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143.別れ、そして新たな航路へ

143.別れ、そして新たな航路へ

一週間後。

ニューレオンの空は澄み渡り、砂漠の風が静かに町を撫でていた。


ジュンは、レオン号の発着場に立っていた。

その横には、リリル、ドノバン、ジュガ、ルード、アーチバルド、ユリア、ハンス。

彼らは皆、ジュンと同じように、これから訪れる別れの瞬間を静かに受け止めていた。


レオン号のハッチ前には、オットー、ダクラス、ソニア、グラント、イリーナが整列している。

彼らは今日、次元転送機能を使って西暦2120年へ帰還する。


ジュンは一歩前に出て、仲間たちを見つめた。


「……今日で、俺たちは別々の道を歩くことになる。

でも、これは終わりじゃない。

二つの世界は、もうつながっている。

いつかまた会える。」


オットーが苦笑しながら言った。

「お前が残るって聞いた時は驚いたけど……今は納得してる。

お前はこの世界でやるべきことがあるんだろう。」


ジュンは頷いた。

「ニューレオンをもっと良い町にしたい。

魔素と科学の融合も、この世界で続けていきたい。

それが……俺の選んだ道だ。」


ソニアが目を細める。

「あなたらしいわね。

でも、寂しくなるわ。

あなたの分析と判断力には何度も助けられたもの。」


ダクラスは静かに言った。

「医師としては、あなたが安全な場所にいることが一番だ。

この世界での生活があなたに合っているなら、それが正しい。」


グラントは短く言った。

「……元気でいろよ。

お前がいないと、なんだか締まらないんだがな。」


イリーナは敬礼し、凛とした声で言った。

「艦長。

あなたの判断はいつも正しかった。

これからも、その信念を貫いてください。」


ジュンは胸が熱くなるのを感じた。

彼らは、長い旅を共にした仲間。

家族のような存在だった。


「……ありがとう。

みんなの言葉、一生忘れない。」


ジュンは一歩下がり、復元された七人へ視線を向けた。


リリルが微笑む。

「ジュン。

あなたが選んだ道を、私たちは支えるわ。

あなたは一人じゃない。」


ドノバンが杖を鳴らす。

「お前が残ると聞いて、胸を撫で下ろしたぞ。

我々ブルーファルコンは、お前を仲間だと思っている。」


アーチバルド元子爵は深く頭を下げた。

「ジュン殿。

あなたがこの世界に残ると決めてくださったこと……心から感謝します。」


ユリアは涙を浮かべながら言った。

「ジュン様……どうか、お元気で。

私たちも、この世界で頑張ります。」


ジュンは微笑んだ。

「ありがとう。

これからもよろしく頼む。」


ーーーーー


オットーがジュンの前に立つ。

今日から、彼が新しい艦長だ。


「ジュン。

レオン号は任せてくれ。

必ず無事に帰還してみせる。」


ジュンはオットーの肩を掴み、力強く言った。

「頼んだぞ、艦長。

お前ならできる。」


二人は固く握手を交わした。


ーーーーー


「全員、乗船準備に入れ。」


オットーの声が響き、ダクラス、ソニア、グラント、イリーナがハッチへ向かう。


ジュンはその姿を、胸が締め付けられる思いで見つめていた。


ソニアが振り返り、手を振る。

「ジュン、また会いましょう。

次元転送がある限り、距離なんて関係ないわ。」


イリーナも微笑む。

「あなたの町、また見に来ます。」


ダクラスは静かに頷き、グラントは無言で親指を立てた。


最後にオットーがハッチに立ち、ジュンへ言った。


「……ありがとう、ジュン。

お前がいたから、俺たちはここまで来られた。」


ジュンは微笑んだ。

「こちらこそ。

行ってこい、みんな。」


ハッチが閉まり、レオン号のエンジンが低く唸り始める。


砂漠の大地が震え、巨大な船体がゆっくりと浮かび上がった。


ジュンは目を細め、その姿を見つめ続けた。

隣には、リリルたち七人が静かに立っている。


レオン号は空へと上昇し、やがて青空の彼方へ消えていった。


ジュンは小さく呟いた。


「……ありがとう。

また会おう。」


その声は風に乗り、静かに空へ溶けていった。


こうして、レオン号は西暦2120年へ帰還し、

ジュンはミレバの世界で新たな人生を歩み始めた。


オットーは、このジュンの残る異世界の惑星周回軌道を一周した後、

次元転送機を起動させ、西暦2120年の世界に戻っていった。


彼らの物語は終わりではなく、ここから新たな人生へと続いていく。

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