27〜とある勇者の終わり〜
鮮血。
血だまり。
肉片、骨片、眼球。
見慣れたものだ。
平和だったはずの平原は一瞬にして血の匂い漂う赤い場所へと姿を変えた。
そしてそこに4人組が一つ
彼らが犯人であり俺の獲物だ
「さっさと帰◇にゃ」
黒髪の獣人が言う。
後ろで揺れている一本の尻尾がとても愛らしい。
あれは捕まえて隷属させて遊んで犯してその後に殺して奪おう
先程奪ったおかげで『聞き耳』のスキルが『遠聴』にランクアップしたらしい。
ところどころ聞こえないところがあるがそれでもかなり聞くことができる
この世界に来た時にもらった『鑑定術』というスキルも勇者二人から奪ったお陰で『鑑定先生』にランクアップしている、が効果範囲が5Mととても狭い。
「そうだね。そ□しよっか、ところで早く焼かないとい□ないんじゃない?」
「素材がもった□ないにゃ」
「剥ぎ取れる素材なんてあるの?□□□?」
「主人様、オークの皮□どはレザーとして重宝されるのです。冒険者達の□めにもここは残しておくべきかと」
「そっか…じゃあ帰ろっか」
そうして仮面をつけた4人組が歩き出した。
『遠視』で見ている限りあの4人はとても強い。
あのスキルが欲しい。
突然だが俺は異世界から召喚された…いや巻き込まれたといった方がいいな。
そしてチートをもらい勇者になった。
これが俺だ
ーーーーー
名前 蒼井 雲士業162
種族 人族
レベル62
職業 無職
ユニークスキル
奪取 全治癒の祈り 原初のルーン 強制 鑑定先生
パッシブスキル
無し
スキル
剣術8
暗殺術9
魔法術(火6水4風5土1雷3氷2光2闇2)
調理5
解体3
隠形9
etc…
称号
巻き込まれた者
勇者殺し
同族殺し
殺戮者
ーーー
俺が人を殺すのは問題ない。
俺は世界を正すために殺してるんだ、だから問題ない。
大丈夫、罪じゃない。
俺が一番最初に殺したのは一緒に召喚された勇者のうちの一人の魔法使いの女だった。
そいつは俺のことが気に入らないのかわからなかったがとにかく暴言を吐き続けた。
そいつは俺の上司だった
ただ一年早く生まれただけ
ただ少しいい大学を出ているだけ
ただ俺より少し優れているだけ
ただ少し容姿がいいだけ
たったそれだけの女だ
パワハラも普通にしてくるし胸を押し付けて来た挙句『お前はこれで痴漢だから。バラされたくなかったら必至に私の分まで働いてね』とかほざきやがった。
それはこっちに来ても変わらなかった
それどころか魔法なんて厄介なものを手に入れやがったせいで余計にめんどくさかった
俺のスキル『奪取』は死体からスキルを全て奪うスキルだ
だから最初はとても弱かった。
そしてある日突然声が聞こえた。
天啓だった。
内容は
変化を恐れた神が私を封印した。
その封印を解く手伝いをしてほしい。
そのためには君は強くならなければいけない。
そのためには人をいくら殺してでもいいから、スキルを取れ、そして強くなれ。
君がいくら殺しても私が復活すれば生き返らせることなど造作でもないから安心して人を殺すといい。
君が人を殺すことを神である私が認める。
というものだった。
人を殺すのは正直怖かったがその神は俺におまじないをかけてくれた。
一歩を踏み出すための。
ナイフを持って女の部屋に侵入した。
寝ている女の首を掻き切った。
血が吹き出た。
そしてスキルを得た。
手に残った感触は生肉を切るのと大差ない感触だった。
初めて人を殺した感想は
血がついて汚い
だった。
そしてそのあと俺は俺を監視していた奴らを殺した。
その系統のスキルを得た。
神からご褒美で『強制』というスキルを得た
そのあと女と同じように召喚された僧侶風の女の部屋に入った。
部屋に『原初のルーン』を使って音が漏れないようにした。
そして僧侶に『強制』を使った。
まず『立て』といった。
立った
『服を脱げ』と言った
脱いだ
『自慰をしろ』と言った
した
そしてそのままやることをやった
抵抗をすることもなく声も出さなかった
『喘げ』と言うと喘いだ
そしてことが終わった後殺した。
俺はスキルを得た
その時の女の顔は無表情だった。
俺は満たされなかった。
それからも俺は人を殺した。
スキルを得た。
いつのまにか『殺戮者』という称号を得ていた。
レベルも上がった。
人を殺しているのがバレた。
もう聖国にはいられないと思ったので王国に渡った。
俺は神に選ばれた。
だから悪くないし俺は正しい。
ーーーーー
仮面の4人組が街まで帰ってきた。
俺は監視を続ける。
鑑定の範囲内には入らないし入ってもしない。
鑑定はするとバレる危険性があるのだ。
「主人、この後コンサートがあるから一旦お別れにゃ」
「え?…あぁわかったいってらっしゃい」
そのグループから黒髪の獣人が一人抜けてギルドの中に入っていった。
正直に言えば全員のスキルが欲しいが一番はあの小さい白マントのスキルが欲しい
それからしばらくすると
「主人様…少し仕事が溜まっているのでここで失礼します。」
「うん。頑張れ。」
そして一人白髪の男が離れていった
そして宿に仮面の二人組は入っていった。
しばらくして荷物を持った灰色髪の仮面が出てした
そいつは町の外へ出ていった。
暗殺して奪う方が楽なので追いかけずに夜になるのを待つ
夜になった
宿に入り部屋をとる
奴らは集まっていないのを確認している。
そして仮面の白マントの部屋のドアを音がしないように開く
そいつは無防備にうつ伏せで寝ていた。
一定のリズムで胸が上下する。
俺はベッドの横まで音を立てないように歩いて近づいて短剣を抜いて首に刺そうとした。
その時俺はターゲットを鑑定していた
俺の鑑定はランクが高いので偽装が効かないので全てみえる。
それが最後の光景になるとも知らずに俺はそのステータスを見た
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名前 ライカ 業-398
種族 現人神
レベル42
職業 無職
ユニークスキル
国士無双 健康体 無限収納
パッシブスキル
五感の極 第六感 常時戦場 自己領域
スキル
剣の理6 刀の理12 槍の理7 投擲の理8 短剣の理8
格闘の理9 隠形の理8 歩行の理8 暗器の理2
弓の理6 杖の理6 棒の理6
魔法の理(全)6 鑑定1 自己把握1
掃除術6 料理術4 洗濯術2 鍛治の理6
偽装の理8
…etc
称号
精霊女王 超越者
加護
最高神達の加護
異世界神たちの加護
契約
フェル
ミーシャ
レイサン
ーーー
短剣が首に刺さる1秒前。
なぜか俺は倒れ始めた。
目の前が真っ赤に染まっていく。
どうやら足を両方と腕を両方やられたらしい。
いわゆるだるまになっているらしい
そして俺は生涯を終えた
今になってみればひどくつまらなく人生だった。
3/18 ステータスの部分を修正しました。




