91話 取り戻したスキル
「とりあえず、あれからどうなったのか、状況説明を教えて?」
アラヤは顔を洗って意識をはっきりさせると、現状を把握する為に5日の間に何が起きたかを聞く事にした。
「アラヤ君が意識を失ってからは、【弦月の牙】の方々とは、クエスト中断報酬を渡した後に解散しました。彼等はその後、翌日の王都行きの馬車の護衛によりデピッケルを出ています」
「そっかぁ。お別れの挨拶したかったけど、仕方ないね」
彼等とは、またの機会がある気がするから、その時で良いかな。
「ゴウダとヴェストリ商会のその後は、重傷だったゴウダを、ヴェストリが一時的に回復させてから大罪教団に連れて行ったようです。部下の話だと、ゴウダは鑑定可能になってたらしく、調べたところ強欲王の職種が商人に変化していたらしいです」
「魔王じゃ無くなったの⁈職種が変化する事が稀にあるのは聞いてたけど、魔王も変わるんだ⁈」
「そうみたいですね。教団も、魔王でなくなったゴウダの面倒は見ないらしく、ヴェストリ社長が引き取る事になりました。と言っても、ゴウダを含めた誘拐犯達は牢獄行きになりましたけど。社長も、鑑定を奪われた被害者達への賠償に、私財を投げ売りしているらしいです」
「まぁ、自業自得だよね」
各地で鑑定士が不足していたのも、勇者がカオリさんの居場所を分かったのも、裏でゴウダが画策していたようだ。ズータニアに渡った勇者も、ゴウダの情報を追って渡って行ったようだし。
「そういえば、ソーリンは?」
アラヤが起きた時も、部屋に姿が見当たらなかった。
「2日前に、ソーリン君はガルムさんとヤブネカ村へと向かいました。村へ向かうのは来月だったのですけど、ガルムさんが便器の件でメリダさんに話があるらしいです。ソーリン君も他に用事があると言ってました」
まぁ、いつ起きるか分からない俺を待つほど、ガルムさん達は暇じゃ無いだろうからね。
「それで、【土竜の帽子亭】の期間は何日ほど延長したの?」
アラヤは5日分しか借りていなかった為、5日も寝ていたのなら、延長していないと追い出されているはずだし。
「延長は再び5日伸ばしました。アラヤ君が、いつ起きるか分からなかったので」
「そっか、ごめんね。それなら、まだ日にちがあるね」
「はい。でも、宿屋暮らしは高く尽きますので、早いうちに良い物件を見つけたいですね」
日にちが無いとはいえ、高い買い物だからちゃんと選ばなきゃいけないね。
「それじゃあ、そろそろ自分を鑑定するよ。アヤコさん、記録をお願いね?」
「はい、大丈夫です」
アヤコは、黒革の手帳と万年筆を取り出して、聞き逃さないように集中する。
横に居たカオリが、万年筆を見て羨ましいそうにしていたが、彼女はアラヤだけに集中していて気にもならなかった。
アラヤ=クラト
種族 人間 男 age17歳
体力 562/562
戦闘力 326/326
耐久力 283/283
精神力 191/191
魔力 321/321
俊敏 284/284
魅力 67/100
運 31
状態 正常
職種 暴食王LV 3
技能 捕食吸収LV 2 鑑定LV 5 隠密LV 3 魔導感知LV 3 身体強化LV 4 精神耐性LV 3 物理耐性LV 3 全属性魔法LV 3 保護粘膜LV 1 一点突貫LV 2 言語理解LV 4 亜空間収納LV 1 魔法耐性LV 2 威圧LV 3 剣技LV 2 槍技LV 2 弓技LV 2 自己再生LV 1 毒耐性LV 2 集団引率術LV 2 体温調節LV 1 感覚補正LV 2 感覚共有LV 2 念話LV 3 魔爪連撃LV 1 ポイズンバイトLV 1 超嗅覚LV 1 超聴覚LV 1 望遠眼LV 1 超音波LV 1 魔力粘糸LV 1 竜鱗防御LV 1 暗視眼LV 2 鈍感痛覚LV 2 絶倫LV 1 溶解耐性LV 1 強化胃酸LV 1 操縦士LV 1 脱皮LV 1 熱感知LV 1 超集中LV 1 平行思考LV 1 料理LV 1 痕跡視認LV 1 罠解除LV 1 瞬歩LV 1 熱耐性LV 1 盲目耐性LV 1 即死耐性LV 1 バルクアップLV 2 交渉術LV 1 魔術の素養LV 1 全属性中級魔法LV 1 調教LV 2 酒豪LV 1 脳内マップLV 1 念写LV 2 コールLV 2 メッセージLV 2 念動力LV 1
特殊技能 【弱肉強食】LV 2 【技能与奪】LV 2
熟練度レベルが上がっているのは、下位互換の技能が経験値として吸収されたからだろう。(精神耐性←混乱耐性等)
ステータス自体もかなり上がっている。職種レベルが上がったボーナスだろうか。
「す、凄い数の技能だね!」
「この技能与奪って、ゴウダの特殊技能じゃないのかな?」
「もうちょっと、詳しく鑑定してみる」
【技能与奪】主従関係にある対象の技能を与奪する事ができる。使用する毎に所持している技能の熟練度経験値が減少する。(使用回数は、対象一人に複数の与奪で一回となる)
分けて与える場合には、熟練度レベルが2以上でなければならない。(分け与えた場合は熟練度は半分となる)
「やったね、これでアヤコさんに技能を戻せるよ!」
これで、ゴウダから奪われた彼女の技能を、丸ごと奪い返せた事になる。
「ちょっと待ってください。その技能を使うと、アラヤ君の他の技能の熟練度まで下がってしまいます。鑑定だって、LV 5ですよ?魔王や勇者が鑑定できるレベルじゃないですか。下げるのは勿体無いです!」
ゴウダの鑑定LV 4に、自分のLV 3が足された結果でLV 5になったのだろうけど、勿体無いと考えるのは、何の為にかで変わると思うんだ。
「下がったら、いっぱい使用して経験値で上げれば済む話だよ。アヤコさんが技能を無くしたままでいる事に比べたら、大して勿体無くないさ。それに、先にカオリさんを鑑定すれば、後はLV 5で使用する機会なんて無いだろうさ」
魔王や勇者とは関わらない生活を送っていれば、LV 5である必要は無いのだから。
「い、今なら、私のステータスを鑑定できるの⁈」
「そうだね、今ならちゃんと見れる筈だよ」
色欲魔王であるカオリさんの鑑定を、早速試してみる。
カオリ=イッシキ
種族 人間 (ハイヒューマン) 女 age 17
体力 138/138
戦闘力 86/86
耐久力 79/79
精神力 153/153
魔力 453/453
俊敏 172/172
魅力 51/100
運 42
職種 色欲王
特殊技能 【愛欲見返】 対象に性的行為をする事で、対象の技能の全てを一定時間借りる事ができる。(行為内容により効果時間は異なる)
技能 カメラアイLV 2 言語理解LV 2 全属性魔法LV 2 全属性中級魔法LV 2 魔法耐性LV 1 毒耐性LV 1 睡眠耐性LV 3 腐敗耐性LV 3 即死無効(術が効果中の為) 体温調節LV 2 魔術の素養LV 1 2属性合成LV 1 ダブル魔法LV 1
「こ、これが私のステータス!知らない技能もあるわ!」
渡された手帳の切れ端を見て、凄いわと興奮している。確かに、即死無効って凄いよね。これって、術の効果が消えたら一緒に消えそうだけどね。
「とにかく、これでアヤコさんに技能を渡せるよ。元あった技能はもちろんなんだけど、無属性魔法は吸収されたみたいだから、全属性魔法として渡すよ。他に欲しい技能は無い?」
「はい、本当は自分が持っていた技能だけで充分と言いたいですけど、弓技を分けて頂けたら嬉しいです。吹き矢では範囲が狭く、サポートの限界を感じてましたので」
「うん、分かった」
本当はまだ欲しい技能があると思うんだけど、遠慮しているんだろう。
特殊技能技能与奪を使用して、アヤコさんには、元の技能(無属性魔法は全属性魔法に)に弓技を加えて渡した。
アラヤの技能から念動力が消え、全ての熟練度レベルが1つ下がる事となった。(LV 1はそのまま)
いろいろあったけど、アヤコさんに技能が戻ってきて本当に良かったよ。




