17 〜王都 大金の活用方法〜
『100万円当たったら何買う?』
そう聞かれたことは誰もがあるんじゃないかな?
宝くじは最高6億とか言ってたけど100万円だって普通に大金だ。
年収320万ちょっとだった私には本当に大金だ。
でも税やら食費やら家賃やらで手元に100万円などあったことがない。
転移する直前では貯金はいつもしていたが50万とちょっとが溜まったところだった。
そして今私の手元には350万がある。
正直なところ落ち着かない。
こんなサンタクロースみたいな袋いっぱいの金貨どうしろっていうの!?
「買うもの…買うもの…必要なもの…」
何か必要なものがないか考える。
服はどうだろうか。
自家製のとてもセンスの良いものが腐るほどあります。
うん、却下だね。
装備はどうだろうか。
自分で作れるからいらないね。
食事。
自分でする方がうまい。というかフェルがする。むしろ私にやらせてくれない。包丁が危ない?大丈夫大丈夫、包丁の切れ味C+だったし
寝るところ。
宿で十分。いざとなったら森の家に帰る。というか変なところではフェル達が寝させてくれない。寝る場所くらい自分で決めたい…でもフェル達のもふもふをベットがわりにするのも捨てがたいな。特にミーシャの尻尾が激ヤバなのですよ!
よく考えたら無理に使う必要はなかったので、
私はとりあえず金貨を無限収納の中に収納した。
あとは寝るところというか活動拠点が欲しい。
そう思ったのでフェル達に声をかける
「とりあえず宿とろうか」
「それならこっちにゃ」
すぐにミーシャが案内をしてくれる。
いつミーシャにナビ機能がついたのだろうか。
ミーシャが道を右に曲がり細い裏路地に入る。
私たちはそれに続く。
この路地はなんか嫌な感じがする。
なんというか人を殺してでも生き延びてやろうという感じだ。
王都は確かに栄えている。その一方でやはりそういう人も出てしまうのだろう。
少し行くとスラム街のような感じになってきた。私自身テレビでしかスラム街というものは見たことがないのだが現実はもっと酷くて残酷だった。
道の傍で人が死んでいたり壁に魔法の跡が付いていたりもした。
本当に宿に行く道であってるのだろうか。
「ミーシャ?」
「なななんでしょう?」
あ、ミーシャのナビ機能はポンコツだったようだ。
流石ミーシャ。期待を裏切らない。
「どうする?」
と私が聞くとレイさんがミニ竜形態になって運んでくれると言ってくれたが…
「冒険者ギルドまで戻ろっか」
宿は冒険者ギルドに聞くことにした。
「ところでミーシャ。」
「…はい、申し訳ないですにゃ」
「どこの宿に泊まろうとしてたの?」
「マタタビ亭ですにゃ」
猫だからしょうがないとはならなかった。
けどフェル…その殺気と視線でミーシャが殺せるなら16ミーシャくらいはもう死んでるよ。怖いよ?
「玉ねぎ、ピーマン、ニンジン、ネギ、パセリ、さぁこの中から4つ選べ」
「え?なんの話にゃ?」
「一週間の食事の内容くらい決めさせてやろうと言ってるんだ」
穀物と肉を取らせないつもりらしい。
ちなみにフェルが言った野菜はミーシャが残しやすい食べ物ランキングだ。
ちなみにうちのパセリは飾りじゃない。
日本のパセリは飾りに使われているが、あれは勿体無い。
まぁ好きではないんだけどね。
「にゃにゃ!?それは〜どうかご勘弁を〜」
「早く選ばないと全種類食べてもらうぞ?」
私としては全部の方が飽きにくいからいいと思うんだけど
「ゆ、許してにゃん」
ミーシャは可愛く上目遣いでポーズをとった。
それが許されるのはバラエティーだからなんだよ、ん?バラエティーでも許される確率が低かったような…
(プチっ)
なんかがキレる音が聞こえたかも。
気のせいだね。
宿を取るまでに少しグダグタしたので割愛。
私は今、戦利品を抱えて帰ってきた!
ここは宿『泊まり木』の204号室。
この宿は冒険者ギルドがあるところには必ずあるチェーン店みたいなものらしい。
故に安全性抜群でしかもそれなりのお部屋だ。
4人でシングルベット2つの部屋に泊まることにした。部屋の大きさは大体8畳半といったところだろうか。
ユニットバスなんてものは付いていない。
クローゼットもだ。
そのかわりカゴが一個置いてある。
まぁそこに入れる荷物なんてないのだが。
ここを1年契約で借りた。
先払いしておいたのでこれで安心だ。
金貨を120枚使うことになった。
やはり家を買うべきかもしれない…
でも1年経ったら私はライカに戻って貴族の養子になるつもりなのでちょっともったいない気がする。ちなみに養子にならないという選択肢はない。
クライブ曰く
「因果をちょっといじったから絶対貴族のお姫様になれるよ!」
とのこと。
そうじゃないんだよ!
なんで貴族の子供に転生させなかったんですかねぇ。
でも貴族のお姫様には憧れがあるので今でもなりたいという気持ちは変わらない。
現実を見たら萎えそうだなぁとか思ってはいるけどそれでも白馬の王子さまが現れるかもしれないし。
あー私を助けてー王子様ー。
ちなみに私は『助けに来ないのならこちらから行くぞぉお』ってタイプのお姫様だ。
妄想も適当にして戦利品である屋台の食べ物達をじっと見る。
匂いはいい。フェルの作ったものほどではないにしろ。
焼き鳥を口に入れる。フェルも隣で食べている。
壮年の執事が焼き鳥を頬張る。なぜか絵になる。
でも本質があのショタだと思うとね、なんか可愛く思えてしまうわけなんですよ。
村人B風のおっさんことレイさんも焼き鳥を頬張る。
なんかどこかで見かけたような気がする。
既視感を覚えさせるが気にはならないその姿は紛うことなきTHE村人。
ドラゴンなのに覇気がなさすぎるぞ!
そしてミーシャはネギまを食べようとしていた。
そのネギま、肉抜きだよ…
かわりに肉によく似せたニンジンが刺さってるよ…
その後も私とフェルとレイさんは屋台の料理をミーシャは野菜スペシャルを堪能した。
フェルの料理ほどではないが美味しかったしまた食べたいなと思った。
屋台の料理ってなんか食べたくなるような魔力があるよね!
そのあと少し私には硬いベットに転がる。
日はもう沈んだ。
1年で名を売るとかそういうのは考えずにのんびりと王都の空気に馴染んで行こう
私はミーシャの尻尾を枕にして寝た。
貯蓄大好き日本人




