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41 僕と姉さんと添い寝

本日6話目。



「むー・・・たっくんばっかりずるい!」


茜姉さんが僕の方をみてそう言う。

とはいえ・・・


「仕方ないでしょ、茜姉さんがお風呂に入れたから警戒しちゃったみたいだし・・・」


そう・・・茜姉さんが嫌がるこの子を風呂に入れてからこの子は茜姉さんに警戒して僕の方にすり寄ってくるようになったのだ。


なお・・・一度裸の茜姉さんが風呂場から脱走した猫を追いかけて一波乱あったのは言うまでもないだろう・・・


「とりあえず猫用品は明日僕が買ってくるとしても・・・この子の今日の寝床をどうしようか」


「私一緒に寝たーい!」


ビクッと僕の膝の上で震える猫を撫でて落ち着かせてから僕はため息をついて茜姉さんに言った。


「本来ならそうしたいところだけど・・・さすがにこんなに怯えていちゃ無理でしょ?」


僕としても出来れば茜姉さんにお願いしたいところだけど・・・僕の膝の上で頑として動こうとしないこの子を見ると流石にそんなことは言えない。つまり必然的に僕がこの子と一緒に寝ることになりそうなんだけど・・・そうすると茜姉さんの機嫌が悪くなるだろう。さて・・・上手い落とし所はあるかな・・・


「むー・・・あ、じゃあ、たっくんと一緒に寝るよ!」


「・・・はい?」


茜姉さんの言葉に僕は首をかしげる。おや?聞き間違いだよね。まさかそんなこの年になって添い寝をすると言ったわけじゃないよね?


「たっくんとその子と一緒に寝るよー!」


・・・OK。聞き間違いではなさそうだった。

ていうか・・・


「いやいや、さすがにこの年で一緒に寝るのはどうなの?」


お互いに恋人がいる健全な姉弟なので間違いがおこる可能性は100%ないが・・・流石にこの年で姉と一緒に寝たらかなり重度のシスコン認定されるのは間違いないだろう。

・・・え?いまさらだって?いやいや、さすがにこの年で一緒に姉と寝るのは抵抗がありますよ。お風呂と寝ること以外ならある程度許容範囲な僕でも出来ないことはあるので頑として反対をします。



・・・結果的にこうなりました。


「ふふ・・・たっくんと一緒に寝るなんて何年ぶりかな?」


「にゃー」


僕の部屋のベッドの上に茜姉さん、猫、僕の順で寝ている。うんまあ、完全に茜姉さんに勢いで押された感じだけどね。 ええ、負けましたよ。やはり弟というのは姉には勝てないよね。ジョブ的に負けフラグしかないのはわかっていたけどもね。


「ねぇ・・・たっくんは瑠璃ちゃんのこと好きなんだよね?」


流されやすいチョロい自分に呆れていると茜姉さんが唐突にそんなことを聞いてきた。ベッドの上で姉と恋ばなする弟って・・・と思いつつも僕はそれに答える。


「もちろん。僕は瑠璃さんのこと好きだよ」


「そうだよね・・・よかったぁ・・・」


安堵するようにため息をつく茜姉さん・・・はて?


「どうしてそんなこと聞いてきたの?」


「んー・・・お姉ちゃんとしても弟と未来の義妹の心配はしているからねー」


「そうなの?」


不思議そうに首を傾げる僕に茜姉さんさ「当たり前だよ!」と言ってから優しげに言った。


「可愛い弟には幸せになって欲しいっていうのがお姉ちゃんの願いだからね」


・・・やっぱり茜姉さんは優しいと思いつつも僕はなんとなく照れ臭くて話題を反らーーー


「そ、そういう茜姉さんは正一さんとは・・・って聞くまでもないのかな?」


ーーーそうとして、失敗したことに気付いた。

見れば爛々と目を輝かせている茜姉さんの姿が・・・あ、地雷だったという気持ちを抱きながら結局、僕は朝方まで茜姉さんと正一さんのラブラブなストーリーを延々と胃もたれするぐらい聞かされた。

内容は・・・色々ありすぎて話したくはない。ただ糖分が高めだったよ・・・うん、まあ、僕と瑠璃さんもかなり甘い関係だと思っていたけど、上には上がいるもんだよね。


そうは思いつつもなんだかんだで幸せに正一さんとの出来事を話す茜姉さんに弟として安堵を覚えたので、自分のシスコン具合も大概だなーと思いましたよええ。なお、猫はその間丸まって静かに寝てました。





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