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16 〜冒険者ギルド〜

ヒャッハーな方々「ガキはお家に帰ってママのおっぱいでも吸ってるんだなぁ!」

その後主人公にボコされる

この新人ヤベェ

「ギルドで騒ぎを起こさないでください」とギルド職員が出てきた後職員と仲良くなる


ここまでが私の思うテンプレ

私たちは王都の中に無事に入ることができた。

もちろん門から入った。一応壁を飛び越えることもできたが今回はこちらを選んだ。


そして王都についた感想なんだが


「うわっ、広ーい」

「そうですね…」

「本当に大きいにゃ…情報を集めるのにゃ。にゃーん」

「ただ猫の真似をした痛い獣人にしか見えなかったぞ?」

「ふふん。今のは街の猫達に情報を集めるめるよう命令したのにゃ、フェルもまだまだにゃ」

「我が空を飛んだ方が早い気がするのだが…」

「レ、レイサンがいじめるにゃー!レイサン…じゃなくてフェル…は頼れないし。八方塞がりだにゃぁぁあああ!」

「どうしてそうなる…」


本当に広い。

だいたい東京ドーム…何個分だ?

今になって考えるとなんで比べる対象が東京ドームだったのか不思議だ。


で王都の大きさなのだが、多分東京23区+αくらいの大きさだ。



そして今私たちの目の前にはたくさんの人が歩いていた。

それにしてもこんだけ広いと地図がいるな。

本当に賑わっているし、活気溢れている。


何というかお祭りみたいな感じだ。

何か祝い事があったみたいな感じだ。

みんなが『クロム様万歳!クリス様万歳!』と言っている。

歴史の偉人だろうか?


それにしても、この体になってからこれまで気にならなかったのだが


「匂いがなかなかすごいね…」

「慣れですにゃ」

「慣れですよ。主人」


食べ物の匂い、武器などについた血の匂い、冒険者が持っている薬草やポーションに人の匂いが混ざってとても気持ち悪い匂いがするようになっていた。

この体は五感が優れている。むしろ優れすぎてるような気もするが。


ちなみにこの匂いを今の私が例えるならばトイレに芳香剤の50倍はひどい、という感じの匂いだ。

が数分もすれば慣れた。


慣れとは怖いものだ、と思う。


足下に一匹の猫がすり寄ってきた。

少し痩せている。これは前世のミーシャが基準だ。


「みゃーん」


かわいい。餌でもあげよう。


私は干し肉を少しちぎって猫に渡そうとした。

猫はちぎった干し肉の大きい方を持っていった。

逞しいね。


「冒険者ギルドまで案内するにゃ」

「道わかるの?」

「任せるにゃ!」


自信満々に胸を張っているミーシャ。

頼もしい!さすが私のミーシャだ!


「さすがミーシャ!」

「褒めても爪ぐらいしか出ないにゃ」


恩を仇で返されるとはこういうことか…


そして剣にロープが巻きついている絵面の看板が特徴的な大きめの建物の前にやってきた。


扉はウエスタン式かと思ったのだがそもそも扉がないという建物だった。

一階には受付とクエストボード的なあれがあった。あとは受付の列が三列あるだけだった。


私達はとりあえず一番並んでいる人が少ないところに並んだ。


1組に3分くらいかけてだいたい五組分待ったところで私たちの番がきた。


「すいません、冒険者登録をしたいのですが」

「登録なら二階ですよ」

「あ、そうですか」


紳士な受付のおじさんがそう教えてくれた。

ちなみに長蛇の列になっている受付の人は美人なお姉さんだった。

男の人ってほんとそういうところあるよね…


そして二階へ…って酒臭っ!


けどその中に気になる匂いがあった。

なんか懐かしさを感じる匂いだ。

いつどこでこの匂いに出会ったんだろう。

まぁ今はいいかな。


私達は酒場の隣にあるカウンターに座っているちょっとマッチョなおじさんに先ほどと同じセリフを言うと


「名前をここに書いてくれ、別に偽名でも構わない。あと血を一滴でいいからくれ、痛いのが嫌なら唾液でもいいぞ。」


そこで私は初めて名前をどうするか考えることになった。

まず本名の東 光 。これは使っちゃいけない気がする。

次はライカ。この名前は一年後に養子になった時も使おうと思っていたので却下。

なので新しい名前を考える。

流石に自分に『イチ』とか『三十郎』などと付けはしない。センスがないことはわかっているが、自分なりに努力はしてるんです。

もうイースト()ライト()でいいや。


名前を書いた後私は唾液をフェル達は血を一滴づつ提出していた。


ちなみにフェル達も偽名を使ったらしい。


フェルは『ロウガ』ミーシャは『ミケキャッツ』レイさんは『リュウヤ』という名前にしたらしい。


フェルもレイさんもちゃんとした偽名だけどミーシャ…


「ミケキャッツって三毛猫のことじゃん!」

「今のミーシャを見て三毛猫だと思う奴は目がイカれてるにゃ」

「あっ本当だ。」


ミーシャに論破されてしまった。



そういえば走ってる途中スライムとかゴブリン的な群れを少しやっつけたのでそれの買い取りとかしてもらえないかな?

買取が無理でも。討伐報酬くらいは欲しいなあ。


そうじゃないと今日は野宿に…転移魔法陣どこかにつけるか。そしたらあの森の家まで帰れるし。


「ほらできたぞ。これだ。受け取れ」


それは茶色いカードだった。

表には名前とランクが載っていて裏には依頼達成率や成功した依頼の種類と数が載るようにされていた。


「再発行には5000ギルだ。無くすなよ。あと定期的に更新しろよ。だいたい1年更新しないと効果がなくなるからそこんとこ、覚えとけよ」


私たちの冒険者カードにはGの文字がデカデカと載っていた。

これから頑張りますか!



それはともかく重要な問題がある。





金欠というか無一文






「すいません、素材の買取はどこでやってますか」

「別棟の解体棟でやってるけどなんか持ってるの?」

「ちょっと王都に来る途中で魔物を倒したので」


そういうとその人は


「そうかい、それはよかった。でも無理をしちゃいけないよ。命あってのなんとやらだからね。」


と言ってくれた。

正直なところ、命の危険を感じたことがないので私はそんな場面にとても弱いと思う。

それに『人』を殺す覚悟もまだ決まってないし。

あ、ゴブリンは人には入らないと思ってます。



そのあと解体棟へ。

魔物の亡骸は無限収納の中に形そのままに入っている。

剥ぎ取りの方法覚えないとなぁ。


「ん?見ない顔だな。新人か?」


解体棟の職員の方が声をかけてきた。


「はい、そうです。買取をしてもらいたいのですが魔物の亡骸をここに出してもいいですか?」


と言うと


「へぇ、お嬢ちゃんアイテムバック持ちか。それは貴重だからあまり人に見せびらかしたりしない方がいいぞ。それと魔物の死体はそこに出してくれ」


指示された場所にゴブリン一族を出す


ちなみに殺し方は頭と胴をさよならさせただけだ。

返り血も全部斬ったから、血はかからなかったけどもうちょっと血を流さずに勝てる方法はないのだろうか…


ついでにスライムの核を3つほど出す。

スライムは通りすがりに核だけをスライムの体から摘み出したら死んだ。

スライムの核はなんかぷよぷよしてて気持ちいいので一番大きかったやつを手元に残しておく。


「ははっ、こ、こいつはすげえな…」

解体棟の職員の人は苦笑いしていた。


そうだよね。ゴブの死体なんて役に立たないよね。


と思っていたらそれは違ったみたい。


「こいつはゴブリンロードにゴブリンメイジ、アーチャーにジェネラル、おっナイトなんてレアモンもいるじゃねぇか!これはすげぇ!しかもこのスライムの核は傷一つねぇ!どうやったんだよ。うわっゴブリンリーダーがこんなに…」


約300体あるモンスターの死体を見て興奮しているのかな?

違いました。すいません、変態扱いして。


「これだけの魔石の量となるとそうだな…だいたい250万ギルってとこだな」


結構な金額ですね!


「じゃそれでお願いします!」


というと首を竦めてやれやれというポーズをとる。


「人の話は最後まで聞こうな。これに加えて討伐報酬が別で出るそれは大体このレベルのゴブリンの群れだと50万くらいだな。それにしてもよかった。ゴブリンロードが生まれるとゴブリンは数千単位の群れになって街に襲いかかって来るからね。今回は生まれて間もないところを討伐できたんだろうね。」



これで300万か…それなりに暮らしていけそうだな



「ま、でも防具はいいものだとすぐにそんな金なんてなくなるけどね。」


そんな情報も教えてくれた。魔物を剥ぎ取りながら。どうやら魔石は心臓のあたりにあるらしい。


そして剥ぎ取りが終わると


「予想以上に状態が良くて助かったよ。血抜きもしてあったし、というか切断面があれは芸術的だね!できればちょっとその剣を見せてもらえないかな。武器の目利きは得意…というか私は武器が好きなんだよね。」


剥ぎ取りのおっちゃんは武器が好きらしい。

フェルが0号を渡すとおっちゃんは鞘から剣を出してしばらく見つめると震え出した。


「ぉぉおお!材料は鉄のみ。限界まで素材の良さを引き出している…。しかも歪みもなく、剣の重心の位置も素晴らしい!最近の鍛治師のようにミスリル銀を使ったり魔物素材を練り込まずに己の腕だけで勝負しているところがまたいい!これを作った人物はさぞ高尚な鍛治師なんだろうな!是非とも紹介して……すまない。これは発作のようなものなんだ。」


やはりおっちゃんは武器マニアという変態であった。


でも自分の作った武器が褒められるのは嬉しかった。



そして私たちは300万という冒険者にとってはすぐになくなるような大金を手にしたのだった。




え?テンプレ?ありませんでしたよ。

絡むような人なんていなくてみんな真面目な人ばかりだった。

期待してたんだけどなぁ

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