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閑話 雲雀瑠璃の逆鱗に触れたこと

本日2話目です。

シリアスは短めにしか書けない作者の癖がつい・・・

朝・・・通学路で賑わう表の道ーーーから外れた裏路地・・・そこで雲雀瑠璃はため息をついた。


「まったく・・・馬鹿な奴等ね」


「「「ぐうう・・・」」」


目の前には愚かにも瑠璃を路地裏へとつれていき・・・見事に返り討ちにされた数名の女の姿が。

そんな馬鹿な連中に対して瑠璃は憐れみの視線を向ける。


「朝からおかしなことしなければ痛い思いをせずにすんだのに・・・」


そう言って瑠璃はどこからか出した・・・爪切りに似ているがまるで違う用途不明の物体を目の前の女性の一人に突きつけて言った。


「で?誰のまわし者なの?」


「・・・・・・」


瑠璃のその問いかけにふいっと首ごと顔を横見向けて沈黙を貫く女・・・だったが、次の瞬間に左手を襲う痛みに思わず顔を戻した。


見ると、自分の手を靴底で押さえる瑠璃の姿が・・・


「この靴ね。特別製なの。かかとの部分が金属製で・・・先端を尖らせて、少しの力でも・・・そうね、人間の指くらいなら庖丁で野菜を切るくらい簡単に切れるのよ」


「じょ、常談だろ?」


「試してみましょうか?」


そう言って足に力を入れそうになる瑠璃に女は慌てたように言った。


「ま、待ってくれ!あたしらは頼まれただけだよ!あんたを路地裏へと連れて時間を稼げって!」


「誰に?」


「ぶ、舞屡隊(ブルー隊)とか名乗っていたけど・・・」


「そう・・・」


予想通り回答に瑠璃は嘆息する。


ここ最近になり、『烈兎隊』に対して敵対行動を見せていたとあるレディース集団・・・それが『舞屡隊』という組織であり・・・幹部の一人である真由美が情報を漏らしたとされるのもその組織なのだ。


「他は?」


「へ・・・?」


「他には何かないの?」


静かだが底冷えするほどの圧力の口調の瑠璃に、女は恐怖して・・・言ってはならない内容を思わず口にした。


「あ、あんたを誘き出した後にあいつらがあんたの彼氏を拉致る予定・・・がっ!」


最後で言い切る前に瑠璃は指を折る勢いで押し潰した。


「拉致る・・・タツを・・・そう・・・ふふふ・・・」


「「「ひ、ひいっ!?」」」


その単語に・・・そしてこの展開に瑠璃は怒りを露にして、くるりと女達に背を向けると達也との待ち合わせの場所に急ぐ。


その途中、携帯を確認すると達也からの連絡が来ていたことで瑠璃は念のため電話をかけてみるが・・・一向に出る様子はない。


最悪の事態の予感に舌打ちをして瑠璃は部下へと電話をかけた。


「戦の準備をしろ・・・あいつらが誰の物に手を出したのか・・・思い知らせるためにな」


恐らく、連中は踏んではならないものを踏んでしまったのだろう。

龍の逆鱗なんて生ぬるいものではない・・・本当にヤバイものに。


瑠璃は心の中で達也の安否を気にしつつ・・・連中をどう始末しようかと心の中で呪詛を数え始めた。


彼らの破滅は近い・・・









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