13.コボルトの幼女 その6(サザン村)
13.コボルトの幼女 その6 (サザン村)
村に到着すると、馬車はそのまま村の中を走り、
ザールの家の前で停まった。
怪我をしたザールを、ドノバンととジュガが担ぎ、
ゆっくりと荷馬車から降ろす。
知人がザールの家のドアをたたく、
すると中から1人の女性が出てくる。
ザールを見ると、その女性は、
「ど、どうして?」
と、ザールの近くに寄り、声をかける。
「荷馬車が崖から落ちてね、足を怪我したが、彼らに助けられた。」
とザールはジュガ達の方を向く。
「それはそれは、夫を助けていただき、ありがとうございます。
私の名前はエリスと言います。」
それぞれ、こちらも簡単に自己紹介をする。
「ザールさんをどちらに運べばいいですか?」
と、ジュガが言うと、
「すみませんが、こちらへ運んでください。」
エリスは家の中に入り、怪我をしたザール達を寝室に運ぶ。
ザールを寝室に寝かせた後、居間に通され、
改めてお礼を言われる。
話を聞くと、サザン鉱山では、新しい鉱脈層と洞窟が見つかり、
その新しい鉱脈層で採掘された鉱石を王都へ運ぶ途中だったとのこと。
その後、新しい鉱脈が見つかった区画から、強いモンスターが出没す様になり、
鉱石を採掘するのが難しくなっているとのこと。
リリルはこの鉱山の探索依頼を受けてきたことを話した。
「ぜひとも村長の家を訪ねてください。」
村長の家は5件隣の家との事。
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リリル達はザールの家を出て、
村長宅に向かう。
村長宅は、他の村人の家と異なり、
門番のいる大きな家で、門番に鉱山の新しい鉱脈区画探索の依頼をギルドで受けてきた旨、説明をした。
門番は確認を取った後、リリル達を村長の家の中に通された。
リリル達はしばらく入り口広間横の部屋で待っていると、高齢の村長が現れる。
ここで改めて、依頼の内容を説明された。
主な捜索内容は、
①新しい坑道の調査。
元々採掘がおこなわれていた、旧区画の坑道の壁の一部が崩れる形で、
新坑道が現れたとのことで、まだすべての調査が行われていないらしい。
地図を完成させてほしいらしい。
②モンスターの調査
新しい区画では、すでに何種類かのモンスターが確認されていたが、
まだ、未知のモンスターがいないか?
いる場合、そのモンスターの特徴を伝えてほしいらしい。
③新しい鉱石の調査
すでに王都から来た調査員が入ったそうだが、音沙汰がないらしい。
彼らを見つけて、新しい鉱石の調査を進めてほしい。
この3つだった。
村長からは、鉱山の新しい区画までと、今現在分かっている新しい区画の地図が渡された。
本日はもう暗いので、本日はこの村の宿屋に泊り、
村の道具屋で道具をそろえてから、新しい坑道の調査をする旨伝えた。
「よろしくお願いしますじゃ。」
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村長の家を出ると、説明された村唯一の宿屋に入り、2部屋確保する。
昨日の様なトラブルにならぬよう、
みんなで食事をしている時に、酒の提供はしない旨、ジュガに伝えた。
ジュガは少し悲しそうな顔をしていたが、ここは無視だ。
食事を終え、明日からの坑道探索に備え、早めにジュンは就寝した。




