があるならセリフを取らないでおくれよ!」


 小さい方は背伸びをして加藤を怒っている。……どうやらこの小さい方が、ましろにテレパシーで呼びかけてきたクトゥルーのようだ。


「クトゥルフ教団の神官ですこと?ルルイエを浮上させてクトゥルーを呼び起こした……。これから一体何をするつもりですの?」


 来夢が問い掛けると、加藤はメガネを押し上げて答えた。


「いや、クトゥルー様の精神を具現化させた後は何も考えてない。……とりあえず、流れでバトルでもする?」

「その、貴方が手にしている本がルルイエ異本という魔導書なんですか?」


 ましろが質問すると、加藤は頷く。


「如何にも。ただ、君たちは何か勘違いしているな。これは魔導書ではなく、代々受け継がれてきた我々のクトゥルー様信仰日誌のようなものだ。魔導書はこちらの水神クタアトだな」

「両方本部に持ち帰ったらクトゥルフ研究に役立ちそうだな。寄越せ」


 鴉がロングソードを加藤へと向ける。

 加藤は高く笑い、本を片手に両手を広げ、怪しげな呪文を唱えた。


「いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!ふんぐるい!むぐるうなふ!くとぅるふ!るるいえ!うがなぐる!ふたぐん!」


 クトゥルーが青い光に包まれる。どうやらクトゥルーに対する強化呪文か何かのようだ。


「さあ、クトゥルー様、一緒に戦いましょう」


 加藤に力強く言われたクトゥルーは首を傾げた。


「え?ボク、物理攻撃出来ないよ?」

「な、なんですとー!?」

「ボクの得意技は夢でのテレパシーだよ?化身は精神体や人間の夢を介しての顕現するものが殆どだし。ベヒーモスとかコラジンとか。封印が解かれて物理的に顕現できた星の落とし子たちは茹でられちゃったしなぁ……。うう、たこ焼きなんて嫌いだ!ゲテモノ食いの人間め!!」

「で、では、真のお姿を……」

「やだよ!まだ四天王の誰も人間如きに真の姿を晒してないんだろう?カトゥ1人で戦って」

「ええー!?私が戦わないとダメなんですか!?4人も相手に出来ませんよ!!私、ちょっと水魔法が使えるだけのただのサラリーマン!!」

「クトゥルーはやる気無し、リーマンもやる気無し?どうするのましろクン?」

「うーん……。とりあえず、加藤さん?逃げた方がいいですよ」

「はい?」


 ましろが忠告した直後、加藤は飛び退く。鴉の闇魔法が加藤の居た場所を貫いた。


「ああ!螺旋階段の最上階だから逃げ場が少ない!!」

「クトゥルーの精神を具現化させてからは何も考えてないってのはマジのようね」

「とりあえず、一旦引いて作成を練り直すことにします!一緒に来てくださいクトゥルー様!!」

「ええ?ああおい……!!」


 加藤は本2冊とクトゥルーを小脇に抱え、螺旋階段の最上階から黒々とした水面へと向かってダイブした。


「……なんだったんだ、一体」

「さぁ……」


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