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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第3章 学園2年編

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第96話 初めての命をかけた対人戦




 なんていうか、見た目はスキンヘッドのいかにも頭は悪そうな感じで、アニメによくいそうなモブっぽい見た目なんだが……さっきの俺の足への正確なナイフの投擲能力を見せられれば、強敵だというのは何となくわかる。


 さすがはプロ集団といったところか。いや、こいつがまだ神声教団の幹部なのかも知らんけど。そもそも、なんで神声教団に誘拐されたって分かったんだ?


 なにか目立つ格好でもしているのかと思っていたけど、普通の冒険者って感じの人だよな?


 ……こりゃ80%学園にスパイいる可能性高いな。男は話し始める。


「ああ、忘れていたあ。自己紹介くらいはしないとなあ?俺はスキンヘッド。神声教団の幹部になるかもしれない男さあ。よろしく」


 名前まんまやないかい。あと、ああ見えてけっこう律儀な奴っぽい。普通ああいうのって話通じない奴ばっかだし。


 てなわけで、この誘拐も神声教団の仕業なのは確定。多分これ、シオリーをこのまま捕まえれば、幹部に昇進……的なやつか。かなり大きい組織なんだろうか。知らんけど。


「で、その少女、返してくれないのかあ?」


 スキンヘッドはジャキンと腰からナイフを手に取り、眺めながら聞いてきた。俺はそのナイフを見て、先ほどの地獄が一瞬フラッシュバックして震える。


 どうする……勝ち目は無いだろう。ここはシオリーを差し出すか?どんな強い人間でも、不意打ちなら倒せるだろうし、シオリーを差し出しつつ、チャンスを狙うか?


「何考えてんだあ?イエスかノー、どっちなんだってえ」


 スキンヘッドは待っているのがイライラしてきたのか、ゆっくりとこちらに歩いてくる。やばい。怖い。こいつは平気で殺しに来る。動かないとやばい。


「待って」


「ああ?」


 すると、隣で立っていたユリアが、スキンヘッド睨みながら制止した。


 おいおい待て待て。ユリアさん危ないから余計なこと言って刺激しないでくれ。もしユリアが怪我したら、俺が怪我した時の治癒は誰がするんだ!(クズ)


 俺は正義感の強いユリアが余計なことを言わないか、ビクビクしながら待機する。


「あなたはなぜ、シオリーちゃんを攫ったの?」


 スキンヘッドは顔をしかめながらも、すぐに答える。


「あ?何だお前ぇ。まあいい。このチビの大量の魔素はジン様復活の糧となるのさあ」


「ジン様?それはあなたたちが信仰する狂った神のこと?」


「狂ってなんかいない……が、その通りだあ。ジン様は慈悲深い方だと聞いているよお」


 すごい、ぺらぺらとしゃべっていく。その情報が本当なのかは分からないけど、本当だとしたらバカだろ。てかさっきからしゃべり方の癖強いな。


 すると、スキンヘッドは俺を見て、問いかけてくる。


「ん?君、情報をぺらぺらとしゃべってバカだろ、とでも思ってなあい?」


 俺は図星で顔を引きつってしまう。なんで心の中読まれた?こいつ怖いんだけど。


「そんな馬鹿じゃないよお。だって、君たち二人はねえ、俺に殺されるんだからあ。今から死ぬ人に情報漏らしたっていいじゃん?君たち学生だし、弱いよねえ?」


 俺たちを殺すこと前提か……俺は再び緊張で体が震え始める。


 ユリアは全く動じず、再び質問をする。


「そのあなたの信仰する神が復活して、どうなるの?」


 すると、スキンヘッドはよくぞ聞いてくれた、と喜ぶかのようにニンマリ笑顔になり、嬉しそうに答える。


「よくぞ聞いてくれたあ!そうだあ!ジン様が復活すればあ!すれば……あれ?どうなるんだ?」


『……』


 やっぱこいつはバカだった。ユリアはさらに続ける。


「あなたはその神様のことを何も分かっていないのに、信仰して、人に迷惑ばかりかけているの?」


「うっせえ!」


 このスキンヘッドおもしれえな。


 とはいえ、俺も気になるところだが、ジンという神を復活させて、なにをしたいんだろうか。


 幹部になれるかもしれないくらいの奴が、知らないわけもないだろう。本当に知らないのか、それとも、思考操作でもされているのか。


「で、質問は終わりい?早くお前ら殺してえ、その大量の魔素を持った少女の魔素をジン様にだから、ひひ、早く殺らせてくれよお!」


「ユリア下がれ!」


「きゃ!」


 俺は少々乱暴だが、ユリアを掴んで後ろに放り投げる。奴はいきなり俺たちの目の前に踏み込んできたからだ。こうなってはさすがに俺も動かずにはいられなかった。


 俺はすぐに反応して剣を抜き、奴のナイフを受け止める。ガキンッと、剣がぶつかり合う金属音が響く。


「へえ、お前の魔素反応もでかかったから魔法師と思ってたが、てめえ剣士か。それにしても、今の俺のスピードに反応できたのはすげえじゃん」


「……」


 そして俺とスキンヘッドは互いに飛び退いて距離を取る。


 クソ、結局こうなった。戦わざるを得なくなった。異世界だし、ユリアの事情もあるし、こうなることは覚悟していないわけではなかった。


 正直逃げるだけなら得意だと自称してるが……ユリアだけならまだしも、シオリーまでいる。この状況はもう、やるしかないんだ。やらなきゃやられるだけだ。


 前世はどれだけ平和だったか……まあ、前世は前世で精神的に地獄で拗らせるほどだったわけだが。


 覚悟はあるとはいっても、怖いものは怖い。さっきみたいにまたナイフを刺されたら……そう思うと再び動悸が激しくなる。


 でもイケメンイージーライフを邪魔させてたまるかよ。かわし続ければいいだけだろ。そんな上手くいかないだろうけど……。


 初めての、人との本気の殺し合い。前世では妄想でしていたことだが、現実となると、手が震える。でも安心しろ。こいつは俺たちを殺しに来た、なら……正当防衛だよな?


 そうだ、スキンヘッドを、前世によくいる、自分が恵まれてるとも知らない努力信者の頭お花畑のチー牛を見下すイケメンクソ野郎に見立てればいいんだ。


 ……不思議だなあ、そう思うとなんか憎悪湧いてきたわ。


 その時、スキンヘッドは俺を見て一瞬後ずさる。


「……っ!?お前え、急に目つきが変わったなあ。おもしろくなりそうじゃあねえかあ!?」


 スキンヘッドは叫びながら再び俺に接近してきた。





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