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Ⅴ.食堂
昼の光は雨で薄まり
窓の奥の景色は濁る
食堂のざわめく音は
どことなく重く感じる
私は言葉を持て余しながら
隅の方の席に座る
周囲の笑う声は
テーブルの揺れが伝えてくれる
独りで飲む温かいスープは
とっても冷たくて
遠い外の雨でできる
水たまりかのよう
ここにいるのにいないような
私という存在が
希薄になっているような
そんな気がした
雨と風が屋根を叩く音だけ
いつまでも会話のように
私の頭に問いかける
ただ一生こたえが出ることはない