30 〜天使フェイリルとの出会い〜
突然空から降ってきた女性…
透き通るような緑色の目、きめ細やかな白い肌、腰のあたりまで長く伸びた金色の髪。
そして背中についている黒が所々に混じった白い翼。
そして美しい鎧をつけている
はずだったのだろう。
「うーん……もうやめて……仕事……」
今の彼女は私が寝ているベットの隣のベットで寝ている。
肌は傷が数多あり、髪は所々千切れ血がついて固まっているところもある。
目の下には深い隈があり不健康そうな顔をしている。
着ていた鎧はひしゃげ所々砕けていたので外させてもらった。
鉄ベースのミスリルとオリハルコンの合金とは……なかなかこれを作った奴やるな。
白い輝きが美しい。細部のデザインもカッコいいしかつ上品な感じだ。
ちなみに私は今ベットの上に縛り付けられている。
……グレイプニル(偽)ってなによ。
いや…あのね。
怪我したままだと痛いじゃん?痛いんだよ?
だからさマナを取り込んだり活性化させたりして治癒力を高めたわけよ。
そしたらさ……1時間で完治しちゃったんだよね。
この回復力普通じゃないでしょ?
こんなこと話せないじゃん?
でもちょっとリハビリしたいなぁって思ったんだよね。
ーーー
「怪我人なんだからあと3日は絶対安静、一ヶ月ハードな運動は禁止!主人様の身が皆心配なのです!」
とこのように見張りが常に家の付近にいてまともに体が動かせなかったんだよね。
でそんな時に彼女が落ちてきたんですよ
ユニコーンはオスなんだがイエス処女ノータッチというポリシーらしい。
ちなみに膝枕までは許すらしい。
「おおっこれはこれはなかなかなものをお持ちのようで!あなたの純潔を貫くその心!このユニコーン感激ですぞ!」
「いやいや!早く助けましょうよ!」
そんなわけで彼女を彼女が作った穴から引き上げ、鎧を脱がし服を剥いでそれなりの処置を施し私の横に寝かせた。
ちなみに何とは言わないが彼女の胸にはメロンが2つ実っていた。
「ぉぉ…柔らかっ……」
しっかり堪能させていただきました。
前世では私はりんごサイズだったからね。
ほんと指が沈むんですよ。
でも肩こりそうなので私はりんごサイズでいいです。動きづらそうですし。
そんなわけで知らない人の裸を見せていいわけないでしょと男性陣を遠くに追いやった。
「これでようやくのびのび動ける!」
ドアから出て息を大きく吸い込む。
やっぱ森の空気は美味しい。
心なしかいつもより調子がいい。
リス達がわたしの前をくるくる回って遊んでいる…かわいい、フサフサモフモフしたい…けど嫌われちゃうのでくるくる回っているリス達を見ながらその場を立ち去った。
やっぱモフモフは正義だなぁ…そんなことを思いながらリハビリを始める。
結果として……
久々にゲインさんとやりあったらだいぶハッスルしてしまって……まぁ本気を出すといっても負荷増し増し重力5倍で魔法禁止っていう縛りですけど。
そんな感じで三倍速ゲインさんと対戦。
だんだん盛り上がってきて普段は体から漏れないようにしているマナが結構漏れちゃったみたいで
「わっ……なんだ精霊王か……ん?いつのまにここに住み着いてんの!」
いつのまにか住み着いてた精霊王に発見された。
ちょっと驚いて1秒で9回斬ってしまったのは仕方ないことだと思う。
「おー熱々な歓迎だね〜」
まぁ精霊王だし。斬っても死なないので大丈夫。
相変わらずなんというか、なんなんだろうね。
とりあえずどうしてここにいるのか聞きたいと思った。
そして返答がこんな感じ
「いや〜神樹がここにあるじゃんか〜?いや〜ここは本当に精霊にとって心安らぐ場所なんだよね〜」
「ん?何か今聞きなれないフレーズが。えっといや〜の後なんて?」
「ここは本当に精霊にとって心安らぐ場所なんだよね〜」
「そっちじゃない!」
「そっちってどっち〜?」
「神樹ってとこ」
「神樹がここにあるじゃんか〜?」
「……何も言うまい」
「聞こえてたんでしょう?」
「聞こえてたよ!聞こえてたけどさ!神樹ってどれが?まぁなんとなく察しはついてますけど!」
「まあまあ、そんな叫ばなくても」
なんとアプルの木が神樹になっていた。
薄々『あれ?なんかおかしいなぁ〜』とは思ってたけどね。
「名前つけたらどう?」
そんなことを言われた。
神樹っていうと私は世界樹的なものかなぁと思うのでその名前をそのままつける。
私のネーミングセンスは頼らないほうがいい。
「じゃあ『ユグドラシル』」
他にもイグドラジルとか色々呼び方があるらしいけど一番聞きなれてるものにした。
少しと神力を奪われる感じとマナを少し持っていかれる感じがした後アプルの木が光った。
「新しい精霊の誕生です。祝いましょう。」
「「「「「「「「新しい精霊、神樹精霊『ユグドラシル』に乾杯!」」」」」」」」」
「え?何これ?乾杯?え?」
わけがわからなかった。
でも精霊たちがすごい集まってきて光の渦が出来た。
とても幻想的な光景だった。
そして湖からひとりの人型の精霊が淡い緑色の光に身を包んで現れた。
「あ、どもどもユグドラシルでーすっ」
すんごく軽い奴だったよ…
「いやー呼ばれたからはるばる世界を超えてやってきちゃいましたよ〜。トルネコもいいけどやっぱ叡智が詰まった林檎も捨て難いよね〜。この木は……うんうん…根をかじるヘビもいないし樹皮をかじる馬鹿もいない…と。サイコーじゃん!決めましたー!私ここに住みまーすっ!」
ん?この言い草だと……
そんなことを考えているときに追い払っていた男性陣と作業中だった女性陣が集まってきた。
「ん?皆どうしたの?」
そんなことを聞いた。
けどこの時私は忘れていたんだ。
『怪我人なんだからあと3日は絶対安静、一ヶ月ハードな運動は禁止!主人様の身が皆心配なのです!』
そう、皆私の身を心配してくれているのだ。
私よりもずっとずっと。
何か信仰めいた、というより盲目的に狂信している気もするけど、とにかくやばいくらい心配してくれる。
「主人様!これは一体……って主人様は動いちゃいけないじゃないですか!」
ユニコーンがそう言うか言わないかのうちに私はこの綱にぐるぐる巻きにされてベットの上に転がされた。
ーーー
それがこうなったわけなわけでして。
この綱から抜け出そうと思えば抜け出せるんだけどこれ以上皆を心配させるわけにもいかないし…
そんなわけでかれこれ二時間くらいはあれからじっとしてる。
6時間経った
隣の天使さんはまだ目を覚まさない。
たまに
『うー……これ以上っ…はむりっ……あっ…またついか……しごとふえた……ていじが……』
と何やらうなされいる。
他にも
『しょるい……ステータス…しょるい…休みたい……ジョブ……しょるい……人手……スケジュール……ちょうせい……休みたい……でんごん……こっくじゃない……かせいふでもない……眠りたい……しごとのおしつけ……だいり……』
とか
『もう……やってられてねぇ……くそぉ……かろうししたく……ない……わたしはまだせんにひゃく……よんさいなんだぞぉ…………うぅ……せんぱい……なんでさきに……』
などと何やら不穏なフレーズが飛び出してくる。
まず年齢については聞かなかったことにしよう。
多分先輩って男だよね。そうに違いない。いやそうといってくれ。その方が妄想がはかどる。
つまりえーっと、推定1200歳のこの天使さんは寝言から察するにとんでもない家庭と職場で板挟みになってしまっていた悲しい女子なのでしょう。
そして家庭を持ちつつも恋い焦がれていた男性の失踪……
この昼ドラ的展開!
きっと再会してすぐに恋に落ちて…ってきゃー!
まさかの三角関係!
そして職場と家庭に耐えられず男に逃げた彼女の結末はっ!
っていう昼ドラありそう。
あぁ月9の最終回見逃したなぁ…
なんだったけなぁ
『ラーメンは世界を救う』とかいうタイトルだったような
内容はラーメンが大好きな主人公がいろんなラーメン店を巡りながらその周りの問題を解決していくっていう感じ
なんでそんなの見てたんだっけ。
あぁそうだラーメン食べると目からビーム出したり色々と面白い反応するからそれで見てたんだ。
「んんっ……ん?」
天使さんが目を覚ました。
目はまだ焦点があっておらず、なんだかぽわぽわした雰囲気を出している。
美人の寝起きは画になる。
うん、いいよー。もうちょっとこっちをむいてもらえるかなー。
「んん〜?ふあぁぁ…。…………ヒッ⁈」
天使さんはいきなりびっくりした様子で飛び退いた。
体幹はしっかりしてる。
下半身もかなり鍛えてある。
重心移動も滑らか。
この人と遊ぶのは楽しいだろうなぁ…
ハッ
このままではバトルジャンキーになってしまう。
危なかった。
そして天使さんの方を見る。
服は剥いだので一糸纏わぬ生まれたままの姿というあれ。
いってしまうとZENRAである。
あっ下の毛は処理しないタイプですか。
脇毛は処理するんですね〜。
「私が気配もマナも全く感じ取れなかった……貴方は一体何者ですかっ?」
と天使さんが言う。
透き通っていながらもよく響く少し低めのいい声
そんな貴方にわたしからも質問
「裸で足を肩幅に開いて胸も隠さない貴方は何者なんですか?」
そう聞くと構えを解かずに天使さんは答えた
「あぁ、それは失礼した。私は最年少でヴァルキリーに選ばれた天使が一人!フェイリルだ!
………って裸………はだか?
キャーーーーー!!
見ないでください見ないでください!
私はなんて恥ずかしいことを…うぅぅ」
勢いよく自己紹介した後だんだん顔が青ざめていって、最後には顔を真っ赤にして足をぴったりと閉じて手を挟んで下を隠し、肩が凝りそうなメロンを2つ抱きかかえて隠そうと努力していた。
上乳横乳下乳はみ出てるけど大事な部分は隠れているのでオーケー…オーケーだよね?
そんな彼女は床にペタンと座り込んで最初の威勢はどこかに吹き飛んでしまった
ここで思い出して欲しい
彼女は患者なのだ
彼女の体は完治していない。
治りきっていなかった彼女の体のいくつかの部位が悲鳴をあげている。
特に腰と肋骨。
このままだともちろんやばいわけで…
そうなると私が治療するしかないわけだ
そんなわけで煩わしい縄を収納して服も全部収納する。
そしてベットの上で仁王立ち
裸の付き合いといこうじゃないか!
ーーーーー
「あーーーー効きますぅーーーんんっーーーあーーー」
「でしょ?なかなか効くよねこれ」
「そろそろ限界ですぅー…むきゅぅ」
「やっぱ重力20倍は負荷なしでもなかなかくるね……」
今なにやってるのか?
ジャックナイフっていう腹筋の鍛え方ですがなにか?
患者?
知りませんねぇ、なんせこの世界には治癒魔法があるので。
ちなみにユニコーンにも治療方法が一応ある
でもユニコーンの治癒魔法はちょっと受けたくないというか触りたくないので遠慮させていただいたんですけど
ユニコーンの治癒方法
それは……
怪我を舐める。
はい、却下ー。
美少女と幼女がよだれまみれなんかになるわけないでしょうが!
そんなわけで自分で回復して今はリハビリがてら筋トレしてます。
この後マッサージをしあうんだけど
「あっ…んんっんっいっんっ」
「ほれほれ〜」
「くっうっんんっーーー」
フェイリルの体中が凝り固まっているので私がずっとマッサージしている。
痛みを我慢するためなのか声を出さないようにしているみたいなんだけど…ちょっとエロいです…
フェイリルの肩が凝っている。めちゃくちゃ凝っている。硬い。
それにしてもなんかこの凝り具合は、激動の会社勤めを思い出す。
増える残業。
先に帰っていく上司。
休日の呼び出し。
部下の育成。
終わらない業務。
肩凝りやら腰痛がたまに来るコンビニ弁当の毎日…
たまに出会うコンビニ強盗やら、ヤの付く自営業の方々の抗争。
…もうやめよう、終わったことだ。
それにしても声エロいなぁ…
ちょっとからかってみよう。
「ちょっと声エロいですね。」
「ちょ。その年でなにを!破廉恥です!」
おお…なかなかの反応。
これは面白いなぁ
もうちょっとからかってみよう
「またまたぁ〜初心なんだからぁー」
「うーーー。サキュバスかなんかなんですか?」
サキュバスいるんだ…
とりあえずテキトーに答えておく
「サキュバスではないですけど一応吸血鬼ではありますねぇ…ちょっと血を吸って見てもいいですか?他人の血がどんな味するか興味あるんですよ」
からかうつもりで言った言葉ではあるけど、この天使さんの血にはなんか興味がある。
うなじが美味しそうに見えてしまう…じゅるり。
トマトジュースでも別にいいんだけど、ちょっと他人の血がどんなのか興味があるのは本当だ。まぁ半分からかいの気持ちではあるけど
「へぇ〜そうなんですか〜……ん?…はい?今なんと?獣人の方では?」
「違うけど?」
「へ?」
「ん?」
目の前にメロン…もちろん揉む。
「えっとどういうことですかって胸を揉まないでぇ」
半分涙目になっているしもうやめよう。
「手触りがいいからつい、ね。あ、あと私ハーフ的ななにかだから」
「それってほぼほぼない奇跡だと思うんですけど」
「いや、この体は作りものだし…種族っていうと私神様だしなぁ…」
「神様なんですかぁーへぇー」
「信じてないな!このっこのっ」
「くすぐったいですよー」
「ふふふ」
「ふふふ」
異世界ではじめて出来た友達は天使でした。
「主人ー入りますー……「えっと、これはー」……これはこれは…「いやっ、違います」…お楽しみのところすいません……」
「「えぇ〜」」
はっきり言おう私は百合じゃない。
ただ目の前に立派なものがあったら揉むものだろう?
女子同士だから問題ないでしょ?
普通のことじゃないの?
前世の友達は、後輩の女子に対して夜這いを決行した。
そしてあんなことやこんなことをされた挙句、首が決まって気絶したなんていう話があるし。
それから考えれば私はド・ノーマルだ!
「それ勘違いだよー!」
私が言った時にはもう遅く、私はそっちの気もあるのだと誤解されてしまった。
ただ女性陣から向けられる視線がドン引きというものではなく、なんかもっと、貞操の危険を感じる目線だった。
あとで訂正せねば…
あんなことやこんなこと
ジャイアントスイングやコブラツイスト
前世の友達氏。
後輩の反撃(プロレス技)にて失神する。




