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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第3章 学園2年編

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第87話 暇つぶしの王都探検的な?




 帰省してまたすぐに1週間が経った。早いものだな。


 結局、稽古とトレーニング以外はずっとだらだらしていた。ユリアとの会話の練習もしたし、たまにレッドも混ざっていた。まあ成果はほとんどないけど。結局今までと同じ受け身。


 そんな感じで、帰省中、特に何かあったわけじゃないけど、田舎の自然は堪能できたし満足だ。


 俺はのんびりできたし、帰ろうと思うが、レッドはまだ修行のために残るらしい。ユリアは俺と一緒に王都に戻るそうだ。


 レッドは「それじゃ、また夏休み明けにな」とだけ言って、すぐに稽古に励んでいた。父さんは「また来年も来いよ」と俺たちに別れを告げ、稽古を再開している。


 レッドがどれくらい成長するのか、楽しみじゃないけど……まあ、ちょっとだけ楽しみだな。


 そして俺とユリアは朝日が昇り、光が照らす中、馬車に乗って王都へ帰る。馬車が動き始めて、父さんと母さんは俺に手を振る。恥ずかしくて振らなかったけど、頭だけは下げといた。




 ---




 ということで、王都へ帰ってきた。王都はいつも通り人でにぎやかだった。


 久しぶりに戻ったし、王都のこのざわめきや賑やかさもいいかな……って思いたかったけど、全然そんなことなかった。また人酔いしそうで気持ち悪い。ユリアに念のため治癒魔法をかけてもらいながら寮に着く。


 寮に帰ると、さっきとは変わって、懐かしさを感じる。やっぱ自分の部屋は落ち着くよなあ。俺は部屋に入ってすぐにベッドにダイブした。実家に帰っても、寮に帰っても、やることは同じ。ダラダラするだけだ。これが俺の生きがい。


 ああ最高……。もう何もしたくない……。で、なぜかユリアも俺の部屋に入ってくる。


 もうやめましょうよ!そうやって平然と俺の部屋に入ってくるのは!どうせ俺が勝手にユリアの部屋に入ったら訴えるんだろ!?男女逆転したらなんでこうなるんだ!


 ……と心の中で叫んではいるが、真顔を貫き通す。ユリアはだらけている俺を見て、さっそくため息。


「はあ……チー君は寮に帰ってきてもそうやってだらけてるぅ」


「え、いや、でも、やることないじゃないですか」


「やることって……」


 ユリアは少し困ったように首を傾げた。ゲームがあれば間違いなく没頭出来ていた。この世界は剣技はあるからなのか、スポーツのような娯楽がない。とにかく娯楽が少ないのだ。


 だから大体の人は、商売やギルド活動、料理、学園なんかで時間を潰してる。それと俺はユリアにも物申す。


「あと当たり前のように俺の部屋に入ってこないでもらえますか」


「別にいいじゃん……チー君も一人じゃ寂しいでしょ。それに話したいこともあるし」


「話したい事?」


「その、ね?一緒に出掛けたりとか、しない?い、嫌ならいいんだけどさ」


「え」


 ユリアはちょっと目を逸らしつつ、サイドの三つ編みをいじりながら提案してくる。こいつ照れるといつも髪いじってんな。それに、まるでデートの誘いみたいだ。


 でも勘違いはしない。そりゃ、俺はあくまで騎士としてしか見られていないし、誰だって誘う時は緊張するもんだ。しかも異性なわけだし、仕方ない。


 ユリアにとって、気軽に話せる人が、今は俺しかいない。レッドは俺の実家に残っているし、ネクラもクラウドもサンも帰省中だ。俺はいつだって状況を見て分析するのだ。すぐに浮かれて失敗しないように。


 まあ、誘い自体は、多少暇は潰せるしいいんだけどさ。少しくらいは。


「あ、はい。暇ですし、えっと、大丈夫です」


「……やった!そしたら行こ!?」


 ユリアは目を輝かせて自分の部屋に戻り、準備し始める。う~ん、まあ喜んでくれてるっぽいし、いいか。ほんと、俺といて何が楽しいんだか……。未だに自分から何か話せるわけでもないのに。


 俺はワクワクしているユリアに黙ってついて行った。




 ------




 俺とユリアは賑やかな王都の街をゆっくりと歩いて行く。セクハラや痴漢冤罪にならないよう、ユリアの斜め後ろあたりを、絶妙な距離感で歩いていた。しかし、行先は聞いてないので、どこに向かっているのか分からない。


「あの、ユリア……」


「なあに?」


「結局今ってどこに行ってるんですか」


「適当!」


 はあ? 暇つぶしになるかと思って出てきたのに、ただの散歩かよ。しかもユリアを歩かせたら、超絶方向音痴が発動しかねない。


「あ、チー君はどっか行きたいところあったりする?」


「自分の部屋」


「お出かけの意味ないじゃん!?」


本当はゲーセンに行きたい。


「……とりあえず、適当にぶらぶらしよ?服屋とかもいいかも」


「え、あ、はい」


 大丈夫かなあ……。




 ------




 今は、ユリアが目につけた服屋に来ている。


「見てチー君!これ似合うと思う?」


「あ、はい」


「じゃあこれは?」


「あ、はい」


「適当に言ってない?」


「あ、はい」


「ちゃんと見てよお!」


 ユリアがいろんな服を見て、俺に似合うか聞いてくる。これ完全にデートじゃねえか。


 で、人とまともに目を合わせることもできない俺は、ユリアを直視できるわけもなく、適当に返事を繰り返していた。


 ユリアが拗ねてむくれている。可愛い。


「あ、そうだ、チー君の服も見ようよ!いつも制服着てるけどさ、もっとおしゃれしよ?」


 う、それは嫌だ。制服が一番無難だろ。まあ前世はチー牛で何着てもきもかったし、親の決めた服しか着てなかったが……。


 服もゲームも料理もなにもかも、「誰がするか」で結果が決まるんだよなあ。同じユリクロの服でもイケメンの方がかっこよく見えて、ブサイクは地味でダサく見える現象と同じ。


 まあ、今世は俺は容姿に恵まれてるけど……今更めんどくせえよ。


「いや、あの、めんどいんで……」


「これなんかどう?」


「聞いてねえし……」


 ユリアは楽しそうに、俺に服をいろいろと持ってくる。はあ……まあいっか。少しくらいなら付き合ってやろう。





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