前へ目次 次へ PR 4/10 Ⅳ.中庭 傘から滴るそのしずく 落ちるたびに 自然の拍子が 辺りを静かで賑やかにする 私は傘の下 濡れない場所で 周りを眺める 目の前には 潤う芝生と少し曲った古いベンチ 雨粒が音を立てて姿を消す それによく似た私の感情 近くで誰かが傘をたたむ 名前も知らない誰かが なんだかいいと感じられた ポケットのスマホは 通知を鳴らす スマホの振動は 雨とともにどこかへ流れる まだ止まない空 私もまだここにいることにした 何も発さずに ただ傘の下で立ち尽くす