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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第5章 ギルド編

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230/230

第230話 俺の可愛い彼女たちは最高です

 



 チー視点に戻る





「おつかれー」


「お疲れ様」


 ちょうど六時前、皆が部屋に戻ってくる。皆楽しんだようで、笑顔を浮かべていた。ユイと目が合うたびに、俺は娼館に行ったことがバレないか、ずっと内心バクバクだった。


「チー君、何かあった?」


「ひっ!?いや、疲れただけですから」


「そう?」


 すると、疑問に思いながらも、ユイは俺の周りをすんすんと嗅ぎ始める。可愛い……じゃなくて、女の嗅覚とか勘って無駄にすげえからこれまずいんじゃねえか?やばい、バレる前に言わなきゃ……。でももし言ってユイに失望されたら???


「チー君、何か隠してる?隠し事は無しだよ?」


「……」


 俺の鼓動はドクドクと加速する。目を逸らす。もうどうにもできなかった。ああ、いいよ。俺は今日まで前世と比べ物にならないくらいの幸せな時間を過ごしてきた。今日死んだってもう後悔はない。好きな子で童貞も卒業したんだ。ああ、全部言ってやるよ。


 ひとまず、部屋の隅に移動しながら、俺は白状した。


「えっと、娼館に行ってました」


「は?」


 ユイのガチのトーンでの「は?」にちびりそうになる俺。こういう時なんでこんなに女が優勢になるんだ。


「あのですね、正直に言いますけど、普通に俺たちも温泉街回ってたんすよ。饅頭とか色々食いながら。でもあのバカレッドが……娼館に行こう!一緒に行かねえとぶん殴る!とか言い出して、俺だって断った……でも、せっかくできた友達との関係にひびも入れたくなくて……入ってしまいました。すいません。殺していいです」


 ユイはしばらく聞いた後、黙る。目にハイライトが映っていない。キレてるだろう。ユイとの関係はもう終わった。俺は結局、この世界でも捨てられる。


「チ、チー君もその、男の子だし、まあ、ね?ね、ねえ、相手はどんな人だったの?」


「え?」


 急になした。


「え、えっと、ちょっと大人っぽい巨乳の女で……」


「そ、そうなんだ。やっぱ大きい人が好きなんだ」


「違う、俺は巨乳は別にそれほどでもない。単純な興味だ」


「あっそ。その、気持ちよかった?」


「ま、まあ。プロだし……」


「わ、わたしなんかやっぱり、チー君は……」


 やばい、ユイがちょっと泣きそうになってる。俺はなんて最低なんだ、クソ、これだから童貞チー牛……童貞は卒業してるんだった。クソ、好きな子が、俺を認めてくれた人を泣かせるなんて俺が許せねえ。


「ユイ!」


「え?」


「俺はユイが一番に決まってんだろうが!ユイのその美乳が最高なんだよ!ユイが一番かわいくて、一番気持ちいいに決まってんだろ!」


「い、一番?きゃ!」


 そのままユイを壁に追い詰める。ユイはまんざらでもない様子。フ、今の俺はイケメン。彼女にこういうことをするとむしろ好感度アップするのだ。知らんけど。


「ユイ、今夜もしたい……」


「ち、チー君?だ、だめだよ、みんないるんだから……でも、わたしもしたい……」


「ユイ……好き」


「チー君……」


「は~いそこまでですよ~ユイ先輩も離れてくださいね~~~」


「イタタタタタ!苦しいよシオリーちゃああん」


 完全に二人の世界に入っていてシオリーに気づかなかった。シオリーはユイの耳を引っ張ってそのまま部屋に戻っていった。


 ……とりあえず、ユイとの関係は大丈夫そうだった。ていうか、ユイちょろすぎ。ああ、反省だよ。次は誘われても絶対に行かねえからな。クソ。


 ---


 その後、それぞれ適当に席に着き、料理が来るまで待機する。


 ユイがレッドの持つでかい袋を不思議そうに見つめていた。


「レッド君、そのでかい袋、なに?」


「これか?饅頭。50個」


「えぇ……それ、2日以内に食べられるの?」


「え?どういうことだ?」


「消費期限、明後日までだけど。あ、安全に食べられる期間のことだよ」


「なん……だと?」


 レッドが明らかに動揺していた。よく今まで気づかなかったなこいつ。俺?気づいてたよ?うん、人の買い物に口出しするのは良くないからね?気づいてたよ?


「ねえ、クラウドは足湯体験した?」


「いや、そんなものがあったのか」


「そだよ。帰り一緒にいこっか」


「そうだな……ていうか、サン、その長い杖は一体」


「かっこいいでしょ!?これで爆発魔法使ったら環境破壊できそう!」


「やめろよ?」


 おうおう、サンとクラウドも見せつけてくれんな。この二人ってやっぱ仲いいんだよなあ。


 性格的にクールなクラウドと、明るいサンは、一見合わないように見えるのだが。これも長い付き合いだからこそか。


 すると、隣のシオリーが俺にちょんちょんとつついて、小声で俺に話しかけてくる。


「先輩」


「あ、はい」


「これ、バレンタインのチョコです」


「え!?この世界にバレンタインなんてあったっけ……」


「いえ、無いですけど、でもちょうど2月ですし、好きの気持ちです」


「あ、ああ、ありが、と……」


「いえ、ってちょ、先輩!?」


 バレンタインのチョコなんて、前世で1個ももらえなかったのに……。母親に何回か貰っただけだったのに……。絶対にないと分かっていながら、当日は机の中に手突っ込んで何もないこと確認して、一人悲しくなってたのに……。ていうか、さらに娼館行ったことの罪悪感が……うう、異世界最高……。目から汗が……。


 その後、料理が運ばれてきて、夕食を食べ始める。


 刺身や、野菜や肉などの具材が入った鍋、ご飯、揚げ物など、様々な料理が運ばれてきた。今日も温泉街を歩いてきたが、ここでも、どこに行っても麺類は見かけなかった。ぐぬぬ、ラーメンとかうどんが食べたいのに。これは自分で作るしか……。いやまあ、旅館に来てまでラーメンってのもあれだけどね。


 皆は楽しそうに話をしながら、おいしそうに食事をしていた。俺は料理は一人で黙々と食いたい人なので、一人でひたすら黙々と食べていたが、全部おいしかったと思う。貧乏舌だしな、細かいグルメリポートも全くできんから、想像してくれ。


「チー君、おいしいね」


「あ、はい」


 まあ、ユイの手料理には遠く及ばないがな。





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