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貴方に黒い花束を  作者: 雪逸 花紅羅
消えゆく理と運命の狭間で
33/38

光の天使セラフィム

気付けば年末じゃありませんか!

今年も終わりを迎えようとしていますね。来年も頑張ろう!!

俺はそばが大好きで毎年、年越しそばをとても楽しみにしてます。

皆さんも年越しそば食べたりしますか?おいしいものは食べたくなりますよね。

さて今回は、ガレッド視点でお送りしていきたいと思います。

お待たせして申し訳ない。それでは、どうぞ!!


神殿へ入るなり青年の声が響き渡る。


「おや?お客様ですか?おかしいですね。ここには誰も来ない筈なのに・・・」


入って早々、見つかるとは運がありませんね。

全く、お嬢様の前で手荒な真似は余りしたくはありませんが・・・。


「おい、お前」


驚いた様にショコラが声を掛ける。

何故?嗚呼、死んだ際にこの人と会ったことがあるとか?


「あっ・・・貴方は」


やはりショコラと面識がありそうですね。

良ければ味方に引き込みたいものです。でも、それが出来なければ・・・。

いえ、面識があるのならば味方になる確率は上がっている筈。

とにかく、ここは様子を見るべきですか。


「成程、貴方も亡くなってしまったのですか。残念です」


はっ?まさか生前の知り合いなのですか?

黒猫だった頃の?しかし、それでは今の姿を見ても分からない筈では?

人間に転生してから私と会う以前の知り合い。どこで知り合ったんでしょう?


「嗚呼、お前とは色々と因縁があったな。でも良かった」


「そうですね。あの時の事は忘れませんよ。良き思い出ですから」


勝手に話だけが進んでいく。

流石に口を出そうと思った瞬間、相手の声が確信を貫く。


「けれど、貴方達は死んでいないでしょう?三人同時なんて起こり得ません」


「流石に騙されてはくれないか。頭に環っかでも付ければ良かったのか?」


「死んでも頭に環などつきませんよ。面白い方だったのですね」


我々が死んでいない。侵入者であることがバレてしまった。

やはり戦うしかないのか?勇気を出して一歩前へ出た。


「良いでしょう。見逃してあげても構いません。条件を飲めば・・・」


「条件とは何ですか?まさか我々の命なんて言わないでしょうね?」


「まさか、そんな悲しいことは言いません。命は神からの贈り物。どうか大切に」


「それでは何を差し出せと言うのです?」


「貴方達の武器及び殺傷能力と言いたいところですが神の御意思は違います」


「あの方の御意思?」


「私はセラフィムのルカだった者です。今では私がセラフィムですがね」


「唯一、面識がなかった方ですね。成程。ショコラが倒していましたか」


私に会う以前、人間になったショコラはお嬢様の噂を耳にした。

そして事の真相を突き止め、先回りしてルカの息の根を止めた。

お嬢様がこれ以上、疑われなくて済むように。手を汚さずに済むように。

その後、運命的にも私と会い屋敷へと戻ることが出来た。


こんなものでしょうか?


倒す手間が省けたとは思っていましたが、まさかショコラが仕留めたとは。


「その通りです。彼は強く、情のある方。敵ながら尊敬に値します」


「お前こそ、敵ながら様々なことを教えてくれた。ありがたいと思っている」


二人の様子を見るにかなり良い戦いだったのでしょう。

私も出来れば見たかった・・・という本音はさておき、疑問が残っています。


「貴方が現在のセラフィムですか?ならば、現在のケルビムは・・・」


「はい。マリー様です。堕天使である貴方は知っていますね?」


「えっ?お母様が何なの?ガレッド?」


奥様の名前が出たことで、お嬢様は困惑した様子で説明を求めてくる。

どう説明すれば良いのだろう。お嬢様になんとお答えすれば?


「言いにくいようなので私から説明させて頂きます」


「・・・お願い」


「天使に愛された三啓使。その当主は亡くなった後、天使になります」


「天使に?でも天使は決まっているんじゃ・・・」


「天使にも寿命は存在するのですよ。次の後継者が跡を継ぐまでとね」


「じゃぁ、お母様は・・・そんな・・・」


「貴方が次の後継者です。貴方が亡くなればマリー様の寿命も尽きる」


「でも私は死ねない。その場合はどうなるの?」


「その場合はマリー様が殺されない限り天使の輪から外れることは出来ません」


嗚呼、何と残酷な事実だろう。再び戦わねばならないというのか?

只でさえ、あの事を気に病んでいらっしゃるというのに・・・。


天使が天使であることを放棄した場合、

天使は堕天使となり天界から追われる身となる。


天使が天使として生涯を終えるには

天使であることを止めなければいけない。


天使が天使として亡くなる方法。

それは生前の後継者が死を以って身代わりとなること。

それか気に入った家系の者に祝福を与え、神に仕えさせる。

神に忠誠を尽くし、悪を滅する。それが後継者の資格。

それさえ達成出来れば天使は役目を全うし、転生が叶うのだ。


そして転生後は一生の安定が神によって約束される。

だからこそ神に仕え、次に備えて身代わりを用意する。

自分に代わって仕事をこなしてくれる優秀な人間を。

そこには果たして愛があるのだろうか?

我欲に塗れた堕天使はどちらだろう?

天使は人間を盾にして人間もまた無知が故に天使を信じる。

悪いのは神ではなく天使なのだ。それを人間は知らない。

これから先もまた人間の犠牲に神は涙を流すのだろう。


「それは天使が作った身勝手なルールに過ぎません」


「しかし貴方もまた天使ではありませんか。今は堕天使ですが」


「余りにも天使が穢れていたので嫌気が差しただけです」


「天使を愚弄するとは命が惜しくないようですね」


「思い上がりもいい加減にしなさい!目を覚ますのです、人間よ」


「ガレッド?」


お嬢様の前に立ち塞がり、ルカに向けて叱責する。

彼が天使を名乗るのであれば間違った思考をすべきではない。

まだ彼は戻ることが出来る。以前の人間のように。


「私はもう人間ではありません。神に仕える天使です」


「その言葉を何度も聞いてきました。私は天使なのだと。

 だから何なのです?だから何をしても許されると思っているのですか?

 いいえ、違います。貴方は我々を許せる立場ではない。

 それは神にのみ許された権限なのです。分かっているのですか?

 天使如きが口にしていい言葉ではありません。それは只の傲慢です。

 貴方は天使に騙されているだけなのですよ。それが天使のやり方です」


言葉に力を込めた。彼の心に届くよう願いを込めて言い放った。

それでも尚、天使の呪いは上回り彼の心を侵食していた。


「確かに私のしようとしていることは傲慢です。ですが騙されてなどいない」


「何故そこまでして天使の座に拘るのですか?貴方には正しい考えがあるのに」


「貴方こそ目を覚ますべきです。自分の罪から言い逃れは出来ません。

 天使の座など関係ない。私は正しい事をしている。只それだけなのですから」


その目は死んでいた。完全に我々を敵対視していた。

彼には根強い天使の思想が刷りこまれているようだ。


「私に寿命は存在しません。何故ならセラフィムは医療に秀でています。

 それに私は後継者を定めていない。私に勝つことは出来ません。

 ショコラ殿、今一度お手合わせを願います。今度こそ雷の弓矢で仕留めます」


彼が手を翳すとそこには光が集中する。

刹那、稲妻が目の前に落ちた。辺りは雷の音が鳴り響き、所々に雷が落ちる。

視線の先には弓矢を番える天使が一人。眩い輝きが彼を包んでいた。


「出来ることなら、どうか生き延びることを祈っています」


その手から矢が放たれる一本だった矢は飛ぶ過程で幾重にも増えて・・・

それは弾幕のように辺りを支配した。遠くから見れば流れ星のようにも見える。

時が止まったかのように見えた。スローモーションで矢は近づいてきている。

恐ろしいと感じる前に美しいと感じてしまう。圧倒的な敗北は確実だ。

思わず座り込んでしまった。余りに壮絶なその光景に。


「・・ることなら・・なことはしたくなかった」


微かに聞こえてきた天使の呟き。それはとても悲しげな声だった。

どうにかして防がなければ!!そう思ったときにはもう遅かった。

お嬢様が両腕を広げて私を庇うように立っている。


「お嬢様・・・!!」


手を伸ばそうとしたが間に合わない。


「大丈夫、信じて!」


その声を残して激しい音と共に光が場を支配した。



まさかの事実が発覚してしまいました。

そうです。天使にも寿命が存在します!

そして亡くなった当主が代々、跡を継いでいくシステムです。

更に天使となったことによりルカの戦闘力が格段に上がってます。

奇跡の力を行使できるようになったので敵なしですね。

ちなみに以前のセラフィム当主は転生して幸せに暮らしています。

ここまで読んで頂き嬉しい限りです。また、お会いしましょう!


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