準備
本日から「絶望と共に歩く少女」という転生物も上げています。しゃあない見てやるかという方はどうぞこちらもお願いします。
「じゃあまずコンビニで照明道具と回復系アイテムを揃えて……装備の見直し……後何か必要な物ありますか?」
「そうだね……後は別に良いんじゃないかな」
パクパクとサンドイッチを口に運ぶツボミ。そして次にオムライスに手を出す。
「お口に合いましたか?」
「はい。ついつい箸が進んでしまう美味しさです」
オムライスをものの三分で完食したツボミは食後のデザートのケーキに取りかかる。
「ツボミさんよくお食べになりますね」
「んっ、良く食べる女性は嫌いかな。アユムは?」
「いえいえ、素敵だと思いますよ」
「私、おばあちゃんに好き嫌いせず食べなさいって言われててね。それを守ってたら何でもたくさん食べる子になったのよ」
「それはいい事ですよ。僕はどうしても茄子の食感が苦手でして……恥ずかしい限りです」
「それはダメだよ。今度私が克服できるような料理を作ってあげるよ。マスターその時は厨房貸して下さい」
「どうぞどうぞ。私も協力しますよ」
「なんでマスターも乗り気なんですか! まぁだけど克服出来るように頑張ります」
何事にも前向きなアユムだ。それが美点なのだろうが。そうこうしてる内にテーブルに乗せられた四人前の料理はツボミが二人前、マスターとアユムが一人前食べて、席を立つ。
「ありがとうマスター。それじゃ言ってきます」
「ごちそうさま。レアアイテム手に入ったらマスターにも見せに来るね」
「頑張ってきなさい。楽しみにしてるから」
マスターは手を振りながらカウンターに戻り、アユム達も店を出る。
「それじゃコンビニに行きましょう」
この世界ではコンビニが道具や食料を、スーパーで武器や防具を、デパートはその全てを売っている。コンビニ、スーパーなどの品揃えはほとんど一緒だが、デパートは個々で違い、面白い商品を扱ってる事もある。
とはいっても元の世界よりもコンビニの数は少なくなっている。二十四時間営業は変わらずやっているが。店員がNPCだから当たり前なのだが。
アユム達は中でも手近なコンビニに入る。店内は元の世界の配置のまま置かれている。商品も雑誌からペットボトル。缶飲料、スナック菓子に惣菜、電池や化粧道具などそのままのように見える。一部例外はあるものの。
「えーとポーションとドクターペッパー、後、懐中電灯、他にいるものありますか?」
「一応、食糧も持って行きましょう。回復八、食糧、その他それぞれ一ずつでどう?」
「そうですね。そうしましょう」
この世界でもちゃんとお腹は空く。パロメータやステータスとして表示されこそしないが、お腹が空けば現実と同じように、力が出なかったり、イライラしたりもする。またツボミの言った割合はアイテムストレージに格納するアイテムの割合で、それぞれのアイテムには重量が割り振ってあり、アイテムストレージの限界重量を超えてはアイテムを持っていくことは出来ない。ストレージにはアイテムの他に、装備、素材の二つがある。
パーティーのメリットとしてこのストレージが一つ増えるということがある。パーティーストレージと呼ばれるこれは上限がある事は変わらないが全てのアイテムを入れることが出来、パーティーを解散する前にメンバーでアイテムの分配をすることがマナーとなっている。
ただマナーを守らないどころか、その場でパーティーメンバーをPKしてアイテムを奪う事件が横行した為、パーティーを組むのは旧知の仲でしか組まない者が増えた。そのため二人が出会ってすぐにパーティーを組んだのは結構珍しい事だ。
アユムは次々にパーティーストレージに商品をドロップしていく。精算は自動的にパーティーメンバーで分割されるようになっている。ツボミはサウンドアシストの声を聞いて何が購入されているのかを知ることが出来る。だから、
「アユム、食糧ね。サンドイッチだけじゃなくておにぎりも欲しいな」
とか、
「懐中電灯の予備として松明とランタンも持って行こうよ。備えあれば憂いなしだよ」
と口を挟む事が出来るのだ。
買い込んだ二人は次にスーパーに寄る。アユムが買い足したい物があるというからだ。
「何を買うの? アユム」
「一応、武器が破損した時の為に刀を何本か」
「アユム……武器の管理怠ってるの?」
「いえいえ決してそんなことはないですよ。ちゃんと研磨して耐久値は最高を保ってます。でも万が一ということもありますから」
武器には耐久値があり、これはモンスターを斬り付けたりオブジェクトに斬り付けたりするたびに減り、ゼロになると壊れて消滅してしまう。だからプレイヤーは自分の武器の耐久値を最高に保つために研磨する。この時使われる研石は高価だがコンビニで売ってるため誰でも手に入る。また研磨の方法はもう一つあり、スキルにある鍛冶職人をあげているプレイヤーに研磨してもらえば耐久値を増やすことも出来る。しかし、戦闘には役立たない職人スキルをあげている人は稀だ。
「そう。私も一本買っとくね」
ツボミが片手直剣を一本取ってストレージに収める。アユムも刀を五本くらい手に取り、納めていく。
「僕の準備は終わりました。ツボミさんはどうでしょう?」
「私も大丈夫。じゃ行きましょうか」
アユム達は店を出て、街の南に向かう。
袋小路の壁に、幾何学模様で描かれた円が薄い蒼の光で輝いている。
「それじゃ行きましょうか」
「ええ」
言い忘れてました! サイトの方でキャラ紹介として主要キャラの立ち絵と簡単なプロフィールを乗せています。キャラが掴みにくいいう方こちらを見ていただくとイメージの補完になると思いますのでよろしければどうぞ。
http://snsf.omiki.com/novel/momo_character.html




