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第1話 「悪夢」
一閃。
目にも止まらぬ太刀筋が、1人の首を落とす。
また一閃。
息をつく間もなく、別な1人が膝から崩れ落ちた。
むせかえるほどの血の匂いが立ち込める戦場。血の海という表現そのままの場所に、彼は立っていた。
周囲には、おびただしい数の《《人だった肉》》が落ちている。
一閃。「肉」の数が増えた。
彼の姿は、もはや人間のそれではなかった。
髪の毛、肌、革鎧、そして手にした長剣。全てが真紅の返り血で染まり、元がどんな色だったのか、もはや判別もできない。
彼が視線を巡らす。次に「肉」となる相手は何処かと。
その瞳に感情はない。目にした敵を「肉」にする。それだけのために動く、無慈悲な虫のような、虚無の瞳。
「ば、化け物...」
誰かが、手にした武器を落とした。
呻き声を上げて後ずさる者。背を向けようとする者。そして、我先にと逃げ出す者。
戦意を無くした者たちが続々と現れる。
しかし、敵は「肉」になるまで敵なのだ。
一閃。さらに一閃。
彼は背を向け駆け出した者たちにも、一切の容赦なく剣を振るった。やはり、その表情に変化はない。
「紅の剣鬼」
その異名の通り紅に染まった姿で、彼はひたすら「肉」の数を増やしていった。
──そこで、ハミルは目を覚ました。




