獣人第3話「平和」
※「発言など」※《以心伝心》※【念話】※
「生命の囲いがなくなったのは聞いているよな?」
「うん。」
「どうやら生命の囲いの外には、『本当に恐ろしい外敵』がいるらしい。」
「うん。」
「そのために、我々はこの地を離れる訳にはいかないのだ。」
「うん。」
「だから、アン。猫の身体を借りて、その外敵を見つけて来るんだ。我々は外敵を知らない。ゆえに、知らなければならない!」
「うん!」
「くれぐれも、猫の身体を大切にするように。」
「分かった!」
「猫ちゃん。」
「《何にゃ?》」
【私は、自然を信じ猫を信じます。猫の手を貸してください。】
「《分かったにゃ。》」
「アン。何かあったら、以心伝心だ。」
「《うん!》」
《自然を通して、ダックスとラルフに伝える。俺の猫の木に集まってくれ。外敵に関することだ。》
「トニー、何か分かったのか?」
「いいや、まだだ。だが、俺達はヒューおじさんが言う外敵の1体は見ている。」
「そうだな。囲まれそうになったから、急いで帰って来たが、」
「だから、外敵がいることは分かっている。」
「もちろんだ。」
「そして、もうすぐ夕暮れ時だろう。そこで、アンに猫の身体を借りさせている。」
「猫にとって都合のいい時間帯だな。」
「俺たちは、外敵を相手にするにしても情報が足りないんだ。」
「ヒューおじさんが言い伝えを隠したからな。」
「つまり、俺らは外敵を知らなければならない。」
「言い伝えについて探るよりも、ずっと確実な方法だな。」
「ヒューおじさんも言っていただろう。『生命に平和を』と。」
「平和を保つためには、火種を消すしかないと言うことか。」
「そうだ。」
「この地に争いをもたらす訳にはいかない。」
「そのためにも、こちらからいくわけだ。」
《自然が破壊されてる。》
「何か見つけたようだ。」
《感覚提供できるか?》
《うん。》
《「ハハッハハッ、この俺を吹き飛ばせる奴がいるなんてなぁ。おもしれぇなぁ!」》
「どうやら、外敵同士でも争っているようだ。」
《アン、そこに留まるのは危ない。迂回して他の外敵を探せ。》
《うん。》
「どうやら、平和を愛さない外敵は、内輪揉めを起こしているようだな。」
「だが、あそこで聞いた音は明らかに統制された動きだった。」
「そうだな。とても内輪揉めを起こすようには思えない。」
「引き続き、探したほうが良いな。」
固有名詞解説
念和:自然から力を借りる時に必要。心の中で唱えること
同調した生物とは会話できる。
感覚提供:同じ生物と同調した獣人とは、視覚•聴覚などを共有することができる。




