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14 僕と彼女の寝起きの事情

トラウマクラスの休日をエンジョイした翌日・・・月曜日という1週間の始まりに若干の面倒くささを感じつつもぼーとしながらのっそりと普通に起きようとした僕は何やら布団のなかで柔らかな感触を感じた。


何だろ・・・この凄く柔らかくて暖かいものは?


寝ボケながらも何度か触っていると「あん!」という色っぽい声が隣から聞こえて・・・あれ?


「タツ・・・朝から大胆ね」


あ、あれ?空耳かな?そ、そうだよね。朝から煩悩が爆発した僕が妄想をアクセラレート(加速)させて現実には今この場にいないはずの彼女の姿をリアルに具現化しただけだよね?


・・・それはそれで末期かな?


「おはようタツ」


そんな現実逃避をしているとばっちりと隣で視線があう瑠璃さん。

ああ、瑠璃さんだね。うん。


「おはよう瑠璃さん」


朝の始まりは挨拶と瑠璃さんが基本だよね・・・って、瑠璃さん!?


「な、なんで瑠璃さんが僕のベッドに・・・」


あ、あれ?昨日は一人で寝たはずだし、瑠璃さんがお泊まりした訳ではないのになんで・・・

ん?ていうか、さっきの柔らかな感触って、まさか・・・


「それにしても・・・タツって意外と大胆なのね」


くすりと笑う瑠璃さん。

だ、大胆って一体・・・


「朝から私の体を求めてくるなんて・・・ふふ」


求める?瑠璃さんの体を?はて、一体それは・・・


「あら?覚えてないの?さっきはぼーとしながら私に抱きついて、その後で離れてから私の胸をそれはもう確かめるように何度も揉んで・・・」


「すみませんでした!」


思いっきりベッドの上で土下座をする僕。

プライド?そんなものは今は必要ない。

寝ぼけていようがそんな行いを瑠璃さんにした僕がいけない。うん。そのはずだ。


そんな僕の鮮やかな土下座を見ても瑠璃さん笑顔のまま首を傾げるだけだった。


「あら?別に謝る必要なんてないでしょ?私たちは付き合ってる訳だし、それに健全な高校生カップルとしてはむしろライトな方でしょ?」


さらりとそう言ってくれる瑠璃さん。

な、なんか僕が意識しすぎてるだけなのかな?

ていうか・・・


「なんで瑠璃さんが僕のベッドに入ってるの?」


「ダメだった?」


「い、いやそうじゃなくて・・・」


ダメではない。むしろ嬉しいが・・・


「い、いつもなら朝は待ち合わせのはずなのになんで部屋にいるのかなーって・・・」


そう、いつもは瑠璃さんとは待ち合わせをして学校に登校してるから、なんで今部屋にいるのか不思議てしょうがない。

見れば瑠璃さんは制服姿だから僕の寝てる間に家に入ってベッドに来たのはわかるけど・・・


「タツの寝顔が見たくてつい・・・てへ♪」


今どき珍しいくらいに下を出した「てへ」という仕草に思わずグッときてしまうが・・・これだけは言わないといけない。


「瑠璃さん。せめて事前に告知はしてください」


「告知?」


「僕にも心の準備があるから・・・」


突然の事態・・・アドリブに滅法弱い僕にとって、寝起きに彼女がいるとはなんとも心臓に悪いことこのうえない。

いい意味でも悪い意味でも瑠璃さんが隣で寝てる・・・これは文字だけでも僕をドキドキさせるには充分だろう。


そんな僕の内心を見透かしてるようにくすりと笑ってから瑠璃さんは「はーい」と返事をしてくれたけど・・・多分わかってはいない。


時計を見るとそろそろ朝御飯を食べないといけない時間なので、とりあえず瑠璃さんに部屋から出て貰って着替えをしよう。


「瑠璃さん。あの・・・」


「あ、タツ。私に構わず着替えていいよ」


先手を打たれた!?


「それともタツは私がいちゃ嫌?」


そんなことを上目使いで言われて折れない男はいないだろう。

結局、僕は恥ずかしい思いをしながら瑠璃さんに見守られて着替えを行った。

なんだこの羞恥プレイは・・・



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